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パルクールで聖女は王城を駆け回る・反抗する私が王子に懐くまで

掲載日:2020/06/08

異世界転移した少女は聖女だった!という話。 @ 短編その24


ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。


「聖女様!イブキ様!お待ちください!!」

「待てと言われて待つ奴はたわけだ!」


私は異世界転移とやらで、無理矢理この世界に連れて来られた 伊弉弥息吹(いざなぎ いぶき)、15歳の女子高生だ。

聖女と言われたが、よく分からん。

この国を救うって役目があるそうで、神にも許可を得て私を召抱えるために・・

そんな事知った事か!ただいま絶賛騎士達と徒競走中だ。


「拉致監禁した奴らのいうことをなぜ聞かんとならんのじゃ」

「拉致では無い。来て頂いたと言っておろうが!」


この声は・・・・

城の大廊下を走っていると、じわじわ追い付いて併走する影。


「あるはざあどおーじめ!誘拐犯の親玉が図々しく出てきたか!」

「だから誘拐犯では無いと・・・大人しく、し、ろ!」


あるはざあどは腕を私の腰に回し、クルーン。3回転してストップ。ふわりを私を床に下ろした。

そして恭しく片膝をつき、私の手を取る、


「イブキ様。お茶をご用意しました。ガーデンへ参りましょう」

「・・・ガーデンなら・・・ここからの方が近い!でやっ!」

「あ!」


私は王子の手を振り解き、目の前の窓から飛び降り、城の壁にいったん着地、そして駆け下りる。

ほぼ直角の壁を斜めに走り抜けて、大きな木に飛び、太い幹を蹴り、その反動でもう一度壁に移り・・・

そしてバラが咲き誇るガーデンまで来て、ピョーーーイ・・・大ジャンプをバレエダンサーの様な開脚で飛んで、くるんと空中回転、そして着地!体操選手的なポーズ!両手を天に、胸を逸らし、ビシッ!と立つ。

ふとみると、先ほど飛び出した窓から王子がこっちを見ているので、手の指をぴらぴらと動かして『着いたよ』と合図をした。王子は右手を額に当てて、『やれやれ』と言っている様な・・・いい気味だ。


私は日本人だが、イギリスに住んでいた。9歳の時に、父の転勤に家族でついて行ったのだ。

でも友達が出来ず、寂しく思っていたんだけど、近所のにーちゃん達が『パルクール』をやってたの。私は日本では体操教室に通ってて、バク転とかも平気で出来ていたから、それに混ざって。

そしたら友達も増えて、みんなからは『クノイチ』って呼ばれてさ。

あの日もみんなでパルクールで街を飛び回っていたんだけど、ピョーンと飛んだ瞬間・・・気がついたらここにいた。

そこは知らない場所だった。慌てて周りを見渡すけど、仲間の顔はどこにも無かった。


「あれ?ピート?ボブ兄?サディナ?みんな?どこ!」


知らない所に、しかも知らない人が私を取り囲んでいて、見たこともない服を纏っていて・・・

怖いもの知らずだった私だったけど、怖くて、寂しくて、大きな声で泣き叫んでしまった。

王子が私に駆け寄ってきて、何かを言っているけど、もう何がなんだか分からなくて、王子の胸をポカポカ叩いて、わあわあ泣いて・・・・気が付いたらベッドで寝ていた。



王子・・・アルハザード・・・ううん、あるはざあどで良いのよこんな奴。こいつが転移計画を企てたんだから。

呼び捨てよ、呼び捨て!不敬罪だろうが構うもんか!


王子がここに来た時には、私はもう飲み終わった後。


「ごちそうさま。もういくわね」


そう言って立とうとすると、頭をむんずと掴まれて、グイイィと押され、座らされた。縮む。


「まだここにいろ」


あるはざあどが怒っています。ふふふ。チミを怒らせる事が出来るのは、私だけ!

あるはざあどの分と私の分を、可愛い女中さんが注いでくれます。あー、良い香り。

本場イギリスのティーに負けないわよ、あなた。さすがお城の女中さんね。


「全く、君ときたら・・・今までこの世界にお越しになられた聖女様達と、なぜこうも違うのか」

「呼んだのがあなただったからではないですかねぇ〜〜、ひっひっひ、あたぁ」


チョップを喰らいました!!チョップ!!あるはざあど、すごく睨んでいます。何かっこいいわね。って違う!


