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流れ星  作者: しいな
5/5

みんな

更新遅れてすみません。


なんとか書けました。


では、続きをご覧ください。

「・・・で、家に帰ったわけなんですよ」

「・・・・ブッ」


オシャレなカフェで、ある一人の爆笑声が響いた。

周りにいる人たちはみんなその人を見ている。


「玲美・・爆笑しすぎ」

「だ、だって・・・だって真子が・・」


玲美はしばらく笑い続けていた。 周りの人たちは、あきれたのかそっぽを向いていた。


「は、はぁ~・・! もうウケる! ってか真子大丈夫? どんだけ天然なんだよ~!」

「だ、だって焦ってたんだもん! しょうがないじゃん!!」


「言いわけがまさに子供だよ! だってさぁ・・・ドアって押すと引くがあるんだよ?」

「だから焦ってたのっ!!」


資料室でおきたあの大事件(?)。 私はなんとか帰ることができた。

なんで帰れたのか・・・



それはドアの押し引きの間違いだった。




私はあの時、ドアをずっと引いていた。

押すことを考えていなかった。


「はぁ・・どうしよう・・・」


ドアの近くでうずくまっていた・・・そんな時だった。 ドアの音が聞こえたのは。


がちゃっ


「・・・・!?」


私はこの瞬間、二つの疑問が思い浮かんで頭を巡らせていた。


まず・・・・


なんでドアが開いたのか。


そして、なんで



「・・・あら? 大学生の子?! もう帰らないと大変よ!」


なんで清掃の人がここに来れたのか。


「・・・・えっ!?」

「・・・え、どうしたの? 早く帰らないと! ほらほら!!」


私は、清掃の人の腕の力を借りて立った。


「まだ本を探していたんかい? もう夜の6時だよ?」

「え、えっと・・・・」


自分でも理由がよくわからなくなってしまい、何も言えなかった。


がちゃっ


「はい、気をつけて帰るんだよ」

「え、あ、あ・・・あぁ、はい」


この瞬間、清掃の人の行動で、私は全ての疑問が綺麗さっぱりなくなった。


まず、なぜ清掃の人がいるのか。

これは簡単だ。 使用時間後に掃除をするのが仕事だから。


あともう一つ。 なぜドアが開いたのか・・・・。


私はずっと引いていたからだ。


なんて恥ずかしいことをしてしまったのか。 焦りすぎていた証拠だ。




「でもよかったね。 清掃の人がきて」

「ほんとだよ! これからは気をつけないと・・・」


「あ~、面白かった」



「でもね・・・まだ疑問が一つあるんだ」

「・・・ん?」


「なんで・・・なんでみんなは私を置いて行ったのかなって思って」

「えっ?」


そう。 愛梨や唯美、悠也に大輝に・・・郁人君。

誰一人もいなかった。


「一人ぐらい、探してくれるかな・・・って期待してた。 まぁまだ会ってから何日も

   経ってないよ? でも・・・みんなは誰かを見捨てたりはしないって思う」

「・・・真子、そんなに深く考えなくても・・・ね?」

「・・・・だよね。 でもさ・・私はそんな存在だったのかぁって思ってさ・・・」


あんなに優しくて、頼りがいがあるみんなを私はすごく信頼していた。

「していた」・・・過去形になっていることに自分でも気づいていた。


「明日聞いて見れば? もしかしたら本当は心配していたかもしれないし」

「うん・・・・」


そうだ。 もしかしたら何か理由があったのかもしれない。

私の勘違いかもしれない。


「・・・明日聞いて見る」






翌日。 私はいつものようにみんなと授業を行う




はずだった。




「みんなどこにいるかな・・・」


授業前、本当はみんなといつもの場所で合流するはずなのに、みんなは来ない。

もう10分は待っている。 


「真子!」


誰かの声が聞こえて、私はすぐに振り向いた。


「えっ、大輝?(みんないないんだ・・・)」

「ごめんごめん、遅れたなぁ・・・。 あ、みんなもう教室に行ってるで」

「・・・・え」


来てくれたのは大輝だけだった。 私の心は少し暗くなった。

みんな来てくれないんだ。 大輝だけなんだ。



「・・・真子?」


少しうつむいている私に、優しく声をかけてくれた大輝。


「・・えっ? あ、ごめん。 行こっか」


大輝が来てくれたのは、嬉しい。 でも、やっぱりみんながいい。


なんでみんなは来ないの?


そんなこと言えない。 大輝に失礼だ。


「(はぁ・・・)」

「・・・あ、わかった! なんでみんな来ないか考えてるんやろ?」


「・・・・(図星だ)」


私はコクンとうなずいた。


「・・・それが俺にもようわからないんや。 愛梨たちが行って言うから・・・」

「・・・そうなんだ」


それって・・・私の顔は見たくないってこと?


・・・じゃあなんでサークルなんかに入れたの?


なんで今まで私と一緒にいたの?


なんで郁人君は私をみんなの仲間にしたの?


なんでみんなは私を受け入れたの?


「・・・・真子?」


「・・・ごめん大輝。 今日はもう帰る」

「えっ、ちょ・・・真子!! 真子!!」


大輝の前からなんとしても消えたかった。


涙が出ていたから。 泣き顔なんて見せたくない。


私は手を口に押えながら走った。


―私はみんなにとって何なの?―



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