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陰陽戦記  作者: 有田蟻太
第一章 魔王編
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学園生活2

僕の学園ボッチ生活が始まって1っか月が過ぎようとしていた。


この1っか月間ほどは、まず朝起きると父に指示された修行をこなす。陽の気はもちろんながら、陰の気修行もきっちりやるように書かれているのだからたちが悪い。僕は朝から汗だくになりながら、自分の持つ陰の気と陽の気の制御をする練習をこなすのだ。


次に身支度をして寮から学園に向かう周りの子は同じ寮だったりすると仲良く一緒に登校したりしているが生粋のボッチである僕は一人で登校する。


学校に着くと皆はさっと目を上げ猛獣でも見るかのような目で僕を見つめてくる。

席に向おうとすると、その道すがらにいるものはさっと道を開け目を伏せるのだ。

大丈夫だよ取って食ったりしよ?心の中でそう呟きながら、僕は席に着く。無論誰も話しかけてわ来ない。


授業はいたって普通に行われる。初めのころは算術など分からないことも多かったが、担当の先生に質問に行っているうちに次第と追い付くことができた。結果算術と西大陸語の先生とは比較的仲良くなることができた。午後からの実技の授業は相変わらず無双状態で、先生も含めて皆から益々恐れられているのをしみじみと感じるが、今更手加減することもできず、私は過去の自分を恨むより致し方なかったのである。


学校が終わるとすることもないので図書室へ向かい様々な本を借り寮に戻ってから読むのだ。

始めのころは図書館で読んでいたが、ふと気づくと周りにだれもおらず、皆が私が図書館にいるのを見て、いそいそと去っているのに気づいたのだ。

それ以来申し訳なくて、ただ本を借りると寮の自室で読むようにしているのだ。


寮の食事は簡素なもので、決してまずくはないが、おいしくもなかった、広い食堂で周りの人が友人とにこやかに談笑しながら食べる中一人ぽつんと食べるために、それは余計に強く感じられた。


「最近学校はどうですか?」


私の今の様子に見かねたのか担任の先生が訪ねてきた。


「いえべつに何もありません。」


何も問題らしい問題が起きていたわけではなかったのでそう答えると

先生は深いため息をつきながら


「仲の良いとは出来ましたか?」


と僕の目を見て尋ねてきた。

僕が答えられずに黙っていると


「やはりその様子だとませんか、転入という形のため仕方のない面もありますが、恐らくあなたのことを恐れているのでしょう。あなたに話すようなことではないかもしれませんが、まあなんといってもあのクレアルボーク様のご子息で、推薦人があの牛魔王様ですからね。周りの者もどう話しかけていいのか戸惑っているのでしょう。」


「あーそれで」


「まあそれだけではありませんけど、それも大きな一因の一つでしょうね。」


「やはりあの自己紹介と実技でしょうか?」


「まあそれもあると思いますが何より大きいのは貴方が近寄りがたい雰囲気を作り出してるところではないでしょうか。」


だが私にそんなことを言われても私自身全く近寄りがたい空気など出しているつもりはないので、返事に窮していると


「ほら貴方毎日朝学校に来てからずっと無表情で授業を受けているだけでしょう。もう少し笑えばいいのではないでしょうか」


「そんなこと言われましても、、、」


「やはりいきなりは難しいですか?う~ん、ではどこか部活に入ってみるのはどうですか?」


「部活ですか?」


「そう部活です、ほら同じ部活ならいやでも同じ場所にいることになるのだから少しは友達もできるでしょうし、そうやって交流を広げていけばもう少し交友関係を広げていけるんじゃないかしら?」


それは一理あると私も思った。


「ですが何部に入ればいいでしょうか?」


「う~ん、私が顧問をしてるバレーボール部は女の子オンリーですしあなたが得意な陽の気を使った、術式研究部に入ってはどうですか?この学園の術式研究部では陽の気だけでなく魔術研究部と合併して陰の気も扱うのでこの辺りでは結構有名なんですよ。どうです?」


陰の気と陽の気を同時に使った技術の開発は、陽の気は陽の気として陰の気は陰の気としてどちらか一方のみの使い方しか教わっていなかった私にとって予想外のもので、とても興味がわいてきたのであった。


