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第66話 攻撃は最大の防御……のはず

「もしかして、いやらしいの買おうとしてるの?」


俺はからかいの言葉を澪に投げかけてみた。


すると、澪は更に顔を真っ赤にしてしまった。


これ、女子にとって必要な物でしょ確定で、だとしたら、生理用ナプキンとかが妥当説

これでパンツでしたーなんて事になったら気まずすぎるぞ、まぁ、スーパーでパンツなんて売ってないはずだけど


「別にいやらしい物じゃないです!生活必需品です!」


確かに、女子からしたら生理用ナプキンは必需品だもんな

1番良い展開になるのは、澪が買う予定の物が年相応な物じゃないから、言うのが恥ずかしいだったらそれはそれで俺からしたらただ可愛いの供給だからめっちゃ嬉しいんだけど


「別に俺はいやらしい物を買った所で見る目は変わらないよ、俺が好きなのは変わらず澪なんだからさ」

「っ!……蒼君のばかぁ!」


澪は俺の胸をポコスカ叩きながら言った。

もちろん痛みは感じない


「まぁ、2時に行くという事で」

「は、はい」


澪はこの場から早く去りたかったようで、すぐさま2階の自室に入りドアをバタンと音を立てながら閉めた。


◆◆◆


恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい


私はドアに背中を預け、そのまま崩れて落ちれ、いわゆる女の子座りをしていました。


「別にいやらしい物ではないです!」


でも…生理用ナプキン買いたい、て言えるわけないじゃないですか

言ったところで、蒼君は見る目は変わらないって言ってたけど、はしたない子って思われたくないですもん。


けれど、多分私の顔には出てたんだろうな……今日は可愛い服を着てそれで帳消しを目指しましょうか


私は蒼君に可愛いと思ってもらう一心でクローゼットから服を取り出していきました。


「どうしましょうか……こういうのはもう直感で決めたほうが案外良さそうですね」


私は、クローゼットを開き、物の数秒で着て行く服を取り出し、鏡で確認してみた。


「直感で選んだにしては、結構良いのではないでしょうか?」


私は、刺繍で小さな紫の花びらが散りばめられた水色のロングスカートと、少し首元が開いている白のブラウスを選びました。


よし、こに服装を身に着けて蒼君に甘えてみたら多分蒼君は意識してくれるでしょう、そうなれば私の勝ちですね


腕に抱きついてみたり、さり気なく手を繋いでみたり、バックハグをしてみたり……は、恥ずかしいですが、私のはしたない印象が覆せれるのならやらない価値など無いですね


私は2時になるまで脳内蒼君で私が恥ずかしがらないように攻撃をする練習をしていました。


そして脳内練習を始めて30分が経った時


こんこん


ドアから私を呼ぶためのノックがなりました


「澪、準備できた?」

「はい、今から出ますね」

「慌てなくてもいいよ、俺は玄関で待ってるから」


私は最後に蒼君から買ってもらったアクアマリンのイヤリングを付け、外に出ました。


「っと、来た……な」


蒼君は私の姿にきっと見とれているんでしょう

それは嬉しい限りです


蒼君は私にバレないように、できる限り瞳を動かさずに頭から足先まで、上から下に視線を下ろしていました。

しかし、もちろん些細な瞳の動きを見逃さなかった私は、蒼君に近づくために1歩前に出て、よく少女漫画でヒロインが好きな人に服を自慢するかのように一回転してみた。


その時の蒼君の顔はお手本のような表情をしておりました。


「どうですか?」

「……可愛いよ」


蒼君は可愛いと言ってくれたが、私はもっと詳しく感想が欲しかった。

めんどくさい彼女みたいな感じになってしまうかもしれない恐怖もありましたが、やっぱり選んだ服装はもっと感想がほしい


私は不満があるのを名一杯表現するために、頬を膨らませて言った。


「もう、もっと詳しく感想言ってくださいよ!」

「あぁ、わかった」


蒼君は一回咳払いをして考えをまとめる時間を作り、私の目を見つめて言ってくれました。


「その水色のスカート、花の刺繍が散りばめられててさ……すごく上品な感じが出てて澪にぴったり、それに……」


蒼君は首裏をかきながら、視線を私の瞳から外し頬を少し赤らませながら次の感想を言ってくれました。


「露出は控えめなのに、絶妙に女性らしさっていうのかな?大人な感じが出てるよ」

「あ、ありがとうございます」

「でもね澪……」

「はい?」


蒼君は私に近づいて来て、挙句の果てに顔を少し出したらキスができてしまう程近づいてきた。


「な、なんです……きゃっ、あ、蒼君?」


蒼君は玄関のドアに私を追い詰め、肩の隣に勢いよく腕を伸ばしてきた。

――いわゆる壁ドンという行為をされてしまいました。


え、あ、蒼君!どどうしたんだろう、も、もしかしてキ、キスかな、歯磨きはしっかりしましたしうがい薬もしたので匂いは無いはずです


私は心臓の鼓動が聞こえてないと信じながら、恐る恐る蒼君の目を見つめていました。


蒼君は私の耳元に近づき、私の心を1発KOできるぐらい高火力の言葉を言ってきました。


「できればそれ以上胸元の露出はしないでほしいかな……澪が色っぽい目で見られるのは俺が嫌だ……お願いできるかな?」

「は、はぃ、わかり…ました……」

「……っあ、俺の言いたかったのは、それ以上首元の露出をしないでほしいってことだから、別に足や腕の露出は激しくない程度だったら良いよ、澪のしたいファッションは自由にしてくれ、俺自体にあっている服を着た澪は飽きることなんて無いから、でも、それ以上首元の露出はやめてほしいってこと」


蒼君は少し慌ただしく言いましたが、最終的に、太陽のように眩しい笑みを浮かべながら私の頭を撫でてくれました。






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