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17話 ギルド

ダンジョンを見つけ、ダンジョン主の情報を得た秋斗達はファルア村まで戻り、その足で冒険者が集うギルドの施設へと足早に向かった。


「ここですね。」


ファルア村を歩いていると、クレアはギルドの施設を見つけたようだった。ギルドの施設は少し大きな建物でギルドの特徴として剣が交差された看板が掲げられている。


クレアは臆することも無くギルドの中へと入っていった。ギルドの中には受付員とギルドの支部長と思われる髭を生やした体格の良い老人が居た。


「いらっしゃい。騎士さん達がどうしてギルドへ?」


渋い声の老人はクレアの袖にある騎士の腕章を見てクレア達に近づいて声をかけてきた。


「お疲れ様です。私はクレアです。こちらは秋斗に春奈。そして夏美です。」

「これはどうも。私はここのギルド長をしているアサハムと申します。」

「至急お話することがあります。」

「分かりました。奥へとどうぞ。」


秋斗達はアサハムの案内でギルドの応接室へと案内された。秋斗達は応接室にある机を囲んでいるソファーにそれぞれ座ると、クレアが早速本題に入り、ことの経緯を説明した。ハンターが調査して見つけたゴブリンの集落を殲滅したことと、ゴブリンの集落に隠されていたダンジョンを見つけたことを報告した。。


「ほう。一先ずは良かった。後はダンジョンの対応ですな?」

「はい。我々の調査した結果だと、ダンジョンはホブゴブリンの巣窟となっており、ダンジョン主はゴブリンキングだと思われます。」

「ふむ。ゴブリンキングですか。であれば、C級ハンターに攻略を任せましょうか。」

「いえ、先ほども申した通り、ダンジョンに入った時の魔素は緑色をしていましたが、我々が調査をしてダンジョンを出る時には魔素が赤色になっていました。ダンジョンは急成長しています。不測の事態に備えるのであれば、B級以上ののハンターに向かってもらった方が良いと判断します。」


ダンジョンがランク分けされているようにハンターも実力でランク分けされているようで、ダンジョンがSからE級まであるようにハンターもSからE級といったクラス分けがされている。ギルド長のアサハムは道中がホブゴブリンであり、ダンジョン主もゴブリンキングであればC級のハンターを数名派遣すれば問題無いと判断していたが、魔素が赤色に変化してダンジョンがB級となっている今、クレアはただのゴブリンキングではないと判断し、アサハムに再考するように求めていた。


「しかし、このファルア村のハンターはC級のハンター数名と最近ファルア村にやってきたB級ハンターに2名しかおりません。」

「許可を頂けるなら私も同席しますが。」

「ふむ・・・・・・。」


ギルド長のアサハムは少し考えると、クレアに向き合い話を再開する。


「一先ず、B級ハンター2名と話をします。その後、また相談させてください。明日の昼にまたギルドに来てもらえますかな?」

「分かりました。念のためですが、ダンジョンは急成長しているので時間はありませんよ?」

「分かっておりますとも。しかし、ハンター側の意見を聞かなくてはいけませんので。」

「それに関しては理解しているつもりです。では、我々はこれで。」


そう言うとクレアは立ち上がり、秋斗達も慌てて立ち上がってギルドを後にした。ギルドを出た秋斗達は宿屋に戻って夕ご飯を食べながら今後の事について話し合いをする。


「今のダンジョンは魔素の色の変化からダンジョン自体が急成長を遂げていてかなり危険ですので、念のために王都にこの事を連絡をする必要があります。皆さんには一度アルカディア王都に戻ってもらい、このことを王都に伝えてください。リオン総隊長なら適切に対処頂けると思います。」


クレアは魔素の色の変化を見て秋斗達にそう伝える。秋斗達も魔素の色の変化から2段階もダンジョンの階級が上がっており、ダンジョンが急に階級が上がっているので危険であることが分かる。そのため、クレアに王都に戻るよう言われるのも理解できていた。


「クレアさんはどうするんですか?」

「私は残ってハンターの方と一緒にダンジョンに向かいます。B級ハンターは2名居ますが、C級のハンターを含めたハンターが複数人では苦戦は必至になるでしょうからね。」

「あたしもダンジョンもう1回行ってみたかったなー。」

「ダメよ?わがまま言ったら。クレアさんも困るから。」


春奈は夏美に我儘を言わないよう説得をしていると、クレアは苦笑しながら二人を少し眺めた後、夕ご飯を再開した。


「明日の朝に馬車を手配しておきますね。後、手紙をしたためてますので、リオン総隊長に渡してください。では、私は明日に備えますので、先に休みますね。」

「分かりました。」


夕ご飯を食べ終わった後、クレアは秋斗にそういうと明日に備えて部屋へと戻っていった。初めての実戦でダンジョンにも潜っていたこともあり、疲れが溜まっている様子の春奈と夏美は目をしょぼしょぼとさせており、秋斗達は体の疲れを取るために解散するのだった。


▽▽▽


翌日になり、秋斗はクレアを待つために早々に宿屋を出ていた。体を壁に預けていると、クレアが宿から出てくる。


「秋斗は朝が早いですね。ゆっくり休めましたか?」

「はい。昨日の戦いの疲れは十分に取れましたよ。」

「なら良かったです。これは昨日言っていた手紙です。私はこれから馬車を手配してきますので、村の門のところで待っていてください。私は馬車を手配したらそのままギルドの方へ行きますので、ここで一先ずお別れになります。」