「わかりました。術式研究部に入ります。」


「えっ、もうきめてしますの?いろいろ見学してからの方が」


「いえ、そこがいいんです術式研究部にはいります。」


「ええ、あなたがいいのならいいのよ。分かりました向こうの顧問に話をしておくので明日3階にある研究室へいってみなさい」


僕が突然、激しく食らいついたのを見て少し戸惑ってはいたが、ちゃんとしてくれるようではあった。

その日はいつも通り寮に戻り今度こそ自己紹介で失敗せぬように何度も練習した。





次の日、授業が終わった後、さそっく3階にある研究棟に入ってみるとすでに僕が来ることを聴いていたのか皆不安そうな顔をして僕の方を振り返った。すると


「ようこそ術式研究部へ」


と少しチャラい感じの白衣を着た妙に馴れ馴れしい男僕の肩の手をかけて僕に話しかけてきた

私が戸惑っておろおろとしていると


「お前があのコーアレックスやなクレアルボークの孫でかなりの陽の気の持ち主の。丁度いいちょっとこっちへ来い」


そういって僕を奥にある部屋へと強引につれこんこもとしたのであった。

周りの者はそんな僕の様子を見てもともと暗かった顔をさらに真っ青にさせ、まるで世紀末のような顔をして


「まずいっすよショーインさん彼をそんな風に扱ったら」


とこの男を止めようとしたがこの男はどこ吹く風と僕を連行して部屋に入っていったのだった。



部屋の中は様々な魔方陣や実験器具やらなんやらに埋もれており散らかってはいたが、本当に大事なものはしっかりとまとめ得られているのが見て取れた。そのうちの一つ魔方陣がまとめられているところで彼は止まり僕に


「すまないがこの魔方陣に陽の気を流してくれないか。部員だけでは力が足りなくて伸び悩んでいたものだよ」


「この魔方陣は創造のものですか?この形状は何でしょう?見たことがありませんね。」


「見たことなくて当たり前だと思うぞこれでできるものは想像上の生物の一種だ有機物を形作るのは無機物に対してかなりに量の力を使うからなここの部員の力を合成しても足りなくてな。俺は陽の気を操れんし。」


「ああそういうことですかですがこの魔方陣は陽の気だけでなく陰の気の魔方陣を同時に使ことで形作られているものでしょう?陰の気しか使えないはずのあなただけで作ったのですか?」


僕が少し疑問に思ったことを訪ねてみると


「ああその通りだこの魔方陣の制作には私も携わっている。」


振り向くと年の瀬15歳くらいだろうか色白でわりかし整った顔立ちをした女が立っていた。


「あなたは?」


私が訪ねると


「ああ紹介が遅れたなこいつは俺の助手のモーリンソンだ」


「誰がお前の助手だ!


「初めまして私はこの馬鹿と共同で研究を行っているモーリンソンという」


そう自己紹介をしてきたわたしも少し改まって


「はじめましてコーアレックスと申します」


と自己紹介をした今田は何度もひそかに練習した甲斐もあり棒読みになることなくしっかりやることができた。


「では早速なので魔方陣に力を流しこみましょうか陰の気の方はショーインさん?だけでたりますか?」


「ああショーインで合っている。多分足りると思うが流しすぎると互いの力が相殺されて余分な力が必要になるのでが流しすぎないでくれ。ではいくぞ」


「ハイ分かりました」


そういって力を流し始めるとショーインさんも同様に流し始めた朝の特訓で少しとはいえ力を使っている私はかなり震度あったがながし始めた。」


すると魔方陣が輝きだし徐々にではあるが生物の形が作られって行った。

しかし1,2分ほどたった後だろうかそれは突如として崩れあとに残ったのは謎の生物の死骸だけであった。


「はあはあはあ、すまない私の力が足りなかった」


「すみません私も力を入れすぎたかもしれません」


「いやそんなことはない君の制御は完ぺきだった。」


「そうよこの馬鹿がしくじっただけよ」


「そうですか」


そういうとシューインさんは疲れ切ったのか少し寝るといって机に突っ伏してしまった。

モーリンソンさんは生物の遺骸をかたずけると


「あの人が強引にごめんなさいね今日はもう疲れたでしょう」


そういうと私にお茶を入れてくれた。


「あの方も決して悪い人ではないんですけどね研究となるとちょっとねー」


そう喋る彼女はさながら夫のことをしゃべる妻のようであった。


「仲いいんですね」


「う~んまあ幼馴染ってやつなのよ」


少し赤くなった顔を背けて彼女はそういった。



私が部屋を出ると


「部長さん無茶なこと言ってきただろう止められなくてごめんな」


そう同じクラスのポークエットという子がしゃべりかけてきた

そのあとは彼とあたり触りのない会話をして寮に戻ったその足取りは疲れていたにもかかわらずいつもより軽く、心が軽くなったのが実感できたのだった。


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