「君が特別お転婆で、じゃじゃ馬なだけと思うがね?」


はあぁーーー・・大きく溜息を吐くだけなのに何この色気。

やはり王子はこういう存在か。髪もプラチナブロンドで、瞳はピジョンブラッド。かっこいい。

誘拐犯で好きではないが、美貌は褒める。イケメン死すべき。


「どうかな。こういう環境の方が、君も落ち着いて話を聞いてくれると思ってね」


バラが咲き乱れ、風で花びらが一枚、また一枚と舞う・・・綺麗だなー。

まあ、こんな素敵な場所ならちょっとは聞いてやらんでも無い。良きにはからえ、ってなもんよ。


「まずイブキ様をこの世界にお呼びしたのは、聖女の力が必要になったからだ」

「自力では立ち行かなかったのか、もう少し根性や努力は出来なかったのか。他所様、他力本願でしか無理なら縮小するとか、やめるとか」

「そんな事、やり尽くしたから頼らざるを得なかったのだ、だから君をここに招いて」

「いやいやいや、待て待て。普通は有無を言わさずでなく、『こんな事して欲しいんです。お礼はこれこれこの位出します。お願いですから来ていただけませんか?』って聞いて、オッケ〜してからじゃ無いのか!ここでは強引に連れてきて、仕事させるのは普通なのか!」

「普通ですね」

「え」


私はちょっとぽかーーーんとしちゃったよ!で、思い当たったよ!学校で習ったよ!

中世には奴隷とか、貧しい者を強引に連れてきて労働させてた国もあったって!

じゃあ何か?聖女とか言いつつ、奴隷扱いか?衣食住賄うんで働けと?

流石に私の世界的常識との違いにびっくりしたけど、これは無い!!


「おふざけになるのも大概にしてくださいませんかねぇ?やれと言われてハイハイいう訳ないだろうが!お前の世界が、どうなろうともこっちゃあ知ったこっちゃねーんだ!礼も尽さん輩に、なんでご親切にしてやらんといかんの?え?」


私が立ち上がって怒鳴るとは思っていなかった様で、あるはざあどは目を大きく見開いてキョトンとしている。キョトン可愛い。でも許さん。そう、許さない。本気で怒りが増してきた・・・


「今までの聖女様達は、進んでお力添えして頂けたのですが」

「・・・で。私、元の世界に帰れるの?」

「今までの聖女様は、皆ここの世界に残られて」

「私は帰る」


キッパリと言い切った私の返事に、あるはざあどは渋々答えた。


「・・・・・帰れません」


やっぱり。帰れないんだ・・・私の前に来た、大勢の聖女の思いが私の胸に込み上げてくる。


「・・・・・・聖女様達は、進んでやった訳では無いじゃん」

「え?」

「帰れないから、ここに居るには力を貸すしかなかっただけじゃん・・・酷いなぁ・・・可哀想に」


帰りたかっただろう。でもここで暮らしていくしかなかった。きっといっぱい泣いたんだろう。


「酷いな・・あんた達、最低!!自分達さえよけりゃ良いんだもんね!あんたなんか大っ嫌い!!」

「イブキ様」

「あんたにもここに生活拠点がある様に!私にだってあったんだって、分からない訳?馬鹿じゃないの?」


目が熱くなって、景色が滲んで・・クリアになった瞬間、涙が零れた。

ポタポタと、止まらなかった。

急に抱き締められて・・・あるはざあどだろう。知るか、もうあんたなんか知るか。嫌いだ。

抜け出そうともがくと、更に強く抱き締められるから、じっとした。腕を下に伸ばし、拳骨を握り締めた。

絶対に抱き付かない。こんな奴、頼りにしない。私はここでたったひとりだ。たったひとりの異世界人だ。


「イブキ様にして頂く事は、たったひとつ。この世界の浄化だ。浄化しなければいけない起点はその時代によって変わる。その起点に行って、浄化して頂く。この作業は10年以上掛かる。起点に行くまでに、2ヶ月近く掛かる事もある。長旅となるが、旅行気分で行っていただける様、取り計らっているから心配しなくて良い。過去の聖女様方も楽しんで頂いたようだ」


でも私は返事をしなかった。いやと言おうが、どうせやらせる気満々だろう。なら返事なんか、私の意思なんか言う必要ないじゃん?

