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第64話 黒の女神は俺のことを邪魔したいらしい

「そ、そんなぁ……」


皆んなに『これが最後ね』と伝え、私も最後ぐらいは——そんな風に思って挑んだ矢先、私はまたも復活しては殺され、復活しては殺されをデジャブかな?と思われるぐらい繰り返され最終的に18デス0キル


私ってゲームの才能無いのかな……流石にこれは酷すぎるよね


私は、コメント欄で自分のプレイがなんて言われてるか見てみた


お願いだから下手とか書かれてないで、書かれたら泣いちゃうよぉ


『相手が上手い』

『合計何デスかな』

『レイ虐最高(*´∇`*)』


コメント欄には色々な感想で溢れかえっており、その中でも面白かったと言ってくれる人もいたので私は胸を撫で下ろした。

それより、下手とストレートに書かれていなかったのが1番嬉しかった。


「では、今日はこの辺で終わります、次はいつ配信するかわかりませんが3日前ぐらいには告知すると思います、ありがとうございました」


『おつレイ』

『おつレイ』

『おつレイ』


1人が私の名前と、多分おつかれのおつの部分をくっつけて『おつレイ』と書いたせいでコメント欄はそれに埋め尽くされてしまいました。


おつレイ、か……終わりの言葉それにしよ


そして、私は事前に咲茉ちゃんから教えてもらった通りに配信を落とし、蒼君の布団にダイブしました


「終わったー、よくこれを毎日してるな、絶対に私じゃ無理です」


パソコンのシャットダウンの音が鳴り響く中、私の声が無機質に響いた。


「もし、蒼君がいたなら頭なでなでしてくれるかな?」


私は脳内蒼君で想像しましたが、何故か、心には一つぽかりと空いた穴は塞がりません

その要因はここに蒼君が居ないからと気づくのは簡単な事でした。


「今頃は試合が終わってホテル内で友達と雑談タイムなのかな」


◆◆◆


「それでは時間も時間ですし、終わりましょうか、おつレイでした~………ふぅ、今日の配信は結構良かったのでは?」


初配信から6日たった8月19日

夏休みも終盤に入り、少し宿題のことで焦る気持ちも出てきている今日この頃、私はゲームでやっと、全試合で1キルできるようになって、皆さんにプレイ面で褒められることも多くなりました。


初めてのスーパーチャットをもらったりして取り乱してしまう事もありましたが……まぁ、そこは慣れるしかないのでしょう


「ふわ~あっ、もう11時ですか……寝ましょう」


……結局蒼君は帰ってこなかったな、蒼君は今日帰って来る予定だったのに


「……私を置いて遊んでるんでるのかな……電話してみよ」


自由時間か、遊びが楽しすぎて今でも香川のどっかで遊んでいるのか……


私は枕元の充電コードに挿したスマホを手に取り、蒼君の携帯番号を画面に打ち出し、発信ボタンを押しました。

ワクワクしながらプルルルという音に耳を澄ましていましたが


『………………留守番電話サービスに接続します』



私は、無言で通話終了のボタンを押しました

むぅと言いながら布団に寝転がり、私は脚をパタつかせながら枕をぽかぽかと叩きました。


「そーですか、私の電話を受け取る暇もないんですね!もう良いです!」


私は蒼君が電話に出てくれなかった事に不貞腐れ、そのまま不機嫌な状態でねてしまいました。

それから、3,4時間が立った頃


「ん……ぅ、誰から?」


私は蒼君の布団で寝ていると、誰かからのメッセージが来た事を告げる通知音が鳴っりました。


とりあえず確認しましょう

……蒼君だったらいいなぁ


私はそのメッセージが誰から来ているのかを確認するために、重い腕を伸ばし充電器に刺さっているスマホを見ました。


そして、私のスマホに表示された名前は私の心に空いてある穴を唯一埋めれる人でした。


◆◆◆


渋滞に捕まらなければもっと早く帰れたのかな……予定より2時間遅いし、絶対に澪怒ってるじゃん……


一応中央駅に着いたって送ったけど未読の状態だし、10分ぐらい経ったのに未だに未読なのは変わらないし


「終わったなぁ」


折角2日連続オフなのにこれじゃあどこにもデートにも行けないし、デート以前に俺とまともに会話してくれるかもわからないし……


俺は神様に祈りながら、普段より重く感じた玄関を開けた。


「おかえりなさい、蒼君!」

「っと、はいはい、ただいま、澪」


俺はたったの6日しか澪と離れ離れになっていたのに、なんだろう、この懐かしい感じは


俺の可愛い嫁ちゃんは玄関が開き、俺の体が見えた瞬間今では澪の定位置となっていた胸めがけて抱きついてきて、柔らかい頬を擦り付けていた。


「……なぁ」

「なんですか」

「今日はお願いだから離してくれない?疲れてるんだよね」


俺は澪に疲れてると伝えると、澪は俺の目を見ながら涙を浮かべ、あからさまに嫌だと物語っていた。


クソ、反則だろ、これじゃあ俺が悪者みたいじゃん


俺としては、13時間のバス移動と電車移動のせいで疲労が溜まっていた。

だから、できるかぎり早く布団に入って寝たかった。


「嫌です、絶対に寝させません!」


徐々に俺を抱きしめる力も強くなっていくのがわかる、澪は俺のことを寝させる気は無いみたいだ


おれは『はぁ』とため息をつき、強行突破することにした。




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