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得体の知れない卵を拾った話  作者: 悠月 かな
8/10

第八話

 俺は仕方なく、ノアールを温め続けた。

気を使いながら寝てるせいで、寝不足でフラフラだ。


「リウ、いよいよ明日で1週間だ」


ノアールの言葉にハッとする。

やっとこの生活から抜け出せる。


「明日の何時に孵化するんだ?」

「時間は未定だ。朝かもしれないし、夜かもしれない」

「随分、ザックリしてんな〜」

「我らに時間の概念はないからな。しかし…このままだと、魔力も見た目も期待できんな」


ノアールは、諦め気味に溜め息をついた。


「あ〜それは、悪い…」


俺はバツが悪くなり、頭を掻いた。


「まぁ…良い。結果はどうであれ、温めてくれた人間には感謝するように教えられている。リウ…毎晩温めてくれて感謝する。もう一晩だけ頼む」


ノアールがペコリとお辞儀をした。


「いや…気にするな。もう寝るぞ」


俺がベッドに横になり、ノアールが懐に入ろうとした時だった。

部屋の窓から、突然黒い何かが入ってきた。


「部屋の窓は閉まってるぞ!何が入ってきた?」


俺は驚き、それを見た。


「カラスか…?」


一羽のカラスが俺の部屋を飛び回っている。


「あのカラス…目が赤いぞ…」


そのカラスは、どこか異様で禍々しさを感じる。


「リウどうした?」


ノアールが懐から出てきた瞬間、そのカラスがノアール目掛け飛んできた。


「危ない!」


俺はノアールを抱き抱え守った。

カラスは、俺の背中を通過すると天井まで舞い上がり、ホバリングしながらこっちを見ている。


「何だあのカラス…」

「リウ。あのカラスは、我ら種族を脅かすベルル族の刺客だ」

「あのカラスも魔族なのか?」

「そうだ。我の命を狙ってるのかもしれん。こんな所まで来るとは…」

「命狙われてんの?ヤバいじゃん!」

「リウ!気を付けろ!来るぞ!」


カラスが再びノアール目掛け、飛んで来た。

間一髪でノアールを守ると、カラスが俺の頭を突いた。


「イテッ!何すんだよ!」


ノアールが落ちないように抑えながら、片方の手で追い払う。

しかし、カラスは嘴と足の鋭い爪で攻撃してくる。

俺は、ニョローン対策用ハンマーを握ると、めちゃくちゃに振り回した。

その一発が命中し、カラスは床に落ちた。


「やった!」


喜んだのも束の間、窓からもう一羽のカラスが侵入してきた。

床に落ちた奴も復活し飛び回る。

俺はハンマーを握り締め、ジリジリと後退するしかなかった。


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