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第91話 咲茉がもしかしたら凄い人かもしれない

「で、澪はパソコンで何がしたいの?」


『そうですねぇ』私は少し俯いて、パソコンで何をするか改めて考えました。


配信、ゲーム……そのぐらいでしょうか


「ゲームと配信ですかね」

「あーね、確かに俺のパソコンのスペックだったらヌルヌルでできるな」

「因みに、お値段は…」


そう聞くと、蒼君はニヤッと悪魔みたいな笑みを浮かべて、衝撃が走る言葉を言いました。


「20万は確定」

「え……本気で言ってます?」

「言ってます」


まさかそんなにかかるとは……いや、やるからには真剣にしないと、先行投資って考えたらいいのです


「とりあえず、お前も着替えてこいよ、どうせ俺の練習着のまま行こうとしたんだろ?」

「っあ!」


確かに、私は今蒼君の練習着のまま、少しでも可愛く見てもらうためにはこの服装は適してませんね


「まぁ、別にラフな格好でもいんじゃね?別に練習着だって変に浮きそうな服装じゃないんだし」

「いや、でもぉ」


女の子は好きな男子に少しでも可愛いく見てもらいたいんです!


「澪だったらどんな服装でも可愛く見えるよ」

「ふぇ?」


え、ちょ、蒼君良くないよぉ。


私は頬が赤く染まっていくのを感じながら蒼君から視線を外しました。

あのまま私が蒼君の瞳を見続けると私の心が保ちません。


「てか、まだ傷痕残ってんの?」


私が視線を外して少し悶えていると、蒼君が虐めの傷痕について聞いてきました。

蒼君としても、やっぱり気になっていたんでしょう


私は再び蒼君の瞳を見つめ直し、安心させるため優しい声色を意識しながら言いました。



「軟膏のお陰でもう大丈夫ですよ」

「そっか……とりあえずパソコンは今までで稼いだお金で買って、その他の機材は雫さんのお金でいんじゃね?」

「もちろんそのつもりです」


流石に20万を超える値段をお母さんに払わせるわけにはいきませんからね……まぁ、それ以外はお母さんのお金で買う予定ですけど。


私はお母さんに申し訳なさを感じながら蒼君の意見に賛成しました。


◆◆◆


電車で中央駅に向かい、アミューにあるパソコン専門店に入った。

中には20を超えてそうな大人や、中学生がお父さんにおねだりしている人やらで賑わっていた。


「配信しながらヌルヌルとゲームができれば良いんだよね?」

「はい」

「まぁ、1番安牌なのは、これかな」


俺は、配信者おすすめとでかでかと書かれているパソコンを指さした。


「簡単に特徴を言うと、USB接続の機械をたくさん繋げられるぜーっていうのが特徴、しかもサポート充実……懸念点とすれば値段がね……まぁ書かれているとおり28万で高いけどまぁ澪の要望には100パーセント答えてるパソコンかな」


澪は『へぇ~』と言いながら隅々と、見落としがないように色んな角度から眺めていた。


そんな姿に少し心が高鳴るのを感じた。


「ん…どうしました?」


あ、やべ、見惚れてたのバレちゃった。


「いや、ただ可愛いなと思っただけですけど」


俺は澪を少しおちょくってみた。

結果、澪が照れる姿を見れたし、澪が俺の胸にだポコポコと殴っている姿がなんとも愛おしかった。


「もう、やめてください!」

「ごめんごめん、じゃあこれで良いね?」


澪は、俺の胸にすがるように体重を預けながら、微笑みを見せて頷いた。


「因みにネットで買う感じ?」

「まぁ、以前の天体望遠鏡を買ったときみたいな、冷ややかな視線は浴びたくないですからね」

「う……すいませんでした」


あの時は本当になんでネットで買うって選択しが出てこなかったんだろうか。

自分の浅はかな考えのせいで澪からしたらあの電車内の時間は地獄そのものだったんだろうな。


「次はマイクですね」

「そうだな……」


てかさ、なんでこいつは歌ってみたって上げれたんだ?

それ以前にマイクなんて俺の家には無いから配信も……


俺は疑問に思ったので聞いてみた。


「俺の家にはマイクなんて無かったのに何で歌ってみたとか、配信できたの?

「咲茉ちゃんから借りてやっていました」


咲茉ってもしかして配信者何じゃね?

普通に考えてマイクって日常生活で使わんし、澪に使い方を教えれるって事はある程度自分も理解してないといけないから、絶対になにか裏があるよな


「配信ソフトも咲茉に教えてもらったのか?」

「そうですけど」


澪は小首を傾げた。


これは…咲茉さん配信者説濃厚ですなぁ


配信ソフトは完璧な証拠でしょ…これで咲茉がただ配信に関しての知識が豊富なだけだったらおもろいけども


「澪ってさ、もしかして、最初の歌ってみたをトゥイッターで告知したとき誰か有名な人にリツイートされたりした?」

「されましたけどそれが何か?」


多分そいつが咲茉だと思うんだよね、あいつは澪のことをよく理解しているから、多分協力してくれるはず


「名前わかる?」

「エルっていうVTuberさんがしてくれました」

「……マジ?」

「マジですけど……」


まてまて、エルって確か企業勢の有名な人だろ……ちょっとこれはエルイコール咲茉は成り立たないんじゃないかな、これで成り立ったらあいつのこと見直すんだが。

いや、でも、企業勢の人がレイとかいう無名の歌ってみたを上げてる人のツイートをリツイートするかね…多分ないと思うんだよな。

友達だから――


「蒼君、蒼君!」


俺はエルイコール咲茉について考えるのに没頭しすぎたせいで、澪は何回も俺の名前を読んでも反応しなかったせいで、服を引っ張り頬を少し膨らましていた。


「っあ、ごめん」

「むぅ、そんなに考え事してどうしたんですか?」

「あぁ……驚かないで聞いてね」


澪は首を縦に振った。


「ワンチャンエルと咲茉が同一人物かもしれない……」


澪は驚きを隠しきれず、『えっ!』と周りにいる人に聞こえてしまうぐらいの音量で声を漏らしてしまった。


それのせいで恥ずかしくなり、周りの人から見られないように俺の胸に顔を埋めたという話は俺と澪だけの秘密

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