表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流れ星  作者: しいな
3/5

ご縁

やばい、まさかここで会えると思わなかった・・・。


「・・・・どうしたの?」


人間流れ星の一言で、私は我に戻った。


「あっ、えっと・・ありがとうございます」


私は最後の一枚を、人間流れ星からもらった。


「あれ? 君・・・」

「・・・・?」


「この間、窓から資料落とした女の子?」

「・・・・えっ!?」


なんでわかったんだ・・・。 だって顔は暗くて見えにくかっただろうし・・・


「声が似てたから・・・えっ、違った?」

「・・・ううんっ! よく覚えていたなぁ~って思って・・・」


「あ、名前教えてなかったよね。 野島郁人≪のじま ふみと≫です」

「えっ、あぁ、内田真子です」


私と郁人君は、お辞儀を同時にしていた。 お互い、動作が同じだったからか、笑っていた。


「あれ、どこの学部?」

「理学部です」


「おっ、俺も!」

「・・・えっ!? 一緒?!」

「だね」


そっか・・・郁人君も星に興味あるって言ってた・・・


『郁人~!!!』


遠くから聞こえる男の声。 郁人君は後ろを振り向いて、手を振った。


「ごめん、連れが待ってるから行くね!」

「う、うん!」


郁人君は私に軽く手を振って、連れ(?)の所へ行った。

私も軽く振り返す。


「行っちゃった・・・」


・・・あの時と同じ場面だ。

なんか懐かしい気分・・・。


「・・・あっ、私も行かないと!」


資料を頼りにして、私は教室へと向かった。









「あーーーっ、終わったぁ~・・・」


あっという間に、授業は終わった。 私は思いっきり手を伸ばす。


「(ぜっぜんわかんなかったし・・・)」


いろんなことを思いながら、カバンの中にノートと筆記用具をしまった。


「(ふぅ~・・・)」




「真子ちゃん!!!」


大きな声で、私を誰かが呼んだ。 後ろを向くと、郁人君たちがいた。

郁人君は、「こっちにきて」と手招きをしていた。 私はすぐに向かう。


「俺の高校の友達です」


紹介されたのは、さっきの連れだった。


「左から順に、悠也、大輝、唯美、愛梨。 悠也と愛梨は、1つ上の先輩」


四人は立ち上がって、私にお辞儀をした。 私もつられてお辞儀をする。


「あっ、内田真子です」


「真子ちゃん、星に興味あるんだよね?」

「えっ?」


愛梨が言った。


「さっき郁人から聞いたの。 私達も興味あるんだ」

「えっ、本当ですか?!」


「うん! だから、一緒のサークル入らない?」

「ぜひ! 入りたいです!!」


私の心は、さっきとは違って明るい色に変わった。

郁人君たちと一緒のサークルに入れるんだ・・・


「これからよろしくな」


悠也が、手を出してきた。 「あっ、握手だよね」と思った私も手を出して、握手を交わした。


郁人君と会えただけでなく、まさか郁人君の友達とも仲良くなれるなんて・・


何かのご縁でしょうか・・・・




帰り道も、郁人君たちのグループと途中まで一緒に帰った。


「えっ、真子ちゃん2回も流れ星見たことあるん!? すごいわ~」


関西弁が特徴の大輝は、とても接しやすい人だった。

愛梨は、しっかりしてて、なんだか一緒にいると落ちついて・・・

唯美はとにかく静か。 話さずに、めっちゃ笑顔で私達を見ている。


「1回目は小3の頃で、2回目が中3の頃なんです」

「流れ星とご縁があるんだね! いいなぁ~・・私も見たいかも~」


愛梨が言った途端、私は思った。


ご縁・・・


―流れ星とご縁があるのなら、郁人君とも何かあれば・・―


私は「ご縁」と頭の中に思い浮かぶ中、みんなと別れて家に帰って行った。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