もう私はあるはざあどの顔など見る気は無かった。だからギュッと目を瞑った。返事もするもんか。

意固地になった私を、王子は抱き抱えて部屋に連れて行って、椅子に座らせると部屋を出て行った。

私はそのまま、椅子から立ち上がる事もせず、まんじりとして・・・


女中さんが夕食の時間だと呼びに来るまで座っていた。

部屋は真っ暗で、女中さんはそれは驚いたが、私は返事をしなかった。ただ首を横に振り、いらないと伝えた。


次の日も、その次の日も、私は椅子から立たなかった。まあ、トイレには行ったけど。

女中さんが水差しとフルーツ、そしてパンを置いていったのを少し食べた。

夜寝る時も椅子から立たないのが3日目。


「いい加減にしろ!」


あるはざあどが部屋に入ってきて、私を米俵を担ぐように肩に乗せ、乱暴に歩いて行く。

そして湯の熱と湯気を感じて、風呂だと分かる。


「臭くなっているから入れ」


私を雑に降ろして、あるはざあどは出て行った。

女中さん達がお風呂に入るのを手伝ってくれたけど、いらないと断ってひとりで入った。

私はひとりだ。

たったひとりなのだ。

この世界に、私と同じ世界の、同じ時間を生きている人はいないのだ。




好む好まぬ関係無しで、聖女の教育が始まった。

字は読めた。不思議。

聖女の浄化の儀式の方法、段取り、形式的な作法と色々あったが、それほど苦労せずに覚えられた。

あとは実技を何度か行ってから、最初の起点に行くそうだ。

最初の起点は、馬車で1ヶ月掛かるそうだ。



今までの聖女の記録や日記が残されていて、授業の合間に見ることが出来た。

日本語に近い文字もあったが、筆の様なクネクネした文で、何が書かれているのか分からなかった。

これよりは英語の文の方が分かりやすかった。

その日記には、これといってこの世界に対しての不満は書かれていなかった。

まあ英語だし、この世界はヨーロッパの中世に似ている。違和感は殆んど無かっただろう。

でも筆クネクネの日本人は、江戸時代の人だったのかな?だとしたら、西洋文化的な建物や服に違和感を感じたかもしれない。その聖女は何を思っただろう。



私はあの日以来、あるはざあどと口を聞いていないし、向こうも近寄って来ない。

それでいい。

視線を合わす事もしないし、気配がしたら目を瞑ってる。

もうこれは意地だ。

帰せない事を知っていて、私をここに呼んだのだ。

私に嫌われ、無視されるのは当たり前だ。まあ私が嫌っていようが、大したダメージにはならないだろうけど。


食事もフルーツやパン程度しかとらないので、心配した女中さんがスムージーやスープを用意してくれた。

親切な彼女達には、礼を言って飲んだ。作ってくれたコックにも伝えてくれと言うと、嬉しそうにした。

彼女達に申し訳ないから、食事や身の回りをしてくれる人には挨拶をする様にした。

食事は部屋でとる。これだけは譲らなかった。




明日、お披露目パーティーがあるからドレスを着ろと言われた。

見せ物になれという事か。


「やだね。誰が着るか」


私はとん、と窓を蹴って外に飛び出した。


今も私は椅子で夜を明かしている。この世界のベッドには絶対に寝ない。

あの部屋で私が『居てやってもいい』場所は、あるはざあどが私を降ろした椅子だけだ。

だから意地でも、その椅子以外は身体を休めない。

多分あいつはそれを知っている。でも何も言って来ない。勝手にしろと怒っているのだろう。

何を勝手な。怒っているのは私の方だ。

自分もいきなり知らない世界に無理やり連れて行かれ、『これこれをやって』と言われてみやがれ。

国の為、世界の為という大儀だろうが、私の知った事か。

その大義の為ならば、私ひとりが犠牲になっても仕方が無い、そういう事だろう。

やっている事は、昔の人が橋を作る時に『川の水に流されません様に』と、人を橋脚に括り付けてお祈りをする『人身御供』と同じだ。すぐ死ぬか、そのうち死ぬかの違いだ。


とん、とんと王城の石組みを跳び、そして大ジャンプ!下には森が見える。あの大木の枝に飛びつこう。

両手を伸ばしたその時、


「全く・・・強情だな、君は」


ふわりと浮いて、体が上昇する。というか、抱えられている。

上を見ると、あるはざあどが物凄く怖い顔で私を見下ろしている。彼は・・・浮いていた。

浮遊の魔法か!漫画やアニメでよく見た術が使えるとか。王城の城壁の人渡りに着地、私も下された。

ああ、脱走犯だよ。殴ればいいじゃん。殺せば?もう帰れないんだ、どうでもしろよ。

私はまた目を瞑り、あいつを見ない。どうやら私の目の前に立っている様だ。


「目を開けろ」


返事などしてやるものか。


「まだ君は椅子で休んでいるのか。どうしてベッドで寝ない」


あんたがそこに降ろしたからだよ。


「食事もきちんと摂っていない、部屋で食べているようだが、あの量は少ないだろう」


心配しているとか。はは。笑っちゃうね。王子様のポーズかな?


「痩せて、頬が痩けている。・・・もう、いい加減にしたらどうだ」


煩い。ウザい。私を気にするな。何か言わないと此処から離れないんだな。


「死ね。クズが」


どうだ、不敬罪だ。私をとっとと殺すがいい。


「あははははは!!!全く、君は強情な子だな!もう丁寧に扱うのは止める」


笑った?びっくりする間も無く抱き上げられ、また体がふわりと浮いた。

私の部屋の窓から入り、私をぽーーんとベッドに放り投げた。

そして机と椅子を部屋の外に出し、此処で食べれられない様にした。ついでに椅子で休む事も出来なくなった。


「これで、私と食事をする事が出来るな!さあ、次は風呂に行こう!また臭くなっているぞ!」


ベッドから私を引っ捕まえ、小脇に抱えて風呂場に行く。通りすがりの女中に、着替えを持って来いと指示をして・・・


ようやく床に下ろして立たされた。お腹をぎゅうぎゅう持って歩くから、お腹がちょっと痛い。

すると服を手早く脱がされ、バスルームに入れられた。

目を開けると、いつものバスルームじゃ無い・・・温泉というか銭湯の様に広い湯船だ。

ガラッと引き戸が閉まった音に、振り返るとあるはざあどが立っていた。

え?肌色だね?さっきは蒼い貴族コートだったよね?うわ、そこは見ない見ない!!

