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英雄召喚~アルカディア騎士の英雄譚~  作者: あんこ
プロローグ-破滅する世界-
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0話 敗北の騎士たち

至らない点や誤字脱字等があると思いますが、よろしくお願いします。

「くそっ!何て野郎だよ!」

「無理だ・・・・・・勝てないよ・・・・・・」

「逃げろー!うわあぁぁぁ!」


辺り一面が焼け野原となっている大地で、武器を構えて立ち向かおうとする兵士や敵の強さに絶望し、膝をついて項垂れいる兵士、悲愴な顔を浮かべながらも生き延びるために逃げ惑う兵士の姿があった。そんな姿を上空から口を歪めながら楽しそうに眺めている一人の姿がある。名はハデス。彼は数々の世界を破壊している邪神と呼ばれていた。黒味の強いグレーのロングヘアに紺色の肌をしている。


「愉快愉快!これだから世界を破壊するのは辞められぬ!じっくりと追い詰めていけ!」

「御意に。」


時より兵士の無様な姿を高笑いしつつ、自分の部下に指示を出して、兵士たちを徐々に追い詰めていく。。前線で戦っていた一人の騎士は声を上げた。


「冬馬隊長!このままでは前線が……!」

「……最終防衛ラインまで撤退する!」


指示を出したのは軍を束ねる総隊長の名前は神代冬馬だ。

彼はこの世界に転生し、このユグドラシルの世界を守ってほしいとの女神の代理であるフェアリーから依頼を受けてこの世界へとやってきた。ハデスを打倒するため何度も試行錯誤を行った。精霊と相性の良い適合者を探し、精霊との契約や精霊の力を使いこなすための修行を行って最終決戦へと挑んだわけだが、想定以上にハデスの力を有しており、ハデスの部下の力も相当な力を持っていた。


序盤の戦いでは人類軍の方が優勢であった。敵を倒しいき、ハデスのもとへとたどり着いた。

しかし、ハデスは冬馬達がやってきたところに大量の魔獣を召喚し、人類軍を包囲し、殲滅していった。。戦力は拮抗しはじめ、徐々に人類軍が劣勢となっていた。冬馬は直接ハデスと相対していたものの、人類軍が押されていることもあり、ハデスとの直接対決を諦めて、包囲を突破することに専念することにした。幸いにもデスは嘲笑の笑みを浮かべるだけで追撃をしてこなかった。今は、包囲を突破して軍の立て直しをしたところであった。


「あれだけの魔獣をまだ隠しもっていたとはな。とんでもない奴よ。」

「えぇ・・・・・・。ですが、これ以上は退くわけにはいかない。犠牲となった兵達のためにも・・・・・・。」


ボロボロになりながら話し始めたのは、魔族軍を率いているアビス・ヘイロンだ。

竜族の彼女は魔族を率いて王女である。竜族でありながら人間に近い姿をしており、人間との違いは体の多くを黒い鱗で覆われているところである。真っ黒な髪色での長い髪でをしており、頭には角が二本生えていた。大鎌を背中に背負う彼女はこの世界では戦闘力の高い存在ではあるが、ハデスの部下の力に対して若干ながら劣勢だったようだ。それに答えた女性の名はレイナ・フォン・ラインハルト。

彼女は人族軍の代表の彼女は冬馬の右腕として参戦していた。金色の長い髪を纏めてポニーテールにしている彼女は剣を鞘に納めて、地図を見ながら次の戦いの布陣を考えているようだった。


「ふぅ・・・・・・。」


冬馬は疲れたようにどっしりと椅子に座って息を吐きながら天井を仰いていた。


「大丈夫ですか?」

「あぁ・・・・・・怪我はしてないから大丈夫。ただ、ハデスをどう倒せばいいか思いつかなくってな・・・・・・。」

「すいません。私も共に戦えていたなら変わっていたかもしれませんが・・・・・・。」

「仕方ないさ。あの伏兵の量じゃあな。あの時はあれが最善だったよ。」

「それで、どうする?今の戦力で、あの量の敵は相手にできんぞ。」

「分かってる・・・・・・。」


重い空気の中、3人のいる天幕に何者かが入ってきた。その姿を見た冬馬はすぐに立ち上がる。


「邪魔をするぞ。ん?首尾は・・・・・・良くないようだな・・・・・・。」

「伝令を送った通りですよ。」

「まぁな。しかし、現場の顔を見てみないと伝令の言葉だけではわからないこともある。」


入ってきたのは王族のカイル・リ・アルカディア。見た目は老兵のような顔つきではあるが、体は固く引き締まった筋肉が見えている。カイルは人族と魔族の同盟を結んだ立役者である。冬馬達の姿を見て少し落ち込むような顔をしたが、すぐに顔色を変えていた。。


「しかし、ここまでの戦力の差があるなら英雄を召喚するべきだったかもしれぬな。今はもう遅いがな・・・・・・。」

「英雄を召喚ですか?」

「左様。一部の者しか知らんのだがな。英雄の召喚は世界を平和に導く力があるものを召喚ことができる。しかし、伝承では召喚された者の性格に難があった場合、逆に世界が滅ぶとも言われている。所詮は力があるだけだからな。力を悪用する者が召喚された場合のことを考慮するとな・・・・・・。」

