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得体の知れない卵を拾った話  作者: 悠月 かな
5/10

第五話

 俺は"それ"から要求された名前を考えている。


「クロで良いじゃん」

「気に入らん!安直過ぎる!」

「はあ?それなら…ブラック」

「………」

「う〜ん。ポチとか…タマ?」

「はぁ…もっと真面目に考えろ!」


"それ"が溜め息をつきながら抗議する。


「あ〜めんどくせ〜」


俺は頭を掻きむしりながら呟いた。


「バッ〜ドポイント!!」


ニョローンが目の前に現れ、頭目掛けピコピコハンマーが振り下ろされたが、俺は瞬時に避けた。


「ふっ…甘いな」


余裕の笑みを浮かべた時、後頭部に痛みが走った。


「イテッ!」


振り返ると、ニョローンがピコピコハンマーを構えていた。


「甘いのは、お前だ。ニョローンの攻撃からは逃れられぬ。真剣に我の名を考えよ」


"それ"は呆れたように言った。

俺は、殴られた頭を撫でながら呟く。


「ノアール…」


暫しの沈黙が流れる。


「ノアール…おお!良いではないか!気に入ったぞ!お前もやればできるではないか!」


"それ“が嬉しそうに、ぴょんぴょんと跳ねている。


「ナイスポイント!!」


再び、ニョローンが目の前に現れ、機体からマジックハンドのような物が飛び出した。


「なんだよ!」


俺は反射的に身構える。

すると、マジックハンドは優しく頭を撫で始めた。


「は?」


俺は意味が分からずフリーズした。


「良かったな。お前の名付けが評価されたぞ。ナイスポイントの場合は、ニョローンが頭を撫でる仕様となっている」


全く意味不明の事ばかりだ。

俺は溜め息をつくと、諦め気味に呟いた。


「リュウヤって呼べ」

「何と言った?」

「琉也だよ。俺の名前。お前じゃなく、名前で呼べよ」

「呼びにくい。リウと呼ぶ事にする」

「あ〜もう何でも良いや。好きに呼べ」

「リウも、我をノアールと呼んで良い。特別に許す」


ノアールは満足に言うと、胸を張るのだった。


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