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7・絨毯。

 今日もまた空飛ぶ絨毯の客にされている。

一人での外出は禁じられてるそうでオレは見張りで子守で護衛だな。

もっとも護衛は必要無いくらいのヤツだ。

暴走しないように文句を言うくらいが関の山ってヤツだな。


「瞬間移動も出来るけど一度は行ったことのある場所で無いと無理なんだ。

だけどオレって歩けるけど幼児だからねぇ。

空飛ぶ絨毯で飛んでいけばラクチンで有り難いよ。

『魔王さん』には感謝感謝だね」


ラクチンって言うな! 

このスピードでぶっ飛んで行くなんて生きた心地がしねぇゾ! 

だから! もっと低く飛んでくれよ! 

落ちないって分かってても怖いのにかわりないんだ! 


「低い方がもっとスピードを感じちゃうと思うんだけどな。

あんまり低いと隠蔽の効果があっても敏感な人だと分かるみたいなんだ。

遠くを見てるといいよ。

そのほうが楽だってケンジ兄ちゃんも言ってたし」


確かに遠くを見てるとスピードが速くても楽みたいだな。

だけどさっきから追いかけてくるでっかい鷹だか鷲だか区別のつかないアレ

どうするんだ? 

隠蔽なんか気にも止めてない感じだゾ! 


「あー・・アイツこの前も追いかけてきたよねぇ。

意外とレベルが高いのかな? 

この絨毯の隠蔽ってレベルの高いヤツには効かないみたいなんだよね。

ちょっとからかって見ようかな。(笑。)」


オレは止めたんだ。

どこからどう見ても魔物な鳥だったもんな。

でもアリィは気にしてなかった。

前になり後ろになり上になり下になり散々からかった挙句軽く攻撃したうえで

振り切って逃げた。

・・・なんでやっつけちまわなかったんだ? 


「えーと・・なんていうか遊んでもらったのにヤっちまったらかわいそうって

思っちゃったんだよ。

魔物だけど飛べる楽しさが分かってる感じがしたんだ。

退治の依頼を受けてもいないしね」


はぁ・・魔物は魔物でしかないと思うんだけどなぁ。

コイツならドラゴンとでも遊びかねない気がする。

・・ああ・・でもソレばかりは無いか・・

前世はドラゴンにヤラレたって話だからな。


そんなことを思っていたら突然ガクンと高度が落ちた。

えっ? 


「あちゃあ・・ちょっと調子に乗り過ぎちゃったよ。

次の街までは持つと思ったんだけどなぁ。

これじゃあ今夜は野営かなぁ。」


オイ! お前魔力は上がってたんじゃあないのか? 

こんな所で野営なんてごめんだぞ! 

下には大きな森が広がっている。

この森を抜けた所が目的の街だったんだが・・・


「ちょっと空き地みたいな所があったからあそこに下ろすよ。

この絨毯の上に居れば結界の中ってことになるから余程の魔物が来ない限り

大丈夫だよ。

後はよろしくねぇ。」


下ろした途端アリィはひっくり返った。

・・落ちたか・・

まったく調子に乗りやがって・・

オカゲでオレまでこんな森の中で夜明かしか。


マジックバッグから毛布と枕を出してアリィに掛けてやる。

魔力切れなだけだから心配はいらんだろう。

案の定真夜中に目覚めて腹が減ったと騒いだ。

そうして喰うだけ喰ったらまた寝てしまった。

コイツは不安なんて感じないのかねぇ? 


一晩中絨毯の周りに魔物どもがたむろってたんだけどなぁ。

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