12・ゴブリンキング。
階層ボスと戦わされている。三度も。
ボス部屋の向こうにあった帰還用の転移陣で一階まで戻ってそのままアリーに転移
してもらう。
さっきのボス部屋の前まで。
そうして三回目で勇者・ガングのオッケーが出た。
「赤と青の二種類だけみたいだな。
以前のスライムのボスは灰色っぽいヤツだった。
毎回同じだったんだ。
今回は色が変わる仕様みたいだな」
最初が赤、次が青で三度目は赤だった。
色に何か意味があったのか?
「属性とかは特になかったみたいだが・・回復力が少し青の方が上かな。
まあ、大した差じゃあないが」
なので先へ進んだ。
六階からはゴブリンだった。
以前はそれほど種類はなかったそうだけど次から次へと色んな種類が出て来て
面倒くさいことこの上なかった。
アーチャーやら魔法使いやら剣士やらまあ・・ゾロゾロと。
もっとも一撃で片付くんだがな。
「種類が増えたか・・コレって難易度が上がったってことか?
スタンピードの後でダンジョンのレベルが上がるなんてのは聞いたことがない。
あの愉快犯が何かしていったのかも知れないな」
前回のスタンピードは神様から指名手配されているという怪しい愉快犯がやった
実験のせいだったそうだ。
愉快犯・・こっちは全然愉快じゃあなかったけどな。
十階のボス部屋で出て来たのはゴブリンキングだった。
色は普通に緑っぽい。
従者というか取り巻き多数。
でも見学のはずのアリーが火魔法を飛ばしたら一発で全滅した。
お前・・「見学」だって言われてただろうが!
「えぇ~・・一発ぐらいいいじゃん!
だってキングでもゴブリンなんだし。
スライムのボスみたいに何度か試してみるんでしょ?
だったらさっさと片付けようと思ったんだよ」
あのなぁ・・
お前は勇者だけどこのパーティのリーダーはお前じゃあ無くてガングだ。
勝手なことをすんのは控えろよ。
ちゃんとガングに一言言ってからにしろよな!
「まあ、確かに二・三度試そうとは思ってたがな。
スライムみたいに違う感じのヤツが出てくるかもしれないから。
アリーは見学枠なんだから確かに手出しは遠慮しといてくれ。
今回はコイツラのレベル確認を兼ねてるんだし。
もっと下に行ったらお前にもやらせてやるから大人しくしてろ。
今はギルの番だからな」
もっと下に行ったら・・と言われたアリーは上機嫌で頷いた。
そうか・・今は俺の番か・・
あれ?・・
ということは次回はゴブリンキング達とオレ一人でヤレ! ってことか?
そう強そうでなくても面倒くさい相手と一人で・・かぁ。
文句を言わずにアリーに全部やらせとけば良かったかなぁ・・とチョッピリ
後悔しちゃうギル君なのでした。