おじさんが好き
第四話
あっ、いっらしゃいませ…じゃないですね
こんにちはですね
こんにちは
看護師さんだったんですね
はい、この病院でナースをしています。
店長さんこそ
どうされたんですか?
こんなところで、あ、娘さんですか?
まぁ、…そうです
あそこで眠ってる子と
同級生なんですよ
そうなんですか?
心配ですよね…
こんにちは父がお世話になってます
こちらはお店の常連さんだよ
あの⁉︎少しお願いがあるのですが…
あの子の手の内側か指先に
引っ掻き傷のようなものは無いか
みてもらえないでしょうか?
こら!玲奈、何をお願いしてるんだよ
それぐらいは出来ますが
それがどうしたんですか?
ちょと、色々あって……
ごめんなさい、お願い!
万依とは親友なんです
お友達という事ならわかりました。
少しお待ち下さい
看護師さんはICUに入って
万依の手と指を見てくれた
すると右手の薬指の先を指差していた
ICUから出てきて
たしかにありましたよ
5ミリぐらいの長さの傷が
うっすら血が出た跡も
「ありがとうございます」
それと
面会に来た人はナースステーション
の受け付けノートに
名前を書きますよね
はい必ず書いてもらっています
書いて頂かないと面会できませんから
そうよね私たちも書いたからね
わかりました、ありがとうございます
「ありがとうございました」
「またお店来て下さいね」
「それじゃ退室時間を
書いて帰りましょ、お父さん」
「恵介、カメラ用意して」
「なにするんだよ」
「ノートを撮って!」
「私が書いてるふりしてる時に」
「いい撮った?」
「めくるよ、次、次だね」
「OK」
「それじゃ行こう」
「行こうお父さん」
「待て待てよ」
走ってはいけませんよ〜
二人は小走りでエレベーターに乗り
「恵介ほらねやっぱ
キズがあったんだよ」
「でそしたら誰が何の為にかだよな」
「それと面会ノートは?」
「このピアスの持ち主は誰のかは
なんとなくわかってるの」
「確信はないけどね」
「その人が来てるかを調べるの」
「だって万依の様子が知りたいでょ」
「意識がもどったら自分だって
バレるのよ」
「後ろから突き落してたとしても
もしも見られてたら…と不安なはず」
「何かの方法で次のことを考えるから
だから見に来てると思う」
「本当の名前を書いてたらいいけどね」
「その時はわたしの知らない人の
名前が怪しい」
その時は筆跡か……
2人は病院を出て
万依が大怪我をしたビルに向かった
何か他に形跡がないか?
それと玲奈はあるものが気になって
いたのでそれを探しに…
車で10分も掛からない
そこは雑居ビルが多い地域
たしかに、こんなところに
一人で行くのには違和感を感じた
やっぱり
誰かに呼び出されたのだろうか?
そして
玲奈はあるもを必死に探していた
「恵介」
「ピアスが外れたなら
必ずキャッチが落ちてるはず」
「一緒に探して」
玲奈と恵介は階段の隅々まで探しまわった。
「ないぞ、もう既に拾われてる
じゃないのか?」
「そうかも知れないね」
必死に2人で探したが見つからない…
「恵介お腹減った」
「なんか食べにいくか?」
「そうね、キャッチないもんね」
ところでさぁ
「恵介っておじさんだけど
まあまあかっこいいのにね」
「なんか、なんかだね〜」
「彼女いないんだね」
男の人が好きなの?
それとも熟女好き?
「なんだよ、なんかって」
「いたってノーマルです」
「イケメンだからみんなもう彼女いるって
思うんじゃないの?」
「それはない!」
「自惚れないで聞きなよ」
「わたし、おじさん好き」
「だから恵介みたいな人はタイプなの」
「けど、まだ合格じゃないの」
「勝手に合格とか不合格とか
評価してんじゃないの」
「別に好きなってもらわなくても
間に合ってます」
「間に合ってないじゃん」
「うるさい奴だな」
「それで?」
「参考までに教えてくれるかな…
何が不合格なの?」
「ふっふふ」
玲奈は意味深な笑みを向けて
「恵介、わたしの事好きになったの?」
「ロリコン?美少女好き?」
「自分で美少女っていうな」
「まぁ年の差はあるけど
大切なのはフィーリングかな」
「なに、きもーい」
「大切なのはフィーリング?言い方キモ〜い」
「チキショウ、ほんとに腹が立つ」
「もう、いい」
「怒ると可愛いよね」
「ご飯行こうよ」
「あぁ!そうだな」
「クビになったレストランいく?」
「いかねぇよ」
「じゃ違うところ」
食事しながら
「さっきとった写真チェックしようね」