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第85話 俺はからかいたい

「蒼君、ご飯ですよー」

「はいはい」


俺は澪に呼ばれたので、上書き保存を押し、アプリを閉じて1階に降りた。


そして、食台の上に置かれていたのは、あり得ない量のチャーハンだった。

俺は流石に、澪は記憶力カスなのでは?と疑いたくなった。


こいつはダチョウなのかよ、澪の美味い飯だとしても流石にこの量は無理だろ、せめて1人前にしてくれよ


目量で多分3人前ぐらいはあるだろうか、俺はそんなあり得ない量のせいで少しその場で立ち尽くしていると


「蒼君?」


澪は小首を傾げて聞いてきた。

多分俺がチャーハンを見て立ち尽くしていたから疑問に思ったんだろう。

つぶらな瞳に見てくる姿のせいで、文句を言うことができなかった。


俺の胃袋くん頑張ってくれよ


「何もないよ…美味そうで見とれてただけ」

「ふふ…そうですか、まだあるので明日の朝ご飯もチャーハンです」


朝もチャーハン……まぁ、明日は部活ないからの朝からめっちゃ食べても問題はないけどさ……


俺はそんなことを思いながら、椅子に座ってスプーンでチャーハンをすくおうとすると。


「はい、蒼君、あーん」


は?


澪は頬を赤らめながら、俺の口めがけてチャーハンをすくったスプーンが迫ってきていた。

その上澪のスプーンは小刻みに震えている。


恥ずかしいならするなと思ったが、これは澪なりの愛情表現なんだろう。


俺はそのまま、目をつむり澪の愛情表現を受け取るため口を大きく広げた。


すると、口の中にはラーメン屋のチャーハンより数倍美味くて、俺の口に合う味付けで俺が食べたかった理想のチャーハンが広がった。


「お味はどうですか?」


澪はもじもじと、胸の前で手を組んだり解いたりを繰り返していた。


『可愛いな』と思いながら俺は澪の頭を撫で、微笑みながら感想を言ってあげた。


「うん、最高だよ」

「喜んでもらえたなら嬉しいです」


澪は相当俺に褒められて嬉しかったんだろう、結構、長い間ニヤニヤしているのがその証拠だろう。


俺はそんな澪を眺めながら、何とかチャーハンを食い切った。

まぁ、それのせいでお腹がくそ痛くてトイレにこもったんだけど


◆◆◆


「明日さ、アミューに行くんだけど、一緒に行く?」

「んぅ?」


部屋の電気を消して20分ぐらいたっただろうか?

既に窓からは満天の星空が見え今すぐにでも天体観測したかったが、澪が『怪我でもしたら、やです』と上目遣いで言われたので部活の疲労回復を優先し夜ふかしはしなかった。


澪を俺の腕の中に収めながら雑談に花を咲かせていると、澪が先に眠りに入りそうだった。


「……すいません、明日は用事があって……」

「わかった…じゃあ、明日は澪と入れないんだね」


俺は、少し澪をからかおうと、良く少女漫画の犬系彼氏枠が言いそうなセリフを言ってみた。


すると、澪は恥ずかしくなり、顔全体が赤色に変色し俺の胸をぽこすかと殴っていた。

まぁ、ダメージは殆どないんだけど


そんな姿を見て愛おしさを感じた。


「そんな事、女の子に軽く言わないでください!」

「ごめんごめん」


さっきまでは眠たくてウトウトしていたのに、今では昼時みたいに目ががん開きしていた。


俺は宥めるように頭を撫でていると、澪が不安そうな目で俺の理性をえぐるような言葉を言ってきた。


「ほかの…女の子にも…言ってるんですか?」


澪は俺の服を掴みながら目尻に涙を浮かべていた。


あ、これは流石にふざけずに真面目に答えたほうが良さそうだな


「いや、澪だけにだよ」

「そうですか……」

「大丈夫、他の女に目移りはしないよ」


澪の頭を俺の胸に抱き寄せ、耳元でできる限り安心させるように言葉を言った。


それが功を制したのか澪は俺に笑顔を見せて、深い眠りに付いた。


たまに俺の腕の中で寝返りを打つ際に綺麗な黒髪が俺の鼻腔をくすぐる

くすぐったいせいで俺が寝ることができたのは夜の11時30だった。









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