表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

4話 世界情勢と修行の始まり

翌日になって、秋斗達はクレアに案内されてリオンの執務室にきていた。何をするのだろうと思いながらいると、リオンが執務室にやってきた。


「待たせてすまない。クレア。後は引き受けるから兵達の方を頼む。」

「はっ!」


クレアはリオンの指示を受け、敬礼をしてから執務室を出て行った。クレアの様子を見てキラキラとした目で夏美は見ていた。クレアが出て行ったのを確認するとリオンは秋斗達に向き合った。


「まずは我々の要請に協力してくれて改めて感謝する。」

「僕達はこれから何をするんでしょうか?」

「そうだね。最初に秋斗達には自分にあるちからを自覚してもらうところからと思っているよ。少し移動しようか。」


そう言って、リオンは立ち上がって部屋と扉に鍵をかけると、手をパンッと音を立てながら。両手を合わせた。


時空転身(じくうてんしん)!」


リオンが何かを唱えると床が突然光る。秋斗達はあまりの眩しさに顔を手で覆った。


「えっ・・・・・・。」

「嘘・・・・・・。」


隣に居る春奈と夏美から驚きの声が聞こえてきた。

強い光が徐々にだが弱まっていたようだった。秋斗は少しずつ目を開けた。


「何だこれ・・・・・・。」


目を開けると、そこには広がる景色は激変していた。執務室に居たはずだった秋斗達はいつの間にか草原が広がる山岳地帯に居た。この光景には、秋斗も春奈と夏美と同様に絶句するしかなかった。開いた口が塞がらないとはこのことなんだろうなと思いながら秋斗はこの光景眺めていた。


「来るべき大戦のために今日から1年間、この場所で君達を鍛える。」

「来るべき大戦ですか?」

「あぁ、預言でこの世界が滅ぶことは聞いたね?」

「はい。」

「どんな風に世界が滅ぶのかと言う話だが、どうやらこの世界の潜む魔獣の大量発生とその元凶がこの世界に攻め込むという話らしいんだ。」


リオンは秋斗達にこの世界の歴史やどのように世界が窮地に追いやられるのかを話してくれた。まず最初に、この世界には目に見えていない精霊が居るようだ。人によって精霊を見ることができるらしいが、今のところ秋斗には精霊は見えていない。


精霊の力を霊力と呼び、その霊力を行使した力のことを霊術と呼ぶ。先ほどリオンが使った転移も霊術もその一つだということだ。どの精霊に好かれているかで行使する力の度合いが変わってくる。例えば火の精霊に好かれている者は火に関する霊術が得意だが、火の霊術に比べると他の属性の霊術は一つ劣るらしい。リオンは秋斗達をじっと見て、秋斗達の霊力が何に適正があるのかを見てくれた。


「秋斗、君は五つの精霊に好かれている。火、水、風、地の精霊だ。そして、春奈は光、夏美は闇の属性で珍しい属性に好かれているみたいだね。」


秋斗達にはまだ見えないが、秋斗達にはそれぞれの属性に連なる精霊の色の膨大な霊力が見えていたらしい。秋斗は4つの精霊に好かれているということになる。春奈や夏美の属性は珍しい属性の精霊好かれているようだ。


そして、もう一つが魔力だ。魔素を凝縮して使う力のことを魔力と呼んでいる。行使される力は強いようだが、この力は人に対しては害悪な力らしく、病気になったり人には色々良くない力のようだ。どうやらここ最近になって魔素がこの世界に突然流れ込んできたらしく、あまり解明はされていない。

魔素が流れ込んだ時期は、この世界に魔獣と呼ばれる人類の敵が現れ始めたころだということらしい。


魔獣とはこの世界に突然現れた獣で緑色の肌をしたゴブリンと呼ばれる魔物や肌がピンク色をしたオークと呼ばれる獣など、様々な獣が現れたようだ。魔獣が現れる際は予兆のようなものあるようで、魔力を帯びた陣が空に現れて、転送されてくるらしい。リオン達はこれに対抗するために兵を派遣したり

