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第68話 黒の女神は魔王

「よし、これで蒼君を振り払う事ができましたね」


蒼君は多分、私の好きなスイーツとかを取りに急いでスイーツが置いてある棚に向かってるんでしょう。

これで私は蒼君に見られずにナプキンを買えます……少し違う形で別れちゃいましたけど……


「……いや、せめて話している時ぐらいはスマホを見ないで欲しいですよ、流石に蒼君だとしても許せません」


これは全国の女子が怒るはずです


そして、私は流れるように生理用ナプキンをカートの中に入れ、レジに並びました。


レジは混んでいましたが、今の蒼君は私と話し合いをするためにスイーツを買ってるはずですのでここに来るはずありません


私はほんの少しの罪悪感と蒼君が悪いという考えに脳は支配されてていました。


そして、会計を終え、私は急ぎ足で家に帰りました。


「後は、私が怒っている風に演技をすれば良いですね」


我ながらに、スーパー内での怒った演技はできていたと思います、とりあえず美味しいスイーツを食べたらすんなりと許しましょうか


◆◆◆


「澪さんを不快にさせてしまいすいませんでした……もっと申し訳なさを出さないと許してくれいだろうな」


俺は家の玄関で澪に対する謝罪の練習をしていたがなかなか納得のいく謝罪の言葉が出てこない


どう考えても俺が100悪いんだけどね


今思い返してみたら確かに、澪との話してる最中とかにもスマホで調べてたしな、俺も話してる時にスマホいじられたらキレそうだもんな


俺は自分の行いに反省しながら玄関のドアを開けた。


「ただいまーっっ!」


よくRPGとかで勇者が初めて魔王と会った時にその禍々しさに言葉を失うシーンがあるが……なるほど、これが勇者の気持ちか


俺の目の前には、今からお前を殺すと体からオーラをぷんぷん出している澪がいた。


あぁ、これは許されなさそうだ


「遅かったですね?」

「信号にたくさん引っかかってな」

「そうですか、まぁそういう事にしときます」


澪は俺をリビングに手招きをした。

その仕草に俺は更なる絶望感を味わってしまった。


俺は澪と対面に座り、すぐさまモンブランとアイスを差し出した。

それが功を制したのか話は聞いてくれるらしい


「蒼君、貴方は何をしたのか理解していますか?」

「はい……今後は澪と話している時は絶対にスマホ用いじりません」


澪はため息を俺に聞こえるようにわざとなのかは知らないが、大きく息を吐いた。


「約束ですよ、破ったらどうなるか、蒼君の頭の良さだったらわかりますよね?」


8月の後半、未だに気温が下がる気配を見せないお天道様

汚れを知らないように、鮮やかな空

家の中にも外でうるさいほど鳴いている蝉の鳴き声が聞こえる中、俺の家だけは12月かな?と疑いたくなるほど、急に寒気が襲ってきた。


「何固まってるんですか?今日は私に付きっきりで色々手伝ってもらいますよ」


もし、今俺の視界をカメラで撮る事ができたのなら、見る人は全員モンブランを食べている少女が美しいと感想を述べるだろう


だが、現実は180度違った。

普段だったら黒の女神の象徴と言える艶がある綺麗な黒髪も、今となったら、邪悪の証に見えてしまう


「わかりました」


俺は澪の家事を全て7:3ぐらいの割合で手伝い、初めて家事で息を荒くなってしまった。


「凄いですね、流石バスケ部と言ったところでしょうか、私が家事を終わらすより、2倍3倍早いんじゃないのでしょうか」

「そうですか……もう許してくれたでしょうか」


俺は、死にかけの声で、澪に話しかけた。


「さぁ、どうでしょう」


澪は小悪魔のように、悪さが見える笑みを俺に見せてきた。


俺としては早く開放されたいんだけど……


「まぁ、もう今日する予定の家事は無いので部屋に帰っていいですよ、慣れない作業ばかりで疲れていると思いますので」

「あ、ありがとうございます」


俺は部活終わりの様に疲弊しきった足で2階に上り自室に戻った。


その後俺は、布団に入った瞬間すぐに意識が落ちていった。











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