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流れ星  作者: しいな
4/5

資料室

「はい、じゃあ終わります」


大きな教室に鳴り響くチャイムとともに、先生は軽く礼をして教室を出て行った。


「真子・・・ここわかった?」

「えっ、あ、なんとか頑張りました」


青ざめた顔で私に問いかけた愛梨。

私と愛梨の後ろには、郁人君と、悠也と大輝が筆記用具をカバンにしまっていた。

唯美は私のとなりでまだノートに何か書いていた。


「真子、今日も調べなあかんよ」

「え、あ、うん! 星の現象調べましょう!」


郁人君達と一緒になってから、私は大学生活に慣れてきているのを実感していた。

笑顔で受け入れてくれるみんながいても、やはりタメ口にはなれず・・・


「真子、あとで教えて~」

「・・・あっ、はい。 全然大丈夫です!」


言いにくい敬語を使う毎日。 いつかは仲良くなって・・・

そんなことを小さな目標にしていた。






「でなでな、今度その話の続きがテレビであるんよ」

「続き? テレビで?」


大学の外は、とても気持ちがいい。 晴れの日は、みんなで外を

ぶらぶらするのが普通になっていた。


「そう。 で、内容が・・・」

「(また話長くなるだろうなぁ~・・・)」


大輝が話すのはいいんだけど、話が長くなりすぎで時々ついていけなくなる時が

ある。

「大輝、話しすぎ」


後ろから悠也の声が聞こえた。


「えっ? 今から話すのはめっちゃええことやで」

「いやいや、そうじゃなくて。 真子が聞くの面倒になるかもしれないよ?」


えっ・・・図星。


「えっ!?! そうなん!? ごめんな真子・・」

「大丈夫ですよ! 大輝の話、面白いし」

「ほんま?!」


はぁ~・・・本音が言えない。

まぁ面白いのは確かなんだけど・・。


「いいんだよ真子? 大輝の話は長ったらしいから」

「いやいや、大丈夫ですよ」


愛梨の言葉、ものすごく当たってます。

やっぱり先輩は違うなぁ~・・・


そんなこんなで、資料室へ。


「郁人君、この資料なんだけど・・・」


唯美と郁人君が話している。


「(あの二人・・仲いいよなぁ~・・・)」


最近、郁人君をついつい見てしまう。 その先にはまぁ唯美がいて。


「・・? あ、あの二人を見てるのかぁ」

「うわっ! びっくりした・・・」


私の隣にいきなり現れた愛梨。


「あの二人ね、高校の時一緒だったんだって。 で、後から私達が仲間入り」

「あ、そうだったんだ・・・・」


どうりで仲がいいこと。



「・・・真子、この本どこにあるやろか? 俺今調べてるから見にいけへん・・・」

「・・・えっ? あ、探してみますよ」


大輝に頼まれて、私は広い資料室の中を駆け回り、本を探した。


「(どこだろ・・・あんまし来たことないし・・・)」


「・・・あっ、いたいた! 真子、これどう思う?」


本を探している中で、郁人君がこっちに来た。


「・・・え?」

「流れ星について、調べたんだけど・・・」

「・・・えっ!?」


私は郁人君が持っている資料をぱらぱらとみた。


「この間の夜、真子に会った時から調べたんだよ。 なんか余計気になって」

「・・・えっ?」




「流れ星のことが」


・・・あ、流れ星ね。 流れ星が気になったのね。

変な期待を持った私がバカだった。


「これあげるよ。 目通しといて?」

「いいの?! ありがとう!」


「郁人」


私達が話している時に、後ろから唯美の声が聞こえた。


「あっ、じゃあ」


郁人君は、私の前から消えて行った。



「・・・さっ、本探そ」


再び本を探すことに目を向けた。









「・・・・ないなぁ~・・・」



いくら探してもない。 広い場所苦手なんだよなぁ~・・・・

やっぱり郁人君に聞けばよかったかな。

そんなことを思っていると、近くに唯美がいた。

さっきまで郁人君といたはず・・・だよね・・・? ま、いいやいいや。


「何か探しているの?」


唯美に聞かれ、私はとっさに答えた。


「大輝がこの題名の本探してたから・・代わりに探してて」

「えーっと・・・あ、あっちだね。 あっちの棚にあるよ」


唯美が指した方向は、ものすごく遠い・・・。

しかも棚は棚でも・・どの棚にあるか・・・。


「・・・あ、ありがとう! 探してみるね」


私はすぐに唯美が指した方向へ向かった。





「・・・」



「・・・」



「・・・ない」


もう5回も見て探しているが、いっこうに見つからない。

やっぱり違う場所なのだろうか。


「・・・・ってか、ここどこ!?」


あまりにも広すぎる資料室は、方向オンチな私にとって最低最悪の場所だ。

今まで、大輝と一緒に本を探して調べてたから・・・・。


「・・・・で、でもまず本を探さないと」


とにかく私は本を探し続けた。




「・・・・・えっ、もう5時!?」



やっと本を見つけて、現在の時刻は午後5時。   

みんなはどこにいるのだろうか・・・・。


「あ、携帯!」


・・・・・メルアド交換するの忘れてた。


しかも圏外だし。


「で、出口出口・・・」


窓から眩しいオレンジ色の夕焼けがさしていた。 まさしく今は帰る時間。

やばい・・・やばいぞ。


やっと出口を見つけた時は、どれだけはしゃいだろうか。


「よし、本は借りたし忘れ物もないはず。 みんなを探さないと」


ガチャッ


音がしたのは、ドアノブを回す音だけ。

・・・開かない。


「・・・え、閉められた!?!」


私は何回もドアノブを回し、開けようとした・・・が開かない。


・・・・・どうしよう。


なんか話がそれるような気もしますが・・・


続き、頑張ります。

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