罠を仕掛ける
第十話
----病院
2人は午後から病院で
隠れて黒沢先生を待った
学校は終わっているから
そろそろ来ると思うけど
レイナさぁ、積み立てのお金は
いくら会計委員長だとしても
ばれるんじゃないの?
月末毎に報告するんじゃないの?
だとしたら
やっぱ共犯者がいないか?
けど生徒にはやらせないでしょ
可我谷?いや違うよな
だから全てひとりで
やってるんじゃないの?
そうか••
来た来たぞ
俺が近づいて聞くから
レイナは隠れてろよ
恵介は
窓越しに万依を見てる黒沢に近づき
「黒沢先生ですよね」
『あなたは?』
「○○編集社のものです」
『編集社の方がどうしてここに?』
「先生もどうされたんですか?」
『教え子の面会ですよ』
「そうですか、残念ですが
まだ意識は戻っていないですよ」
『少しでもよくなってくれたら
いいんですが…』
「そうですな」
「私は噂の真相を探っていまして」
「あなたの学校の先生が
男子校の青少年と付き合っていると
それと学校のお金が使い込まれている」
「その先生はあなたじゃないかって
言われてますが本当ですか?」
『そんな根も歯もない噂』
「お金に関しては近々監査が
入るという話しだそうですよ」
「まぁ18歳未満の男子生徒と付き合い
お金も使い込んでるとくれば」
「我々マスコミの
恰好のネタですよね」
「社会的制裁は大きいですからね」
「どうなんですか?」
『そんな事はありません!』
『失礼します』
「恵介やるじゃん
今度はマスコミ?」
「おぅアドリブどうだった」
「バッチリじゃん」
「先生相当動揺してたな
完全にバレてるって顔」
「という事はやっぱり
使い込みもビンゴだね」
「監査に食いつけばラッキーだね」
「あとは証拠を掴むだけ」
なんとかして口座の出入りを調べたい
通帳は黒沢だからまずむり
調べれるのは学校の経理
ただ、生徒会金は別管理だからね
さっきのに食いついたら
お金を工面するだろうから
黒沢先生の動きを見張らないと
春休みになると学校も
私たちも何にもできなくなる
あと2日しかない••
万依待ってなよ
本当の事を暴いてやるからね
事故じゃないって事を
だから、早く目を覚まして
お願いだから…
さぁ今日は帰ろうか…
「恵介行こう」
「ところでさぁレイナ」
「ずっと考えてばっかりだから
気晴らしするか?」
「少しドライブでもいくか」
「いいね、デートか?恵介」
「そんなじゃいよ」
「合格じゃないんだろ」
「そんなこと言うのは?
玲奈と付き合いたいという事?」
「好きという事か?」
「あぁそうだよ」
「あれ、マジになってるね」
「真面目だよ、おじさんで
カッコ悪いけどな」
「まだ短いけど一緒にいて
レイナの事が気になってるきてる
自分がいるんだよ」
「なら、玲奈も言うけど
恵介の事本当に好きだよ」
「けど、今はまだ無理なの」
「そうか、そうだよな
わかった、ごめんな」
とにかく事件を解決しような
うん……
----翌日
黒沢先生の動きを見張ってね
わたしは可我谷可奈子を調べてくる
昨日のハッタリに食いつくかもな
学校の門の前で黒沢先生の行動を
見張ってると動きがあった
後をつけると予想通り
銀行に入っていた
どうやらATMで入金をしてる
振り向いたところで
「先生何してるんですか?」
『何ってあなたには関係ないですよ』
「先生もし使い込みだと横領罪です」
「一時の拝借でも罪ですよ」
「なので、その場合は」
「先生あそこを見て下さい」
あれカメラ
ATMもカメラ
「今はっきり撮られてます」
「時間も顔も口座も記録されてます」
「証拠として確認されますよ」
「認めたらどうですか?」
「いったいどれぐらい
使ったんですか?」
『150万よ』
「そんな僅かな金額」
『ちょっとの間
借りるつもりだったの』
「だから、僅かでも横領ですよ」
「ところで、その犯罪より
もっと重い罪を犯していますよね」
『何もしていないわよ』
「そうですか?」
「まだシラを切るんですね」
今から病院に来てもらえますか?
謎解きをしますから
レイナは本当に大丈夫なんだろうな
昨日、帰り際に「わかった!」とか
明日全てを解決するって
言ってたけど••
容疑者を集めても
万依の事件の証拠はピアス以外
何もないけど大丈夫か?