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第83話 黒の女神は未来を見据えている

「ただいまー」


俺は玄関を開けて、リビングに向けて『ただいま』と言った。

すると、ものの数秒で廊下とリビングを隔てるドアが開いた。

そこから猛ダッシュできたのだろう。


俺は靴を脱ぐために廊下に対して背を向けていたのだが、ドアが開く音、その音が聞こえた瞬間後ろからダッダッと床を蹴る音が聞こえてきた。


俺はそんな澪の行動に愛おしさを感じながら、靴を脱ぐと後ろから澪が抱きついてきた。


「っと、ただいま澪」

「お帰りなさい、蒼君っ!」


俺は倒れのそうになったらので足に力を入れて踏ん張った。


「なんか良い事でもあったの?」


俺は澪の方に顔を向け、頭を撫でながら言った。


「はい、っあ荷物受け取ります」

「あぁ、ありがと」


俺は着替えやタオルが入ったバックを澪に渡した。


これからどうしようか。

今日の予定はもうないから、澪を甘えさせるのは勿論だがこの波に乗って作曲する時間を取らないといけなよな。


……すぐに風呂に入って、作曲をした後夜ご飯を食べ終わった時に澪といちゃつくか。


俺は午後の予定を決め澪の後ろをついて行く形でリビングに入った。


俺は2階に上がりクローゼットから着替えを取ろうと予定通りリビングに入ったは良いものの、澪が何故かソファーに座ってこちらを見つめている。


俺はさりげなく無視をすると、俺の視界隅には目尻に涙を浮かべている俺の嫁がいた。

そのまま無視し続けるのもそれはそれで面白そうだが、流石に澪が泣く所は見たくない。


俺は進行方向を階段からソファーに変えた。

澪にある程度近づいた所で俺は澪に聞いてみた。


「かまってほしいのかな?」

「ダメ……ですか?」

「っっ!」


澪さんそれは卑怯だよ


澪は目尻に涙を浮かべながら上目遣いをして言った後に、俺の胸に顔を埋めてから続きを言った。


正直、こんな行動を澪がして好きにならない男子はいないと思う。

アイドル顔負けの小さな顔にクリッとした少し青みがかった瞳、その上、透き通るような綺麗な声。


俺もこのままソファーに座って甘やかしてやりたい。

だけど、着替えてはいるが汗をかいたので流石に風呂に入らないと。

未だにネグリジェでいる澪もおかしいけど、可愛らしいネグリジェに汗の匂いがついたりしたらかわいそうだ。


「風呂に入った後、たくさん甘やかしてやるから待てる?」


澪は『そんなっ』みたいに、瞳に輝きが無くなり絶望を浮かべた表情をしたが、数秒後、急に瞳が輝き希望に満ち溢れた表情をした。


「では?私も入りますっ」


俺は澪の口から聞こえてきた言葉の意味を理解するのに時間がかかった。


一緒に入りだと……落ち着け蒼。


一緒に風呂を入るのはまだ早いはず、実際澪は前、事故で誤って俺の少しだけ通常サイズより大きくなったあそこを見てしまった時にあたふたしていた。


俺だって男子高校生なので、女子と一緒に風呂に入るってなったら多分俺の大事な物は元気になるに決まっている。


澪からしたら大きくなったあそこなんて凶器にしか見えないだろう


「だめ」


俺は澪の額めがけて思いっきりデコピンして2階に向かった。


俺のデコピンは相当痛かったらしく、澪はソファーの上で額を抑えながら暴れていた。


そんな姿を見て可愛いいなぁと思ってしまった。


◆◆◆


今俺は風呂から上がり、澪に髪を乾かせてもらっている。


「どうですか?気持ちいですか?」

「うーん、わからん、けど悪い感じではないかな」


俺はツーブロックなので、手ぐしをしながらとか、そんなのをせず、温風じかあてで良いので気持ちいいとは感じない、澪だったら、感覚も俺以上に鋭いし髪が長いので手ぐしをているときに頭皮にあたったりして気持ちよく感じたりするんだろう


聞いてるだけで心地よさで埋め尽くされそうな綺麗な鼻歌をしながら俺の髪を乾かしている澪は楽しそうにドライヤーをかけてくれた。


「ありがとね」

「いえいえ、この後のご褒美タイムを考えたらどんな仕事を押しつけられても直ぐに終わりますよ」


澪は『さぁさぁ』という感じで俺を後ろから押してソファーまで向かった。


「お膝に座ってもいいですか?」

「うん、良いよ」

「やったぁ」


澪は多分俺に聞こえてないと信じたいのだろう。

ごめん澪、めっちゃ聞こえてるんだ


澪は俺の膝に乗りながら自分の足を前後に揺らしていた。


「テレビでも見ましょうか」

「そうだな、適当につけてくれ」


机に手を伸ばした時に、体が前に倒れそうだったので澪を抱きしめて、倒れないようにした。


澪はテレビのリモコンを取り適当な番組をつけた。


テレビにはとある芸人さんと、巷で天使と言われていたアイドルの知識がない俺でも可愛いと思った人の結婚発表だった。


「結婚ですって……良いなぁ」


澪もやはり女の子なので結婚には興味があるのだろう

俺は澪の頭を撫でながら見ていた。


「蒼君は……どんな色のウェディングドレスが……好き…ですか?」


え、ウェディングドレスって白だけじゃないの?


俺は純粋に疑問に感じたので聞いてみた


「ウェディングドレスって白だけじゃないの?」

「色々諸説はありますが、お色直しっていう、和装の結婚式で、白一色の白無垢から色打掛に衣装を着替えることで、相手の家に染まるっていう意味をこめて行われていらしいです、そのお色直しでウェディングドレスから着物に着替えたり、カラードレスに着替えたりします」


澪はさっきまで少し恥じらいを見せてたのに、急に早口で語った。


「そうだなー、何色でも澪は似合うと思うけどなー」

「むぅ、それじゃあ聞いた意味ないじゃないですか!」


澪に胸を数回なぐられたので真面目に考えようと思う


和服も良いけど、夏祭りで浴衣を見たし、今後も夏祭りに行くから毎年和服に浴衣は入るかわからないけど見れるから、カラードレスかな。

だとしたら、色は……。


「水色が良いかな」

「水色ですね、わかりました」


その後、澪は俺に頭を撫でて欲しいと言ってきたので、澪が飽きるまで撫でた。


まぁ、それで30分消えたんだけど






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