「分かりました。」


クレアは宿屋をチラリと一度だけ見ると、もう一度秋斗に向かい合った。


「春奈と夏美には申し訳ありませんと伝えておいてください。」

「大丈夫ですよ。今生の別れでも無いでしょう?」

「それもそうですね。では、私はこれで失礼します。」

「分かりました。気をつけてくださいね。」

「はい。」


クレアはそう言うと馬車を手配するために、宿屋を去ったのだった。秋斗はクレアを見送った後、春奈や夏美が起きてくるのを宿屋で待つことにした。


秋斗は宿屋の受付にあるソファーに座って春奈と夏美を待っていると、ドタドタと階段を駆け下りていく音が聞こえてきた。


「兄さん!」

「兄ちゃん!」

「おはよう。クレアさんは馬車を手配しに行ったよ。そのままギルドに行くってさ。」

「そっか。」

「ちゃんと挨拶したかったね。」

「そうね。」


秋斗達は宿屋で朝食を取った後、少ない荷物を纏めてから村の門へと向かった。そこには既にクレアが手配した馬車が門の前で待っていた。秋斗達はクレアに感謝しつつ馬車に乗り込もうとした。


「え?でも、そんな・・・・・・。」

「ん?春奈?どうかしたか?」

「え。いや、何でもない。」

「春姉、顔色ちょっと悪いよ?」

「大丈夫だから。」


春奈はダンジョンの方を見て少し悩んだ後、馬車に乗り込み王都へ向けて出発したのだった。


▽▽▽


クレアは秋斗達の馬車を用意した後、その足でギルドへと向かっていた。ギルドに到着するとギルド長のアサハムがギルドの入口でクレアを待っていた。


「おはようございます。アサハム殿。」

「おはよう。クレアさん。既にハンター達を呼んでいますので紹介します。」


アサハムはそう言うと、ギルドの中へと招待する。朝も早い状況であったが、ギルド内は数十名のハンターが居た。クレアがギルドに入ると、ハンター達は興味本位でギルド長とクレアを見ている。そこへ2名のハンターがクレアの元へと歩み寄ってきた。


「どうも、俺はB級ハンターのクライだ。以後よろしく。こっちは―—―。」

「クライと同じB級ハンターのカミールよ。よろしく。」

「アルカディア王都の騎士団所属のクレアです。よろしくお願いします。」

「俺とカミール以外はC級ハンターだ。とりあえず、全員呼んでおいた。」


クライは後ろに目をやると数十人のハンター達がこちら見ており、数人が軽い会釈をしている。


「事情はギルド長から聞いてる。ダンジョンのクラスが急にD級からB級に上がったてな。これ以上クラスが上がって取返しがつかなくなる前にさっさとダンジョンを攻略しようぜ。」

「分かりました。案内しますので、早速行きましょうか。」


ハンター達の準備ができていると聞いて、クレア達はそう言うと出て早速ダンジョンへと向かうことになった。ギルドを出ると、秋斗達が村の門まで移動しているのが見えた。幸い秋斗達がクレアに気づくことはなく、そのまま門へと向かっている。


(頼みましたよ。)


クレアは心の中でそう呟くと、ゾロゾロとギルドから出てきたハンター達を連れてダンジョンへと向かうことにした。ダンジョンへと向かう道中で、ダンジョンの攻略について話し合いをする。


「っつうことで、基本的に俺達がダンジョン内の敵を制圧する。ボスも同じだ。危険だと判断したら手を出してくれて構わねぇ。そこから先は任せる。」

「分かりました。」


クレアは秋斗達のサポートをしていた時と同じようにすれば良い判断し、クライの意見をそのまま受け入れた。


「へぇ~。案外話が分かるんだな?」

「どういう意味でしょうか?」

「いや、帝国の騎士は俺達ハンターを見下されてたからよ。王都の騎士達も同じだろうと思ってたんだ。」

「そうなのですか?」


意外そうな顔をしたクライ。クライの話を聞くとどうやらファルア村に来る前は帝国の首都であるカースデリアでハンター活動をしていたようだ。帝国では富と力が絶対であり、階級の低いハンターは食い物にされている傾向があり、クライ達もその被害者であった。難癖をつけられて何人かの仲間も被害にあって命を落としたということだ。帝国では貴族などの力のある者は優遇され、力無き者は最悪奴隷として死ぬまで働かされると有名な話だった。クライは仲間に被害がこれ以上出ないように仲間を引き連れてカースデリアを飛び出し、国境を越えてファルア村にきたということだ。


「私も一度痛い目にあってから帝国での活動は辞めたもの。」

「そうですか。それは大変でしたね。私も帝国の話は私も奴隷制度があったりと弱い者に対しては厳しい場所だと聞いたことがありますね・・・・・。」

「まぁ暗い話はこれくらいにしてさっさとダンジョンに向かおうぜ。」


クライは声を上げてズカズカとゴブリン集落があった場所へと歩き始め、クレアとカミールはその背を追いかけたのだった。その後、ゴブリン居た集落に辿り着き、早速ダンジョンへと向かったクレア達だったが、そこのあったダンジョンに驚愕することになる。


「これは・・・・・・。」

「紫の魔素ってことは・・・・・・。」

「A級ダンジョン・・・・・・。」

読んでいただきありがとうございました。

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