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アクアリウムデート

作者: そらひま

目当てのものでも見つけたのだろう

いきなり走り出す彼女を見失わないように追いかける

無口なのにすぐ顔に出る愛しい彼女の今の顔は見えない

が、おそらくキラキラと目を輝かせ、目標から目をそらさず一直線に向かっている

ちょうど待ち合わせで自分を見つけた時のように

思い出して思わず顔がほころぶ

それと同時に、あの可愛らしい顔をたとえ魚だろうと他のものに向けているのは少し不満だ

自分以外に夢中になるとはどんなに可愛らしいものを見ているんだ

立ち止まる彼女の隣に立つと、目の前には大きなマンタ

なるほどこれは仕方がない

自分も目をそらすことができぬほどの迫力と存在感だ

「これ、私のお気に入りなの!!」

いきなり話しかけてくる彼女の目は想像通りの煌めきだ

「だから、見て欲しかった!」

心底嬉しいと笑う彼女が可愛すぎて、キスしなかったことをあとで褒めてもらおう


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