「そういうのがあるならもう少し早く知りたかったな・・・・・・。」

「過ぎたことを言っても仕方あるまい。それで、次の手はあるのか?」


カイルは、話を切り替え、次の作戦について確認をした。


「我々の戦力は限られている以上は広範囲の霊術で敵を殲滅する他はないと考えてます。」

「その後は、ハデス向かって突貫して勝てればラッキーくらいであろうよ。最終防衛ラインがここである以上、奴らをここで殲滅する必要がある。」

「で、あるか。ふむ・・・・・・。」


手を顎に当てて考える仕草をしているカイルだったが、作戦に対しての反対は無いようだった。

カイルは部下を呼んで広範囲霊術の準備を指示する。


「世界を破滅に導くハデスに降伏すれば退いてくれたりするものだろうか?」

「人族の王よ・・・・・・。本気で言っているのかの・・・・・・?」


アビスはカイルを睨んで威圧する。アビスの睨みをカイルは鼻で笑って答えた。


「ふん、無論だ。我は王だぞ?我の首を差し出して皆が生き延びられるのであればその方が良い。人類の存続を考えるのが王たる使命だ。本来、五割以上も戦力を失えば敗北だ。上手く敗ける道を探す必要がある。それに我一人の首で済むのであれば安かろう。そういう選択肢もあるということも視野に入れるべきだ。して、冬馬はどう思う?」

「・・・・・・女神の話でば降伏したとしても皆殺しだそうだ。」

「そうか・・・・・・。であれば、徹底抗戦か。我も前線に出よう。久しぶりの戦い、楽しまなければな。」


カイルは笑いながら背中に背負う大きな太刀を握る。少しでも空気を明るくしようとしていた。

その時、天幕倒れこむように一人の兵士が入ってきた。


「伝令!ハデス軍の布陣が見えました!」

「なにっ!?広範囲霊術はどうなっている!」


声を荒げるようにカイルは広範囲霊術の進捗状況を確認した。


「後少し、・・・・・・恐らく半刻といったところです!」

「くっ・・・・・・。」

「カイル王、俺たちは敵の足止めをします。」

「分かった。広範囲霊術を撃った後、すぐに合流しよう。可能な限りハデスの正式な場所を抑えておいてくれ。」

「了解。では行ってきます。」


武器を手に取って天幕を飛び出した冬馬とレイナとアビス。部下は連れて行かない。部下を連れていくと防衛ラインが手薄になるからだ。部下たちには広範囲霊術を準備している場所も合わせて防衛してもらうするためでもある。


「レイナ、アビス。奇襲と撤退を繰り返して敵を戦力を兎に角進行を遅らせるぞ。」

「了解!」

「分かった!」


三人は敵の元へ向かうため森の中を突っ切ろうとしていた。その時、前方から魔力の収縮を感じた。その魔力は人類軍に向けて何かがこちらに解き放たれようとしていることを冬馬は察知した。ハデス軍が何かをしようとしていることを察知した冬馬は二人に指示しを飛ばす。


「拙い・・・・・・!二人とも、散れ!」

「了解!」

「分かった!」


レイナとアビスの二人は冬馬から離れるように散る。冬馬はレイナ方へ飛ぼうとしたが、回避した先に何があるのかふと思い、後ろをチラリと見た。途端に冬馬は舌打ちをした。敵の射線は冬馬達とその後方にある防衛ラインがあった。そこには広範囲霊術を展開している場所もある。


「ここで止めるしかない!」


武器を手に取り、自分の精霊の力を自分に身体強化の術と武器にも精霊の力を籠めた。

何事かとレイナとアビスは振り返ると逃げずに武器を構える冬馬を見て状況を察知し、冬馬の元へとすぐに駆け寄る。


「レイナ!アビス!」

「隊長を置いて逃げるわけにも行きません!」

「お主がこの世界の切り札ぞ!妾も手を貸す!」

「すまない・・・・・・。」


少し申し訳なさそうな顔をする冬馬にレイナとアビスを微笑みかける。


「来るぞ!」


魔力の塊が発射されるのを冬馬達は確認し、冬馬は声を上げる。その声に合わせレイナとアビスは自分の持てる力を最大まで引き出す。すると、三つの大きな霊力が天を穿っていた。


「「「はぁあああああ!」」」


迫りくる魔力の塊に向かって三つの霊力は交わるようにして振り落とされ、二つの力がぶつかる。

火山が噴火したような音を立てながら辺り一面は真っ白に包まれた。


「うっ・・・・・・。どう・・・・・・なった?レイナとアビスは・・・・・・。」


朦朧とする意識の中、冬馬は辺りも見渡す。


「これは・・・・・・!?」


冬馬達は森を走っていたはずだが、緑に茂っていた森は跡形もなくなっていた。足腰に痛みがあったが、今はそれどころではない。首を少し振って意識を覚醒させた。


「くそっ・・・・・・!」


意識が戻った冬馬の目に映ったのは、空に浮かび腕を組んで冬馬を見下ろすハデスの姿だった。


「楽しい余興だったぞ。小僧。この程度では俺を倒すことはできぬぞ。次の手はあるか?小僧よ。」

「ハァハァ・・・・・・。」

「限界か・・・・・・?ではな。小僧。」


ハデスは手に魔力を込めている。赤黒く光る弾は冬馬に向けられていた。冬馬は腰にあるカバンから霊力が込められた青く光るガラスの球を取り出した。


()()()・・・・・・必ずお前を倒す!」


そう言うと冬馬はガラスの球を握りつぶした。


「馬鹿め。次などあるわけないだろう。さらばだ。小僧。」


ハデスは冬馬に別れの挨拶をした後、魔力を込めた弾を冬馬に放つ。魔力の弾が当たる直前に冬馬は霊術を使用した。


「タ・・・・・・・・・リ・・・プ・・・・。」


視界は灰色に染まり世界が歪んでいく。冬馬は次こそはと決意し灰色に歪む世界を受け入れたのだった。

読んでいただきありがとうございました。

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