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第78話 黒の女神は幼児なのかもしれない

「ただいま―」


 俺が家に入り靴を脱いでいると、奥のリビングからどすどすと音を立てながら澪が出てきた。

 いつも通りの笑顔で出迎えてくれた。


 やっぱり澪の笑顔に勝てるものはいないんじゃないかな。

 桜島高校の男子バスケットボール部員は芽依さんと由依さん、どっちが好みかとかしょうもない会話してるよな。

 どう考えても澪のほうが由依さんより綺麗な黒髪持ってるし、芽依さんより顔も可愛いし、その2人より圧倒的に性格が良すぎるし……多分2人より女子力もあるから、そりゃぁ惹かれないわな


 俺は澪の突進を優しく受け止め、そのまま腕を背中に回してハグをした。

 少し強めると、澪の込めている力が強くなったのを感じた。


「……おかえりなさい、蒼君……」


 うひゃ~、俺の澪さん可愛いね~


 俺は澪の有料級おかえりボイスに心を撃たれていると澪さんは急に男だったら嬉しい爆弾を投げてきた。


「あ、蒼君…ご飯にする?お風呂にする?そ、それとも、わ、わた……」

「澪さん?」

「は、はいっ!」


 澪は耳まで顔を真赤にしながら肩をびくっとしながらこちらを見てきた。


「一応言っとくけど、俺は由依さんの弟がもう少しで誕生日だから、誕生日プレゼントを買いに行っただけ、それ以上のこともしてないし、向こうから『ちょっと話さない』って言われたけどもちろん断ったよ」


 澪は不安そうな顔つきで俺の話を聞いてくれた。

 由依さんの誘いを断ったと聞いたら誰もが見てわかるぐらいに安心し、深い息を吐いて胸をなでおろした。


「でまぁ、さっきの質問の答えは風呂からでいいかな、風呂から上がってくるまでに準備してくれるかな?」

「はい!」


 澪は軽快な足取りでリビングに戻っていった。


 それとも私って……今日の夜やってみるか?ベットに押し倒すぐらいだったら大丈夫でしょ、性行為は流石にまだしないけど


 俺はこの後の計画を立て、2階に行き着替えをとり風呂場に向かった。


 10分程度で上がると、食卓には豚汁に野菜炒めと米が置いてあった。


「どうぞ」

「ありがと……モンブラン食べても良いんだよ?」


 澪は俺の食事シーンを隣からまじまじと見ていたので買ってきたスイーツを食べてみたらと勧めてみた。


「いえ、食べるんだったら一緒のほうが美味しいに決まってますからね」

「そうか」


 俺は最初豚汁に箸を伸ばした。


 その瞬間に俺は一つの疑問が生じた。

 ――何故味つけがお母さんのに似ているのだろう


「お前、この味付けお母さんから教えてもらった?」

「はい、以前に彩姫さんに教えてもらいました」

「じゃあ、この野菜炒めも?」


 俺は興奮気味に隣りにいる澪に聞いてみた。


 興奮するのも仕方ないだろう、極稀にしかお母さんの料理は食べれないんだし、やっぱり親の味が1番美味いのは証明する意味もないだろう。


「もちろんです……って言っても少し私好みのアレンジも加えてますけどね」


 澪は大してない胸を張ってドヤ顔をかました。


 その姿に愛おしさを感じながら俺は箸を動かした。


 やっぱ、どこの定食屋や焼き肉、寿司とかよりも、慣れ親しんだ味が1番だよな。

 ……それに、この味付けもしかしたらお母さんのより好きかもしれん。

 澪さん最高。


「澪の料理は俺好みの味だから飽きることがないからすぐに米も無くなっちゃうね」

「そ、そんなに褒めないでください……普通の料理ですよ、まぁ……蒼君が喜んでくれるなら、嬉しいですけど……」


 彼女の声がどんどん小さくなり、顔を隠すようにスイーツが入ったレジ袋に顔を埋めた。


 全然隠せてないけど。


 俺は頭の中でツッコミを入れ、率直の感想を言い続けた。


「普通じゃないって、こういうのをできる人が家にいてくれるって、本当に幸せだと思うよ」


 その言葉に、澪はさらにうつむきながら『も、もう……」と小さく呟き、耳まで赤くなっていた。

 その姿があまりにも可愛らしくて、箸を持つ手を一瞬止めて見惚れてしまう。


 言葉通りに、俺は箸が止まることを知らず、6,7分ぐらいで食べきってしまった。


「ゆっくり食べないとお体に悪いですよ?」


 澪は俺の白い練習着の袖を握って、上目遣いで不安そうな声色で聞いてきた。

 そんな澪に内心ドキリとしたが、悟られたくないため心臓の鼓動を落ち着かせた。


「大丈夫だよ、それに早く食べ終わっちゃったのは澪のせいでもあるんだよ」


 俺は澪の頭を撫で、少し顔にかかった髪を耳にかけ直してあげた。


「……ん、そうですか…てか、早く食べましょう」


 澪はサンタさんが持ってきたプレゼントでわくわくしている少女みたいに、ルンルンな気分でモンブランと俺のシュークリームをとってくれた。


「では、いただきます」


 澪は小さな口に小さく切ったモンブランが入っていくと、数回噛んだ後澪の顔には年相応な笑顔ではなく、幼い少女が見せる笑顔に近い笑顔を見せた。


 すると、澪は俺の食べているシュークリームをジーッと見つめてきた。


「食べたいの?」

「良いんですか!」

「いいよ、だって澪を心配にさせたのは俺なんだからさ」


 俺はシュークリームを少しだけちぎろうとした。

 しかし、澪の行動は俺の予想を超えていた。


「いただきます、はむ」


 澪は俺が食べていた部分に口を持ってきてシュークリームを小さい口ながらも目一杯大きく開けて食べた。


 ……思ったんだけどこれ間接キスだよな、絶対にわざと俺が食べていた部分を食べたよな。


 こいつ怖


 最終的に俺が食べれたのは4分の1ぐらいだった。

 それでも美味かったからいいし澪の笑顔も見れたので一石二鳥

 それに間接キスもできたしな


 俺は今でも心臓がバカうるさかった。


「てかさ、俺が帰ってきたときに言ったセリフの続きでさ」


 俺は澪の後ろに周り、バックハグをして耳元で続きを言おうとした。

 バックハグをした時に『ひゃっ』って言いたのが面白かったが、これは澪から攻撃してきたお返しなのでしゃーないよな。


「今日の夜楽しみだね」


 澪は全身真っ赤に染まり、少しした後に一人でボソボソと独り言を呟いてた。


 次回はめっちゃ下ネタ系なのをご了承ください





次回は少しエロいのをご了承ください


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