あーー頑張った、私の目線!!肌色しか感知しなかったわーー!!

という事は・・・私も裸じゃーーーん!!!ぎゃあーーーー!!!


「さっさと入れ。身体を洗ってやる」

「ぎゃあああ」

「喧しい。じっとしてろ。此処は目を瞑って黙っている場面だぞ」

「えっちーーー!!」

「なんだそれは」


えっち通じないーーー!!

あれよあれよとあいつに抱えられ、身体を海綿スポンジでゴシゴシ洗われてしまった。

シャンプーまで?いやこれは自分でやりますって、やりますって!!

ぎゃあーーー!!今気づいたけど、丸見えですよね?私、すっかり見られて、触られてますよ?


「ガリガリになるところだったな。もう少し肉をつけろ」


どこ見て言ってるんですか、ゴラァ!ぎゃ、ぎゃあ!!指でなぞるな!!擽った、い・・


「きゃ、ん・・」

「ふうん?そんな声出すんだ?」


ぎょ?王子様ですよね?王子様なんだから!!手を出すとかしませんよね??


「くふふ。可愛いな、顔が真っ赤だ」


ぎゃあああ、やめれーー!!!みゃあああ、だめええ!!!


「知っているか?王族と聖女は同格だから、娶る事が出来るんだぞ?」


あるはざあどがにっこりと微笑んだ。何を言ってるのかな?娶るって?

へ?え?は?こ、こら、何処触って、ちょ、ちょっと!!




今私はバスローブを纏っています。やっとお風呂から出してもらえました。

・・・・色々触られた・・・お嫁に行けないよぅ・・・物凄くええ笑顔で、何するんだよぅ・・・


「ははは!こうすれば大人しくなるのか!明日も一緒に入浴するぞ!」

「やだーー!!馬鹿ーーー!!うわあぁん」

「うん、可愛い可愛い」


誰か止めろよ!!何をニヤニヤしてるんだ、警護の騎士!!女中さん達も!!言ってやってよ!!この不埒者に!!

まだ15歳なんだぞーー!!私の世界では犯罪なんだよ〜〜〜!!


「あるはざあど、年いつなの」

「年齢?18だが。どうかしたか?」

「ふ、老けてるなーーって。25くらいかと思った、いたたた」


お尻抓った!!エッチ!!

今あるはざあどにお姫様抱っこされて部屋に戻る途中。器用に抓ったな、こんにゃろ〜・・・


「漸く話をしてくれる様になったか。やはり裸の付き合いは気易くなるものだな、くふふ」


あ。いっぱい喋っちゃった、というより絶叫してただけだけど!

ん?あるはざあど、何よ・・目を細めて、優しく微笑んじゃってさ。私はまだ懐柔されていませんから!


「15歳の女の子にこんなことしたら、私の世界では犯罪なんだぞーー!!」

「この世界では、(おなご)は5歳くらいから婚姻する。下手したら赤ん坊のまま貰われる事もあるが」


なんだとーーーー!!かなりショックだよ!!


「まあ平民は普通15歳くらいからだな」


それでも私も結婚出来る年齢だったーーーー!!!


「イブキ様は、行くところもないのだから、私に貰われればいい」

「え」


本気か?あ。そうか。此処の世界は、王様とか金持っている貴族とかは、愛人とか側室とかいるんだっけ。

私に側室枠を与えると。私が生活に困らない様に考えてると?


「私の世界では、好きな人と結婚するもんなのよ。だからお断り」


まあ私の世界でも、政治的な婚姻やお見合いがあるけどね。そこは内緒。

聖女の役目は10年くらいかかるとか。10年後なら25歳。よし、まだまだイケる。

その間に好きな人見つけて、ここで暮らす為の何かを覚えよう。うん、人生決まった。


「私を好きになれば良かろう?」

「王子じゃん。私はお妃なんて面倒臭そうだからやだ」

「面倒か。くふふ・・・確かに、イブキ様は上品に過ごせませんからな」

「ふん。そういうこった。悪うございましたね」


あるはざあどが苦笑するけど、本当だからね。

よく小説とかであるじゃない?お妃教育で、小さい頃からやっているじゃない?

もう15歳の私がお妃教育なんか無理。まだ魔法使いになれって言われた方が頑張れる。



そして翌日。

パーティーのためのドレス、いつの間に作ってたんだ?しかもサイズぴったり!!

