穏やかな今は
無理矢理感やご都合主義が凄いターンでした。
「ミコト、こんな所で眠っていては風邪をひくよ」
「ん…あ、ルドルフさん?」
さらさらと気持ち良い風がふき、温かい光に包まれた広い庭。
襲ってくる眠気に身を任せていた所で頭上から声が掛けられた。
日の光で銀色に輝く髪を揺らしながら柔らかくほほえむのはルドルフさんだ。
ルドルフさんはその若々しい見た目とは裏腹にこの広い庭を含む広大な屋敷を所有している。
「さあ、そろそろ屋敷に戻ろうか。今日は大切なお客様がいらっしゃる。ミコトのことも紹介するよ」
「わかりました。もう少ししたら戻ります。」
微笑み返して頷けば、私の頭をひと撫でして屋敷の方向へと歩いていった。
「……」
その後ろ姿を眺めながら、私は先程見た夢について考えた。
あの日、私は友人の忠告を聞かずおかしいくらい酒を煽ったのだ。
そのまま陽気なテンションで友人にじゃれついていたら体がぐらりと傾いて、後頭部に衝撃が走ったかと思ったら、いつの間にか見知らぬ路地裏にいた。
きっと私は死んだのだろう。お酒に酔って死んじゃうとか私の最期悲しすぎる…
その後人拐いに襲われかけてた所でルドルフさんに助けられ、行く場所の無い私を保護してくれた。
…衝撃だったのは自分の体が幼くなっていたことだ。これには自分の頭が本格的におかしいのではと疑った。




