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ログ:無題2

ラスカーが亡くなった


ラスカーはマリス艦長とクラウス長官を失い、めちゃくちゃになった方舟のシステムを一から復旧してくれた


地球へのデータの送信ができるようになったのもあいつのおかげだ


肉塊に包まれる最後の最後まで死力を尽くしてくれた


ありがとう、ラスカー


俺たちの行く末を見守っていてくれ





これで方舟に残されたのは俺とデーラの2人


だがどちらも有機体の侵食症状が出始めている


デーラはまだ軽いが、俺の方は時間の問題だ


研究サポート用のアンドロイドはブラックホールに飲み込まれた際にほとんどが壊れてしまったが、まだ一部稼働しているのが幸いか


デーラ1人でもなんとかなるだろう




ラスカーがまとめてくれた記録から、方舟の状況がある程度分かった


この空間の温度はマイナス273.15℃の絶対零度


永久鋼でなければ一瞬で砕け散っていただろう


一時地球へのデータ送信ができない状況にあったが、ワームホール生成用のプラズマ砲をジェネレーター出力の120%まで引き上げ、発射した際の一瞬の空間の歪みに向けて送信することで事なきを得た


ただいくら太陽石であってもジェネレーターへの負荷が凄まじいため、これまでの間隔でのデータ送信は難しいだろう


不思議なことに、この空間から送信するデータには太陽の樹が受信するまでの遅延がほとんどないことが分かった


データを送信してから地球時間換算で1年の時間が経ってから受信、それからまた2年以上の時間をかけて受信完了の信号が送られてくる


基本的に何万光年離れているか分からない距離からのデータ送信には、今まで以上の遅延が必ず発生する


しかし今回はなぜかデータを送信してすぐに受信完了の信号が送られてきた


空間の歪みはほんの一瞬であるため、もう地球からの受信完了は確認できないと踏んでいたが、まるでこの舟が地球の傍まできているかのような早さだった


理由について考える猶予は無いが、データ送信のタイムラグが少ないのはありがたい




俺に残された時間の限り、この未知の空間の研究結果を送る


絶対零度の制御方法が分かれば、大型融合炉の冷却システムに組み込むことができ、メルトダウンを起こさず安全に運用ができる


あの罪の石を、これ以上生み出さずに済む




頼もしい後輩もいる


ここが踏ん張りどころだ



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