うわーー、生地がつやつやつるつる〜!こんなにドレープがたっぷり!クルクル回ると、きゃーー!!

ちょっと楽しくて、いやかなり楽しい。クルクル回って、ドレスが綺麗に広がって、お姫様みたい!

体操クラブにいた時、演技の練習でバレエもあって、足をアンドゥトロワ〜ってステップ。


「イブキ様、そろそろ行きますよ」


あるはざあどが迎えに来た。

じゃあ行くか。客にお愛想振り撒いて、見せ物になりに行くか。

あるはざあどの手に自分の手を添えると、彼は親指と掌で挟む様にして、そっと私を引くようにして進む。


大ホールには大勢の人がいて、私とあるはざあどは礼をして、いざ!!


誰だか分からない人達に軽く会釈して行くが、流れ作業の様で全く顔なぞ覚えられない。

ただ、ひげが金色だとか、めっちゃツルツルな頭とか、背が私よりちっこい人とかは名前を覚えた。

頭ツルツルの人の名が、ピカーレ侯爵って・・・笑い死にしそうになりました。


そしてダンスのお時間。私は踊れないから貴賓席に下がろうとしたら、綺麗なお嬢さんがこちらに来た。


「聖女様は踊らないのですか?是非見たいです!」


あれ?私の世界ではダンスなんかしないし、出来ないって言っておいたよね?

あるはざあどをちらと見ると困った様子、予定外って顔をしていた。そうかそうか。これは貴族的虐めか?

そうかそうか。虐めたいか。私が恥を描くのが見たいか。

私はひとりでホール中央に躍り出た。慌てて来ようとしたあるはざあどに、来るなと手で制した。

そして靴を蹴り飛ばして脱いで、ルティレ。さあ、こい。バリアシオンだよ。


昔取った杵柄、バレエを踊ったのだ。でもなんちゃってバレエだ。忘れてる部分多いし。

曲が始まって、パ・ドゥ・シャ、ソテ、マネージュ、スーブルソー。トゥール・アンレールからのピルエット。たまにアティテュード、シェネ。知ってる動きを適当に並べただけだけど、なんか踊っている感でてるでしょ。

このドレスがまた良いんだ。ドレープがフワッと広がって、綺麗で、楽しくなっちゃって!

見て見て!このドレス、素敵でしょう?なダンスになった。そして曲が終わり、私はお辞儀をして、終了。

うわ!すごい拍手!!やかましっ!!煩い!!

私は靴を拾ってくれた警護の騎士さんから受け取り、あるはざあどの所に戻った。

あれ?あるはざあど、怒ってる?ああ、私ひとりで踊って、置いてっちゃったからか!

でも普通のダンスは踊れないもんね、私。と思っていたら、


「それだけ運動神経良いなら、ダンスくらい覚えるだろう?練習がてら踊るよ」

「えー」

「さあ、ここで良いだろう?」


ホールの隅っこに行って、向かい合う。え、ここ?まあ下手だし。教わっておくのも良いね。


「ういす、よろしくっす」

「変な挨拶はよせ。行くぞ」


曲が始まり、ステップ。ワルツという簡単なダンスだそうで。なんかフォークダンスを思い出した。

でも、なんでこんなに接近、ちょっと・・あるはざあど、近っ!胸が当たる!!背中の手も、なんか押すし。


「あるはざあど、ねえ」

「ん?」

「近い」

「こういうものだ」


こういうものなのかーー・・・周りを見ると・・・あれ?


「こんなに寄ってないよ?他の人達」

「黙っているんだ。ダンス中は喋るんじゃない」

「むぅ・・・」



こうして、なんだかんだでお披露目パーティーは終わり、さあお風呂・・・って思ったら・・・


「入るぞ」


あるはざあどーーーー!!ちょっと!!何当たり前に入ってくるの!!

きゃあーーー!!隠して、隠してったら、あ!私も隠してない、きゃああ!!


「落ち着け。汗かいただろう?ほら、洗ってやるから」

「ぎゃああああ、やーめぇーてぇえーー・・」

「こら暴れるな」

「やーだぁーーー・・えぐっ、うええええぇ・・・えぐっ」


ついにマジ泣きてしまった。そしたらあるはざあど、抱きしめてくれて・・・って!!あんた裸やん!!


「バカーーー!変態ーーー!!エッチーーー!!」

「だからエッチってどういう意味なんだ」

「好色ーーーー!!」

「あ、そういう・・・良いじゃないか。そのうち私の妻にするんだから」

「私がいつ承諾したーーー!!」

「そう?じゃ、既成事実「バカーーー!!王子でしょ、何考えてるのよーーー!!」

「女にうつつを抜かして傾国させた王もいるんだ、私は真面だから安心しろ」

「既に真面じゃないじゃん!!」

「ほら。じっとしていろ」


また洗われた。王子様に。この国の嫡男に。後取りに。ひえっ・・・恐れ多い。

悔しいので、私もあるはざあどの髪を洗ってやった!髪をツンツン立てて、変な髪型にしてやった。


ああ・・また裸を見られた・・私も見てやったがな!!でも殺傷能力が高過ぎ・・・やだーー!

