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6・魔剣。

 オレは高いところでも平気だと思っていた。

勇者・ケンジの「空飛ぶ絨毯じゅうたん」の乗せられるまでは! 


城より高い所をとんでもない速さでぶっ飛んでいくなんて竜に乗るのと

ドコが違うんだろう……

しかも狭そうに見えたのに詰めれば五十人くらいは乗れるだなんて。


制作者は「魔王さん」と呼ばれていた。

魔法は使えないそうなのだが印象はアダナ通り「魔王」だよなぁ。

でも連れてきたのはケンジの師匠だっていう勇者だったし……


アリィはその「魔王さん」からアイツでも飛ばせる空飛ぶ絨毯をもらった。

どうやら気に入られたようでオレなんかが見たらガラクタにしか見えない

山のような魔道具までもらっていた。


「有り難うございます。

でもオレ、お礼が何もできないんですけど」


「なぁに、気にするようなコトじゃあないさ。

あんまり魔道具を溜め込んでると勇者の奥方がうるさくてな。

貰ってくれると有り難いんだよ。

勇者の弟子どもにも色々渡してるから気にしなくていい。

気に入って使ってくれるならそれで良いんだよ」


ふぅ~ん、この「魔王さん」って凝り性な職人みたいだな。

まあ、変な魔道具ばっかりに見えたから儲かってるようには見えないけど。


師匠な勇者はアリィが前世で使ってたというまともに見るのも怖いような剣を

渡していた。

邪龍を縫い止めていたというアリィの剣。

アリィはさっさとアイテムボックスの中にしまい込んだ。


ソレって使えないよな……まだ。

使えるようになるのはいつだろう。

もっとも使うような事態はそうそう起きないだろうけど。


「元はタダの数打ちの剣なんだよ。

世話になってた孤児院の院長が勇者認定されたときに餞別にくれたんだ。

前世じゃあアイテムボックスの魔法は使えなかったからアレが最後の武器だった。


なんとか邪龍に突き立てたんだけどオレはブレス一発でお陀仏だった。

ケンジ兄ちゃんの師匠さんが始末するまで邪竜の魔力にさらされてたからね。

色々調整してくれたって言ってたけどどう見ても『魔剣』だよねぇ。

よくまあココの世界に持ち込み許可が出たもんだよ」


なんだってそんなアブナイ代物を……

内緒にしとけよ! 内緒に! 

そんなモノ・・持ってるだけで危険を引き寄せるかもしれないからな! 


「大丈夫だよ。

あの師匠さんは神様方にも一目置かれてるそうだから抜かりは無いと思うよ。

万が一あっても転移も出来るし絨毯も貰ったからね。

逃げる手には困らないよ。

ギルさん、心配性だなぁ」


なんとでも言え! 

オレはあの剣を見ただけで動けなかった。

多分オレだけじゃあないだろう。

だからこそ余計な「危険」が寄ってきそうな気がしたんだ。


気のせい……だといいんだがな。

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