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得体の知れない卵を拾った話  作者: 悠月 かな
4/10

第四話

「おい、人間!起きろ!」


俺は、頭に何かガンガン当たる感触で目を覚ました。


「んだよ…」


手を伸ばし"それ"を掴むと、引き寄せ確認する。

黒い卵だ。


「こら、人間!早く起きろ」

「うるさい…今何時だ?」


スマホを見ると、まだ朝の5時だ。


「まだ5時じゃん。寝る」


俺は"それ"を放り投げ、頭から布団を被った。


「こら!我を投げるとは失礼だぞ」

「知らんし。寝る」

「我を粗末に扱うと後悔するぞ」


俺は無視して目を閉じる。

ウトウトし始めた時、布団に何かが入ってきた。


「バッドポイント!!」


機械的な声と共に、突如頭を叩かれた。


「イテッ!卵!いい加減しろ…?」


苛立たしさから布団を蹴飛ばし起き上がる。

そこにいたのは、黒いドローンだった。


「は?ドローン?」


しかし、ドローンにしては様子がおかしい。

機体から、ピコピコハンマーが出ている。


「それは、ニョローン。管理ロボットだ」

「ニョローン?ふざけた名前だな」

「ふざけてなどおらん!ニョローンは優秀だ。これから、ニョローンが我らを監視し、ポイントをカウントする」

「ポイント?なんだそれ?」


俺が尋ねると“それ"は、胸を張り得意気に説明を始めた。


「ポイントは高ければ高いほど、孵化した際、魔力が高くなる。尚且つ外見にも作用する」

「外見?」

「そうだ。高ポイントだと見目麗しく孵化できるのだ」

 

俺は頭を抱え、心の中でくだを巻く。


(ポイントってなんだよ。マジで言ってんのか?)


「で…ポイントってどうやってカウントすんの?」


仕方なく聞いてみる。


「ポイントは、お前次第だ」

「俺次第?」

「そうだ。我に対する態度や対応によりカウントされる。バッドポイントは−5ポイント。ナイスポイントは+5ポイント。一週間の総合ポイントによって、我の魔力と外見が決まるという訳だ」

「ちょっと待てよ!それって責任重大じゃん!」


俺は、呆然と"それ"を見つめた。


「重く考えなくても良い。お前を選んだのは我だ。例え、総合ポイントが低くとも恨んだりはしない」


意外にまともな返しに驚いた。

思ったより悪い奴じゃないかもしれない…


「まずは、我に名を付けよ。名付けと共にポイントのカウントが始まる」

「え?さっきのバッドポイントは?」

「あれは、名付け前だからノーカウントだ」

「なんだよそれ!俺叩かれたんだぞ!」

「たまに、そんな事もある。まぁ…誤作動というやつだ」


"それ"はバツが悪そうにそっぽを向いた(そんな感じに見えた)


「なんだよ!優秀なロボットじゃないのかよ!」


俺は、先行きに不安しかなかった。


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