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第93話 順調に進む復活計画

1階では澪と咲茉が話に花を咲かせ、最終的に雑談をし始めたので俺はその場から離れ、自室がある2階に上がった。


下から盛り上がってるんだろうなーと容易に察することができるぐらいに少し音量が大きい声が聞こえてくる。


なんか盛り上がってるなー……まぁ俺が居た所で話しにくい内容があると思うしこれで正解じゃないかな?


俺はカタカタとキーボードの音を部屋に響かせながら一人、MIX師とMVを作ってくれる人を探した。

最悪、MIXは自分で何とかなるかもしれないので、自分では一切できるビジョンが見えないMVを作る人をトゥイッターで募集してみた。


それから数十分、一回インスタントコーヒーを飲みたくなったので、ケトルでお湯を沸かすために1階に降りたが未だに会話で盛り上がっていた。


コーヒーを作り終え、2階に上がりパソコンのディスプレイを見た。

そこには、嬉しい情報が映し出されていた。


「通知きたな……」


ベルのマークに1と数字が書かれていた。


俺はつばを飲んだ。


いつもより少し緊張しながらベルのマークをクリックすると俺がツイートした『10万円でこの曲のMV作ってくれる人募集してます、今はVOCALOID版ですが、後でカバー版のを依頼を受け入れてくれた人に送ります』と書いたツイートに一つリプが来ていた。


そこには好印象を受けるリプがあった。


『こんにちは!awoさんの曲を聞いてインスピレーションが浮かんできたので制作したいです!!』


文量は確かにこういう文関係で見たら少ないと思う。

だけど、俺は何故か直感が言ってるのかもしれないがこの人にすべきだと感じた。


にしてもMV依頼の相場高すぎだろ!

10万でやっとまぁまぁな値段っておかしいだろ、いや、まぁ確かになんとなく欲しい構図のイラストが10枚あぐらいるからそれに1万って考えれば案外妥当なのかぁ?……澪が復活できるなら軽いか。

とりあえず、DMで一回コンタクトを取ってみるか……


俺はアントシアニンという、少々ふざけてるのか?と疑いたくなるような名前をしている人だが……まぁ、俺の直感がこいつって言ってるんだしなんとかなるっしょ。


俺はDMをしようとアントシアニンさんのアイコンをクリックしてみた。

しかし、俺がクリックすると、そこには既に感想が書かれており流石に早すぎて少し引いてしまった。


『翠嵐の花を聞きましたが私好みでしたので2週間後までにはできると思います』


まだ本人からお願いしますって来てないのに向こうから来るかね普通。

まぁ別にいいんだけど。


『MV制作はアントシアニンさんに決めました』


一旦アントシアニンさんに決まったって伝えておいたほうが良いよな。


すると、俺がツイートした瞬間、DM欄に一つの通知が来ていた。


『僕に決めてくださりありがとうございます、精一杯務めさせていただきます』

『カバーの方も木曜までには提供できると思います』

『わかりましたそれまでに翠嵐の花100周しときます』


いやいや……まぁ、そんなに聞いてくれるのなら嬉しいに来まってるんだけどさ…なんというか、ファンがいるってこんな気持なのかな?


DMという形ではあるが、100回聞きますと言われる気分を味わえてしまい、自然とニヤニヤが止まらなくなってしまった。


とりあえず、澪に報告するか


俺は2階から1階に降りると、先程のうるささが消えており、ソファーには可愛く縮こまりながら規則だたしく有料級ASMRのような綺麗な寝息を立てていた。


可愛いな


俺は微笑みながら澪を眺めた。


俺は冷蔵庫の中にあるアイスをとりなるべく音を立てないように慎重に階段を登ろうとした。

あと3歩で階段に着くというところで、後ろから全国の男子高校生をワンパンできるほどの高火力技が繰り出された。


「蒼…く、ん……だいしゅき」

「……良きかな……」


俺はすかさずスマホで録音モードにして食台に置いて、自室の毛布をダッシュで取りに帰り、澪にかけてあげた。

俺が2階に行っている間にも寝言を言っていたらしく、それは後ほどの作業で疲れたときに聞こうと思った。


変態みたいだけど、あいつもあいつで多分変態まがいな行動してると思うしまぁプラマイ0で帳消しでしょ。

実際澪は勝手に俺の練習着パクったしこんぐらいなキモい行動は大丈夫。


◆◆◆


「んぅ……いっっ!」


私は自分が寝ている場所を覚えておらず寝返りをうち、ソファーから落ちてしまいました。


結構大きな声だったらしく、2階からドタバタと急いで蒼君が降りてきて、私に近づいてきました。


「澪、大丈夫か!」

「はい……少し痛みは残ってますが平気です」

「よかったぁ……今日はもう澪がご飯作らなくて良いよ」

「え!でも……」


蒼君かこれから作業がまだあるはずなのに、作業時間を奪ってしまったら嫁として最低です!ここは絶対に譲りません!


「いいえ、私が作ります!」

「いや、ここで寝てたって事は相当疲れてたんじゃないの?澪は休んでおけって」

「でも……」

「はいはい、早く座れ座れ」


私は半ば強制的にソファーに座ってしまいました。


私は頬を膨らませながらテレビのリモコンを取ってなにか見ようとしました。

しかし、私は集中して見ることができませんでした。

理由は簡単


「待っててね、俺のお嬢様」


全国の女性が彼氏に言って欲しいと思ったセリフを耳元でバックハグしながら囁かれたからです。





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