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第142話 実行委員に立候補

「じゃあ、今から体育祭実行委員をクラスから2人選びたいと思う。

立候補したいやつはいるかー?」


朝のSHRの終わり際。

先生が体育祭実行委員を決めると急に言いだしたせいでクラスの中では先程の小さなヒソヒソ声もなくなり沈黙の空間に変化した。


「早く出てくれないと次の移動教室遅れるぞー」


先生がそう声を上げ、俺は教室をぐるりと見渡したが誰も手を上げていなかったので、その沈黙の空気を切り裂くように手を上げた。


「はい先生、俺やります」


「おぉー、じゃああと一人はじゃんけんで――」


「先生、私もお願いします」


澪は先生の話の途中で手を上げたせいで、先生は何回か瞬きした。


まぁ、澪はあまり目立ちたがりじゃないしこの場で手を挙げる人から一番早くに除外されてそうだもんな。

そんな人が急に話を遮って上げたんだから驚くに決まってる。


「おいおい、まじかよ……」


「くそ、蒼はこれを予言していたのか」


「今から手を上げてじゃんけんに持ち込もうかな」


後ろから後悔の声が聞こえてくるが先生には聞こえてないので問答無用に話が進んでいき、俺と澪に体育祭実行委員が決まった。


「じゃあ、来週に話し合いがあるから参加しろよー。

場所はクラスマッチの話し合いと同じ場所だから柊がわかるから教えなくていいね」


これで内申点を稼げるんだったら参加して得しかないよな。

それに澪と隣同士になれる時間も増えるし最高じゃん。


ごめんなぁ、黒の女神の隣は俺がもらいまーすって煽ってみたかったけど、そうしたら俺の体がボロボロになりそうだし澪にも迷惑がかかりそうだから、この気持ちは心の奥にしまっておこう。


「蒼君、蒼君」


「どったの?」


「隣同士に座りましょうね」


「決まってんじゃん」


少しだけ会話をして、俺はトイレに行った。


◆◆◆


「ラスト3往復して終了」


「「はい!」」


少しぐらい休ませろよ。

2年生はついさっきまで試合していたんだよ!


俺は既にへとへとな足でエンドラインまで向かった。

一応駆け足で向かったが多分傍から見たら走りたくないオーラが滲み出てるんだろうな。


「GO!」


あぁはーしーりーたーくーなーーい。

体力が大事なのはわかるよ?

実際第4クォーターでも運動量が変わらないやつがいたらチームとしてはめっちゃ嬉しいしそんな奴が相手にいたら誰しもうざいもんな。


あー帰ってきちゃうよー


1列目の人たちがもう2.5往復しもう後3秒で帰って来る距離まで迫ってきていた。


これって33秒以内に帰ってこれなかったらペナルティーあるのかな?

とりあえず間に合わせよ


一番左にいる先輩が手をたたき、軽快な音が響いたと同時に体育館内には

地面を蹴っている音でいっぱいになった。


既に脚は棒になっていたが、根性と事前に試合で疲れてる状態で走らせた憎悪で棒を動かし、何とか33秒以内でゴールする事ができた。


「先輩、はぁ、次はなんすか?」


「行きラン、はぁ、帰りバックラン」


「はぁ、わかりました」


バックラン嫌いなんだよなー

ガチでバックランしたら後ろに重心が行っちゃって倒れるんだよな。

まぁ、どうせそれは練習しろで解決させられるんだけどさ。


「GO」


あぁー嫌だー


普通に考えてバックランの方が速度は出にくいし、実際走ってみればわかるが8割ぐらいの力で走らないと後ろから倒れる。

なるべく尻もちをつくところを新しいマネージャーが居る中で見られてくない。

絶対に久則とかにいじられそうだからな。


ここは間に合わせるのも大事だけど、こけるのを重点的にケアしよう。



尻餅をつかない事を意識しすぎたせいで1位で帰ってくる事ができなかったが間に合わせることもでき尻餅もつかなかったので許すとしよう。


「集合!」


「「「はい!」」」


おっしゃ、今日は2セットだけでいいんだな。

これは神回だぜ。


「ってことで特にないので体のケアを怠らずにしてください」


キャプテンである祐介さんの話が終わり、各々バッシュの口紐を解いて既に来ていた女バスに体育館を譲った。


どうしよっかなー、今日は早く帰れるしすぐに帰るかどこか外食するか


体育館の露出しているトラス構造の骨組みを眺めながらどうしようか考えていると。


「なぁ、今から二郎系ラーメン行かね?」


普段はそういう誘いをしなさそうな義隆から来たせいで少し驚いてしまったが、二郎系……


『俺は澪にチャットアプリで今日外食するから晩御飯良いよ』


そう送り俺は義隆の方に向き直し首を縦に振った。

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