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第58話 黒の女神の飯は素晴らしかった

「え、お前もしかして親殺された?」

「え、何で?」

「いや、なんかさ……」


康太郎と久則にジロジロとおれの顔から下半身を上からなぞる様に見られなんだ、と思った矢先に親殺された疑惑って……おかしいだろ


おれはサマーナイトがあった日、夜浴衣で寝ていた澪に『明後日合宿』って言ったら、今日までご飯抜きの刑に処されてしまった。

夏休み始まる時に言ったんだけどな、絶対に忘れてたっしょ、これおれ悪くないよな世間的に見たらおれは事前に言っていたんだから覚えていない澪が悪いんじゃないだろうか


そして、案の定澪に舌を奪われていたおれはコンビニ弁当で満足できるはずなく、たいして腹にもたまらない、澪の手料理に比べると100倍不味いと感じてしまった


「痩せてる感じもするし、前よりなんか、幸が薄い顔してるから」


依存って怖いな


てか、幸が薄い顔ってどんな顔だよ

そんな顔に出ることある?


「まぁ、合宿頑張ろうぜ」

「あぁ」


幸いコンビニでおにぎりとか買ってたから死にはしない、味はまともに感じないけどね……何キロ痩せたか後で測ろっかな、絶対に2キロは痩せてると思う。

澪のご飯がうますぎるのが悪い、これを死ぬまで食えるって考えるとおれ幸せすぎるな


試合の弁当も買わなくて良いってことだもんな

……いや、それはだめじゃね、即バレ案件だな

『蒼、その弁当何』って絶対に聞かれてそこから質問攻めされるのが目に見えてわかる

それでも適当な言い訳で乗り越えれるんだったら持っていく価値はあると思う

なんか、澪の弁当を食べた後の試合だったら活躍できそうなんだよな……でも、澪も流石にめんどくさいって思うだろうし、そんなに働かせたくないもんな、澪のお手製弁当は数年後に持ちこそう


◆◆◆


「そうそう、澪ちゃん」

「何ですか?」


私は咲茉ちゃんに蒼君の合宿の件について話していると、突如咲茉ちゃんは思い出したかの様に言ってきました


「澪ちゃんの歌ってみた動画なんだけど、聞く?」

「え、それって……」


私は心臓の鼓動が高鳴るのを感じました。


これでやっと一歩前進ですね、誕生日まで後2ヶ月……前蒼君は挑戦しないとチャンスは訪れないそう言ってました。

蒼君は何もないただの会話だと思っていたのかもしれませんが、私にとっては胸に残る会話でした


「じゃ、後は投稿だけだけど、絶対に蒼君の誕生日の時にネタバレしないとだめだよ」

「それはもちろんです」

「蒼君を心配させちゃだめだよ」

「っ、は、はい」


私は、口に含んだぶどうジュースを吹き出しそうになりました。

理由は単純明快、蒼君という単語が聞こえてきたから


蒼君……確かに蒼君だったら色々聞いてきそうですね

30分間質問攻めされるかもしれませんね


「とりあえず、一旦聞いてみよっか」

「はい」


初めて、自分の歌ってみた動画……これほどわくわくすることは今後現れるのでしょうか


エアコンの風と、咲茉ちゃんのコップの氷が溶けて小さくなり落ちた音が部屋に響く、そんな音が鳴り響いた中、咲茉ちゃんのクリック音が鳴り響いた刹那、部屋中には、自分で言うのもあれなほど、綺麗で繊細な歌声が鳴り響いていた。


「…っす、すごいです!」

「ふ、ふ、ふ、まだ甘いのだよ澪くんよ」


咲茉ちゃんのオタク気質な声が聞こえると同時にサビに入った。

そして、私の肌には鳥肌が立ってしまった。


「これ全てが、私の歌声から出来てるんですね」

「そうだよん、じゃ、澪ちゃん、健闘を祈ります」

「はい」


その後に私と咲茉ちゃんは買い物に行ったが、正直言って余り楽しめなかった。

いや、楽しめてはいたはずです、それでも、脳内では、蒼君に自分で頑張って貯めたお金で買ったプレゼントを褒められて頭を撫でられている風景が浮かんでしまって集中できませんでした。


「じゃあね、澪ちゃん」

「はい、それではまた」


咲茉ちゃんは私が声が聞こえなくなる程遠くなったにも関わらず、腕をブンブンと左右に振っていました。

周りからの視線を気にせずに、私もそれにつられて、見えなくなるまでは腕を振り続けていました。


◆◆◆


おれらは、高速道路で1時間バスに揺られ、宮原サービスエリアに着いた


「お前ら、トイレは絶対に行っとけよ、後軽食も買っとけ」

「「「「「はい」」」」」

「しゃ、行くぞ蒼」

「あぁ、早く行くぞ」

「いやいや、なんでお前らだけ目つきが違うんだよ」


おれと志歩だけは、他の部員はワチャワチャしていた中、顔には集中の文字が見えていた。

何故かって?おれは空腹、志歩は尿意だから

手には財布を握り、後は駐車場にバスが停まるだけ、そして決戦が始まった。


「はい、20分な」

「「「「はい」」」」

「康太郎、ブロックしろ」

「もちろん」

「おい、どけゴミが」

「あ、はい」


決戦は志歩のワンパンで結末を迎えた。


義隆に指示され、康太郎がおれと志歩の進行を邪魔しようとしたが、志歩の殺意ましましにこもった声を聞いた康太郎は数歩後ずさってしまった。


よし、腹にたまるもので、澪の味付けに近そうなものを探すぞ


宮原サービスエリア内はおれと志歩のせいで混沌とかしてしまった。









こんばんわ、アカシアです

まず、投稿が止まってしまいすいませんでした

理由は、2000文字が吹き飛んだせいでやる気が無くなったのと、僕のXの投稿を見てくれた人はわかるかもしれませんが、香川遠征が楽しかったせいで、書く時間がなかったからです

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