しているが、稀に隠れ潜む魔獣が村や集落を突然襲うことがあるらしく、状況によりそこにいる駐屯兵が対処したり、救援を呼んだりして対応しているようだ。


続けて、この世界の住む種族について教えてくれた。この世界は大きく分けて人族と魔族が住んでいるようだ。人族を大きく分けて三つの種族がある。その一つがヒューマンで秋斗達のような人間ことをそう呼んでいるらしい。ヒューマンの首都は秋斗達を召喚したアルカディア王国となっている。ヒューマンは他の種族と比べると霊術に関しては少し劣っていたりするものの三種族に比べると数が一番多く、戦術に関しては一つ飛び抜けているらしい。


次に耳が長く尖っているエルフだ。三種族の中では弓や霊術が飛び抜けており、森に住むものが多い。アルカディアの兵の中にもエルフが居るようだが、まだ見たことは無い。エルフが多く住む首都をエルグリンド法国といい、この世界で一番高い木のハイベリオンと呼ばれる木のある場所に国があるようだ。


最後に背丈の低いドワーフと呼ばれている種族である。三種族の中でドワーフは力に関して一つ飛び抜けている。斧やハンマーと言った武器が得意だ。ドワーフが多く住む首都はハズハント帝国と呼ばれており、山岳に首都を構えている。ハズハンド帝国の近くには鉱山が多くあり、そこで武器を製作しているとのことだ。アルカディア王国にも兵達の武器の流通元もハズハンド帝国からの輸入によるものだ。


このヒューマン、エルフ、ドワーフを纏めて人族と呼んでおり、この三首都は来るべき大戦に立ち向かうべく、同盟を結び、肩を並べ魔獣と戦っているのだった。


続けて魔族と呼ばれる種族だ。竜人族、獣人族、鳥人族、海人族の四つの種族を纏めて呼んだものだ。

魔族はで構成人族は魔族とは戦争状態にあるらしく、1年に数度の戦争が起こっているカイル王はこの戦争を止めるために使者を送り、この世界のために協力を呼び掛けているようだ。


竜人族には背中に翼が生え、頭には角が生えている龍人族がいる。雄の顔は竜の顔をしているが、雌は人族の顔に近いらしい。空を飛び、口から火や水などのブレスを吐いて地上部隊を薙ぎ倒すなどの強力な部隊がいるようだ。


二つ目の獣人族も龍人族と同様に人族に近い姿をしている。違いは如実にあるのは耳の位置が人族と違い犬や猫と同じ位置に耳がある。力を解放した際は全身が獣に変身して身体能力が大きく向上する技があるらしい。


三つ目の鳥人族は見た目は人族と近く、龍人族と同様に羽根が背中から生えており太ももから下にかけて鳥の脚をしており、足先には強靭な爪がある。鳥人族はエルフに近い特性を有しており、弓や霊術が得意だ。空からの弓矢と霊術の雨を降らせ敵を殲滅するのが得意だそうだ。


最後に海人族はその名の通り、海を支配する魔族である。海人族は獣人族と同様に変身ができるらしい。水の中に居る時は魚などに変身するらしく、陸に上がる際に人族と同じような姿をして陸を歩く。概ね人族に近い姿をしているが、首のあたりにはエラがあるようだ。海人族によっては、上半身は人族だが、下半身は蛇の姿をしているラミアのような海人もいるらしい。


人族と魔族の領土は東西に分かれており、西側が人族の領土となっている。領土としては丁度5分5分の領土になっており、戦力的にも互角で戦争も活発だったようだが、カイル王の使者により最近では戦争というよりも小競り合いの争いが月に1回くらい発生し、怪我人は出るようだが死者は出ていないらしい。カイル王には是非とも人族と魔族との間を持ち、和解まで頑張ってほしいものだ。

そんな感じでリオンにこの世界のことについて教えてもらっていたのだが、リオンはこちらを見ると。


「さて、話はこれくらいにしてそろそろ訓練を始めようか。」

「訓練ってどんなことするんですか?」

「はいはーい!魔法の練習ですよね!?」

「魔法・・・・・・?あぁ、霊術のことかな?残念ながらまだその段階にはいってないね。」


不安そうな表情を浮かべならリオンに聞く春奈に対し、訓練と聞いて嬉しそうに訓練の内容を確認する夏美。夏美に対して笑顔でリオンは否定した。


「3人ともとりあえず・・・・・・、走ろうか?」

「え?」


リオンの言葉に夏美はびっくりしていたが、リオンの笑顔の圧に何も言えなくなる秋斗達だった。


読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