こう考えよう!ここは混浴だと!・・・・だからなんだってんだよぉ〜〜・・恥ずかしいよぉ・・・

ふと正気に戻った私は、自分の体を見る。

胸、ぺたんこ。そしてストーンとした腰。幼児体型ではないけど、女性的な体じゃないね。

だからあるはざあども平気で風呂に入ってくるし、体も洗えちゃうんだよね。うん。

つまり、妹枠であると!!そういう事にしよう!!





いよいよ聖女の術の練習というか、実技が始まった。

まず体の血液に魔力を合わせ、それを身体中に巡らせる。

身体中に循環し、魔力が体を覆って、力が増すのを感じたら、術を唱えながら、力を練り上げる。

術と力を凝縮し、それを開放する。

というのが一連の作業だ。大体30〜1時間位かかる。

まだ慣れていないから、何度もやって時間を短縮するのがこの練習の目的だ。

慣れた聖女だと、10分くらいで出来たらしい。まあこの方は、歴代トップの力をお持ちだったとか。


「目標30分だね。頑張ろうっと」


あるはざあどと聖者2人、騎士が3人が一緒にいる。


「気楽にしてやるといい」


彼はニコッと笑っている。

2度と口をきくもんか、顔も見てやらないと思っていたのに、いつの間にか裸のお付き合いですよ。

ババンババンバンバン、ハァ〜ビバノンノンですよ。お父さんの口癖でした。お風呂入ると歌うの。

一緒にお風呂入るけど、私にはエロさが微塵も無い事が分かった。それはそれでムカつく。

悪かったわね、胸ペタンコで・・・私は気がついているんだよ。あるはざあどの視線が胸で止まった事。


なんか聖女の役目をやる気になったというか、あるはざあどに押し切られたというか・・・

ま、人の役に立つし。帰れないならやるしか無いというか。役目終わったらお金貰って生きるか。

まだ私15歳だから、やり直しも効くし、とにかくやってやろうという考えに至った。



「フゥ・・・」

「48分かかったな。初めてにしては上出来だ」

「術もきちんと完成しています。最初で完成はいい調子です」

「やはり血と魔力を巡らすのが時間掛かるようですね」


あるはざあどと聖者さん達が結果を見て何か話しているが、私はもう疲れてしまったので、ゆっくりと座って・・・気を失った。




「イブキ、大丈夫か」

「・・・眠い」

「ゆっくりと休め。初めてにしては上出来だったそうだぞ」


あるはざあどが頭を撫でてくれている。もう外は暗い。あの時たしか・・昼2時だっけ?

