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第三話 「初日の朝」

朝がやってきた。

朝日を拝むのはこれが初めてだが、妙に懐かしく感じるのはなぜだろうか。


ショウ「春眠暁が何とかだな。」


因みに今の季節は冬だ。

そんなことをほざいている間に、俺の隣で寝ていた少女が目を覚ました。


サリィ「おはようダーリン。」


ショウ「誰がダーリンか。」


サリィ「いやねえ、ショウのことに決まっているでしょう。」


ショウ「ていうかお前あっちの布団で寝てたジャン。何で俺の布団の中に居るわけ?」


サリィ「朝日がまぶしいねえ。」


ショウ「話のそらし方が雑だな!」



そんなこんなで今日が始まる。


サリィ「さあ、朝ごはんをつくってくれ。」



どうやら朝ごはんは俺の当番らしい。


サリィ「あ、後そこのゴミも出しておいてくれ。」



どうやらゴミ出しも俺の当番らしい。


サリィ「ああ、夕方には夕飯の買い物も頼むわ。」


どうやら買い物も俺の当番らしい。

ていうか全部俺の当番じゃね?ていうかただの雑用じゃね?


サリィ「ああ、身の回りの雑用は全部お前の役目だよ。」


ショウ「悪魔かお前は!?」


サリィ「神よ。」


ショウ「神代さんよぉ!いくらなんでもそんなに働いたら、俺主婦になっちゃうよ!?」


サリィ「あら、それはいいわね。主婦だって立派な人間よ。」



いや俺の目指す立派な人間像は少なくとも主婦じゃないんだけど。


サリィ「それに、これはショウのためでもあるのよ。」


ショウ「あん?」


サリィ「その何気ない日ごろの行いが『生』を集めることに繋がるんだから。」


ショウ「はあ、そうかい。」


サリィ「ああそうだ。さあ朝ごはんつくれ。」



なんか、上手く言いくるめられただけのような気がしなくもないが。

まあいい、とりあえずご飯を。


・・・なんか、冷蔵庫の中身、ひじきしかないんだけど。


サリィ「ひじきか。まあいいや。」


ショウ「よくねえよ!」


サリィ「私はいい。」


ショウ「俺がよくねえよ!」


サリィ「おお、そうか、じゃあ私も良くないわ!。」


ショウ「ああ!え?うん・・・」


サリィ「う〜ん、これは由々しき事態だな。」


ショウ「どうするんだ。パンの一切れもないとは。」


サリィ「まあそれはおいといて。」


ショウ「おいとくなああぁぁぁ!」


サリィ「大声出さないで頂戴。お腹がすくでしょう。」


ショウ「ああ、腹が減った。」


サリィ「ひじき食べなさい。」



何が悲しくて朝ごはんがひじきのみなんだ。


サリィ「まあそれはそれで。」


ショウ「なぜそれはそれで済ませられるんだ。」


サリィ「今日は私のお友達が来ます。」


ショウ「はあ、え?お友達って!?」


サリィ「妖怪のお友達さぁ〜!」


ショウ「ひぃ!食われる!」


サリィ「というのは冗談で。」


ショウ「心臓飛び出るかと思ったわ!」


サリィ「嘘をつきなさい。」


ショウ「そりゃまあ嘘だけど。」



実に理不尽だ。


サリィ「今日は豊穣の神の『秋野山大神』ちゃんがきます。」


ショウ「いやちゃんであらわせるほど可愛げのある名前じゃないんだけど。」



ていうかなんて読むんだよそれ。


サリィ「『あきのののやのおおみわ』ちゃんだよ。」


ショウ「いや絶対そうは読めないだろその漢字。」


サリィ「いやあ、神にだってDQNネームがいるんだよ。」


ショウ「いやだなそんな神。」



まるで無茶苦茶だ。



サリィ「おっと、今日は引っ越し祝いをしないとだわ。ショウ、蕎麦買ってきて。」


ショウ「へいへい。」



まあ何と言うか、今更何が起きても驚きはしないと思うけどさ。

それにしてもいつも急でいらっしゃるなあ、あの神様は。


そう思いつつ俺は蕎麦を求めて街へと繰り出した。

幸い商店街やスーパー、コンビニ、なんでも近くにあった。

さすがちょっと都会なだけある。


ショウ「あ、そういや蕎麦ってどこで買えばいいんだ?」



一応俺は世間知らずの幽霊(?)だ。俗世には疎いのだ。


ショウ「まあ、商店街にいけばいいか。蕎麦くらい売っているだろう。」


へ~いらっしゃいらっしゃい!坊ちゃん嬢ちゃんよっいでー!


・・・なんか、商店街ってこんなんか?

とっても騒々しい上になんか怖いんだが、こんなもんなのか?

ていうかこれどこに何が売ってるんだ?無難にスーパーにしておけばよかったな。

なんて戸惑っていると、俺の方をたたく何者かが現れた。


「よお兄ちゃん、魚買っていかないか?」


つづく・・・

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