第92話 黒の女神の期待に答えたい
買う予定のパソコンを写真に収め、ネットで買うことになり、その他諸々の機材もネットで買うことになった。
そして今、帰りの電車の中なのだが……
「きっしょいな」
澪は今、汚れを知らない真っ白の脚をバスパンから出しているせいでジジィ共がジロジロ見てやがる。
澪はそんな嫌らしい視線で見られているせいで、俺の腕の中で小刻みに震えている。
俺は電車の中、澪をできる限り周りの人から見られないよなポジションに陣取らせているが、足に関してはどうやっても隠し切ることはできない。
そんな自分のもどかしさが心から込み上げてくる。
澪は俺の服の袖を優しく引っ張り、微笑みを浮かべてくれた。
多分、澪は俺を落ち着かせるために微笑んでくれたんだろう。
そんなことを嫁にさせてしまう俺は情けないな。
俺は一つ大きく深呼吸して落ち着かせた。
「……とりあえず、家に帰ったら電話で聞いてみよう」
「咲茉ちゃんが…エルさんかどうかの…確認…ですね?」
俺は頷いた。
エルさんには感謝しかないな。
スタートダッシュに成功したのはエルさんのリツイートのお陰だしな。
これでエルさんが咲茉だったらコラボとか実現するんじゃね?
……それで色んな人が澪の事を推すって考えるとちょっと嫌だな
誰しも自分の彼女や嫁が知らん男から好意的な目で見られていたら嫌なはず。
「一つ聞きたいんだけど澪ってさ、何で好きな人がいるって言ったの?」
俺は疑問に思ったので聞いてみた。
すると、澪は頬を少し赤に染めながら、耳を澄ませないと聞こえないぐらいの音量で言った。
「言ったら、多分ガチ恋勢でも、好きな人がいるんだったってなってストッパーになってくれると思ったから……私は蒼君しか愛せないし好きになりませんから……」
「そ、そうか」
澪は俺の胸に手を添えながら優しい声色で言ってきた。
それでストッパーにならなかったんだけどな。
まぁ、そう言ってくれて嬉しいんだけど
電車で数分揺られ家からの最寄り駅に着き、雑談しながら家に帰った。
「じゃあ、電話しようか」
「そうですね……」
食台の椅子に二人共座り、反対側に澪が座った。
澪は咲茉のチャットアプリのアイコンを押し、通話をかけた。
トゥルルル……トゥルルル――
たったの1コールでも、普段とは違いとっても長く感じた。
澪も長いと感じているのか、ソワソワしており落ち着きが感じられなかった。
そんな長い長いワンコールを抜けると、寝起きボイスの咲茉が出た。
「もしもし~」
「あ、咲茉ちゃん」
「どったのぉ~」
「単刀直入に聞きます」
「おん」
「咲茉ちゃんって有名VTuberのエルさんですか?」
「……気づくの遅かったね」
スマホのスピーカーから流れた声は、つい先程までの寝起きボイスから打って変わって、少し含みをもった声だった。
「私のいとこなんて別に凄い人じゃないよ、咲茉ちゃんに貸してた機材は私のお下がりだよ」
俺は頷きながら聞いていると、咲茉が急に俺等の意表をついたかのような発言をした。
「もうバレたんだし良いよね…澪ちゃんコラボしない?」
「っえ!?」
いやいや、企業勢が最近ぽっと出た新人配信者にそれ言っちゃだめじゃね?
てか、企業側も許可出してくれないでしょ
「咲茉?」
「ん…その声は柊蒼君じゃーないか、もしかしてさっきまでイチャイチャタイムだったのかな?」
「ち、違います!」
「なんだーつまんないなー」
澪は俺の目を見ながら言った。
その瞳には後でイチャつこうねとでも言ってる瞳だった。
「てかさ、もうバレてるんだったらコラボしない?」
「いやいや、澪はVTuberじゃないからエルの体が一人動くだけになるし、咲茉って一応企業勢だから澪とできないんじゃなない?」
「それが最近エルさん頑張ってるから企業側にも少し融通が聞いちゃうんですよねぇ、それにVの体はこっちが用意するからさ……まぁ、復帰してからの話だけど…」
そうなんだよな。
コラボするしない以前に復帰が上手く行かないと企業側もコラボさせたくないだろうな。
腕を組みながら考えた。
「復帰の件は大丈夫です」
「そんな自信満々で……なにか策があるの?」
「もちろんです」
早くMIXとMVを作ってくれる人探そう
俺は澪の期待に答えるべく凄腕の人材を見つけると心に決めた。
こんばんは、アカシアです。
僕はカクヨムメインで投稿しているのですが後少しでカクヨムコンが終わりますね。
結局ランキングでは150とかで、一番調子に乗ってた時は50位代とかでした。
まぁ終わる頃にはもうちょい下がってるんで多分160位とかで終わると思います
で、話したい内容は、カクヨムコンが終わったら休止するという物です
1週間ぐらい休止する予定でが予定が変わったりしたらXで伝えます