心配させちゃったなぁ・・・なんか苦しそうな表情だよ、あるはざあどのせいじゃ無いよ。


ここに来て、もうすぐ半年になるんだなぁ。


ん?いつの間にか『イブキ』って呼び捨てになってる。

様呼びよりもこっちの方がいいや・・・つまり、私達は仲良しになったって事なんだね。





大きな起点の浄化以外にも、私がいるだけで勝手にやっている事がある。

冷蔵庫の中の活性炭みたいな事。周りの浄化だそうだ。

私がいると、魔物が出にくくなるそうだ。おお、役立ってる!タダ飯喰らいでないからちょっとホッとした。



次の日は倒れなかった。時間も2分短縮した。


3回目は39分。



そして15回目に2回浄化出来るようになって。



遂に浄化の旅が始まった。


本当に旅行気分だった。いいのかそれで、と思った。


どこに行っても歓迎され、お祭り騒ぎで。面倒だけど。


私は・・・それではいけないんじゃないかと思った。

でも私達が来るというイベントは、色んな催しで村おこしや町おこしになると、あるはざあどは言う。

なるほど。

それで少しは活性化して、潤えばいいんだね。

ついでにみんなと楽しめれば良いのか。それ良いね。





旅をするようになってからは、あるはざあどとはお風呂に入らなくなった。

私は16になったし、城ならまだ理解があるけど、ねえ。



あるはざあどが旅についてこなくなったのはこの頃からだった。

だんだん一緒に行く回数が減って・・・




そして私は18になった。

最近は、あるはざあどは旅に全くついて来なくなった。

城のお仕事が忙しいんだ、そう思っていた。




城に帰ったら、あるはざあどは何処かのお姫様と婚約するんだって。


ああ、王子様だもんね。



今は帰ってから一度も顔を合わさなくなっている。忙しいので合わせられないと断られた。

だから、私はさっさと次の旅の用意をして、城を出た。






こうして旅を回数多くこなした結果、後3つで浄化は終わると告げられた。

私は20になっていた。

そろそろお城を出て、自分で生きていく方法を考えるべき時が来た。



あるはざあるとは、もう2年近く話をしていない。

婚約の話を聞いたあの日からだ。

それに・・・話に来ないし。というか来れないし。


城からかなり離れた所に古城があって、そこに浄化作戦用の本部も資材も移したので、わざわざ城に行かなくて良くなったからだ。古城の方が各地方に向かう街道が近いからだ。

城で何が起こっているか、私は全く知らないし、知る気もない。知りたくもない。




「最後の浄化完了しました」


私は国王陛下に、完了を知らせるための先触れを送った。

10年掛かると言われた浄化を、私は5年程度で完了させた。


・・・城に帰りたく無いな。そうだね、ここらでおさらばといきますか。

帰ったらお祭り騒ぎになるのが面倒だ。ううん、会いたくない。

あるはざあどが他の人と幸せになっているなんて、知りたくもない。




逃走・・・私はこの日の為に、色々用意をしてきた。


魔法を覚えた。

ギルドに加入して、 Cランク冒険者になっている。

お金もコツコツ貯えた。死ぬまで食える程度の金はある。

そして、静かに暮らすための家も用意した。


私は夜中こっそりと起きて、用意した平民の服を着て、カツラをかぶって、男装をした。


さようなら。

私は闇夜に紛れて枝に飛びつく。反動をつけ、目の前の枝に、そして次の枝に、そして、そして・・・







アルハザード王子の焦燥  *************************



『聖女様が失踪した』


この情報は今の所極秘となっていて、失踪して既に1ヶ月が過ぎようとしていた。


「イブキ・・・」


私は過密な執務で、今だ探しに行くことが出来なかった。


イブキと最後にあったのはいつだった?


きっかけは浄化作戦に慣れてきた頃だった。イブキが16歳だったか?


「もうイブキ様についていかれなくても良いでしょう」


確かに宰相が言うのは最もだ。

最近父上・・陛下の具合が悪くなって、執務が滞り始めていた。


執務の為に、イブキについて行く事が出来なくなってしまった。



ところがイブキが帰ってきた事を、帰ってきていた事を、誰も私に教えなくなっていた。

気が付くと、既にイブキは城を出た後だったとかが続いたのだ。


まあ次に帰ってきたら・・・・そう思ったのは何度あった?


忙しさに感け、気がついたら2年経っていて。


今年こそ誕生プレゼントを渡そう。

用意をしてイブキが帰るのを待っていたのだが、知らないうちに私が誰かと婚約という噂が流れた。


丁度イブキが帰っていると聞いたが、その噂の出所を調べていたので、今日のうちに終わらせて明日には会おうと思っていた。

ところが、翌日朝早くイブキは出て行ってしまったと知らされた。


その時は思い付きもしなかったが、数日経って確信した。彼女は婚約騒ぎを聞いたのだと。


更に父上の容態がどんどん悪くなり、私は執務に追われ・・・


イブキが帰った知らせが私の所に届かなかったのは、婚約を企てた者達が連絡を止めていたからだ。

私がイブキを気に入っていて、正妃にする気だった事を知り、妨害していたのだ。

彼らを排除したので、これからは分かるだろう、そう思っていたら・・・


知らないうちに!!また知らないうちにだ!!

浄化作戦の本部は古城に移っていて、どこを浄化しに行ったか、いつ帰ってきたのか、全く知らされない状態に陥っていた。



そのうちイブキは、わざわざ城に戻るのは面倒だと言い、何処かの街で物資を受け取り、そのまま浄化の旅に向かうという流れにしてしまっていた。それさえ私は知らなかったし、教えても貰えなかった。


何故なら、イブキが言うなと命じたからだそうだ。私を煩わすなと。



あいつは強情で、頑固だ。会わないと決めたら絶対に会わない。

流石に討伐完了の報告に帰ってくるだろう、そう思っていたら・・・



「聖女様が失踪してしまいました!」


早馬を駆け、護衛の騎士が城に報告に来たのだ。


ああ・・・また彼女は逃げて行ってしまった。呆然とする私に追い討ちが続く。


「殿下!お父上が!早くお越しください!」


王子である私はこの瞬間、不躾な考えを回らせた。『やっと死ぬか。さっさと逝け』と。


私が浄化作戦を立案したのは、魔障で体調を崩す民が多くなったからだ。

王も具合を悪くして寝込むようになっていた。苦しむ皆の為になるならと・・・

浄化作戦を実行する為に、50年ぶりに聖女を召喚することにしたのだ。


やってきた聖女はまだ少女で、だが弾丸の様に元気で、怒りを顕にして、私に食ってかかってきた。

私は分かっていなかった。我が世界の安寧ばかり考え、彼女の人生を潰した事を。

親しい人々から引き離し、そして帰る手段など無い。それどころか『浄化しろ』と押し付けるのだ。

やりたいと言ったわけでは無い。強引に召喚した彼女に、人の命に関わる責務を強要したのだ。


だから彼女の反抗は当然だ。だが逃げ出そうとして、私を無視し、口も訊かなくて、椅子で体を休め、食も殆ど取らず・・・このままでは死んでしまう、だから連れ出したら・・臭い。

風呂に入れ体を洗ったら、彼女の髪が綺麗な濡羽色なのに、初めて気が付いた。


2度目の風呂に入る時、あまりに暴れるので、風呂に入った。・・・私も一緒に。かなり迂闊な行動だった。

今までイブキを弟扱いしていたのだ。余りにも暴れん坊だったから。

そしたら・・・うん。ちゃんと女の子だったよ。でも胸がぺったんこだったしね?弟返上で妹に昇格。




なんだかんだあって、ようやく話す様になって、一緒に食事をする様になって、練習にも付き合って、浄化の旅にも共に行き・・ずっと見守って来た。

イブキの笑顔が、本当に可愛くて。本気で妻にしようと思っていたのだ。



今イブキは20歳になった。私の記憶では、16歳半ばの彼女の姿で止まっている。


ああ、何もかもが煩わしい。イブキに会いたい。




*************************************




「見つけたぞ」


見つかっちゃった。


「どうやって?」


私は聞いた。だって、逃げるのも用意周到だったんだ、痕跡を消すのも念入りだったんだよ?


「う〜〜ん・・・愛の力、か?」

「ひっ」


あるはざあどがしれっと言った!!

私の体が、熱い!ピンクに茹っているに違いない。まあ私の世界でも『愛は地球を救う』と言ってたし。


「おお、子供の体温は高いと言うが、本当だな。熱いくらいだ」

「何を〜〜!!その子供とお風呂に入って、おっきくしてたのは誰だーー!!」

「あ・・・バレてたか。しまったな・・」


私達は顔を赤くした。私は体まで赤いけど。手がすっごく赤いからね!!


「で、どうやって?」

「暗部に調べさせた。最強の隠密集団だからね」

「うわーー・・逃げられませんな」

「当然だ。暗部は国王にしか扱えないからな」

「と言うことは・・・王様は」

「崩御した。ここまでは情報が流れていない様だな」

「そっか。あの人はもう末期まで汚染されていたから、治せなかったもん」

「良いんだ。暗部をやっと私が指示出来る様になったからな」

「そうだ・・・婚約者はどうなったの?」

「いないよ。あれは情報操作だ。婚約するって噂を流して、私に圧をかけようとした」

「・・・そうだったの?」

「イブキ。なんで戻っても会いに来なかった」

「・・・会わせてもらえなかったから」

「やはりか。私には帰って来たという情報さえ来なかったからな」


そいう事なのか!あいつらのせいで、私達は大迷惑だったよ!


「そうだったの・・・婚約をしたから、会うのを避けたんだと思ってた」

「お前ったら浄化、完了しても戻ってこないし」

「だって面倒だったから」


ふたりでゆっくりそこら辺を歩きながら話すけど・・・何年ぶりだろう?

あるはざあど、なんか更にカッコよくなってる。王様になった貫禄もついたのか、増し増し。


「そうだ。あるはざあど、23歳だっけ」

「お前は20歳だったな。成長したか?」


視線が胸で止まった。んがっ!!


「バカーーー!!」

「ははは!少しは成長したようだな!!」


急にあるはざあどの両腕が伸びて、ギュッと抱きしめられた。


「捕まえた」

「捕まってしまった・・」

「行こうか」


そしてあるはざあどは地面を強く蹴って、私ごと空中に浮いて、加速した。


「城に戻ったら、お妃教育を始めるからな」

「え」

「今は喪中だから、丁度良い。頑張れよ、奥方殿」

「ひゃああ」

「ま、帰ったら、汗を流すか!久しぶりに一緒にどうだ?」


あ。これは冷やかすつもりだな?ふふふ、こんなの冗談とあしらってやる。


「良いわよ。あるはざあどの背中も洗ってあげるわよ!」


あれ?黙っちゃった。ん?なんか表情が・・・あれぇ?


「言質とったぞ!!絶対に入るからな!!」


そして、あるはざあどは更に加速したのでした。




反抗しても、逃げても、結局あるはざあどの所に戻されちゃうんだ。


仕方がない、ここで暮らそう。私は面倒が嫌いだ。


「そろそろアルハザードと呼んでくれないか?」

「うん、もういっそ、『ある』で良い?」

「くふふ、良いぞ」



城はもう目の前。ふふふ・・私の胸がDに成長してる事に驚くが良い!!

きっと喜ぶだろうな、とか思いながら空を飛ぶ、私と『ある』だった。



ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。

どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。


pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。

https://www.pixiv.net/users/476191

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