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二十話



その後父様たちに報告がいきレイにとても感謝をしていた。


「レイありがとう。ティアを守ってくれて」

「いえ、当然の事をしたまでです」

「しかし馬が急に大人しくなったと聞いたんだがどういう事だい?」


どうやらレイが魔法を使ったということは伝わっていなかったのか父様は不思議そうにする。そもそも厩務員はレイが魔法を使ったと気付いていないのかもしれない。レイがベルティアを庇った。その後急に何故か馬が大人しくなったと。

それならば、はっきりわからせねばと私は自分の事のように自慢気に言う。


「魔法よ、闇の魔法!」

「…はい?」


予想外の言葉だったのかキョトンとした父様はその後言葉の意味を理解し「何だって!」と衝撃を受けていた。

すごいでしょうと続ける。


「闇の魔法は精神を崩壊させると聞きました」

「そうだね」

「つまり精神に関与できるのではと思い。使い方を考えてみました」


私がそこまで言うと父様は理解したのかハッとした表情になる。


「そうです。精神を安定させるといったこともできるのではと思ったのです」

「な、なるほど…」


と父様は考え込んだ。しばらくするとレイを見て言った。


「どういうものか見てみたい」

「わかりました」


そうレイは頷いた。




今回は鶏を用意して前と同様驚かせて興奮させる。この時ばかりは本当に申し訳ないと思う。付き合ってくれてありがとうございますと感謝を忘れない。

コケーと暴れまわる鶏のもとにとレイが近づく。深呼吸をするとそっと魔法を発動させた。


「落ち着いて。大丈夫だから…」


すると嘘のように鶏が大人しくなった。何事もなかったように地面をつついている。


「こ、これは…」


魔法を見た父様は驚きを隠せないようで口に手を当て立ち尽くしていた。

またしても考えこんだ父様はこう言った。


「落ち着かせる以外の事もできるのだろうか」

「これ以外はやった事がないのでわかりません」


これから色々試さねばならないなと父様は言う。どんな事が出来るかあらかじめ知っておいた方が後々良いとの事だ。


それから色々試された。

初めての場所に連れ不安がっている動物を安心させたり、巣をつつかれ激怒している鳥を宥めたりした。

動物さん達ありがとう。


「す、すごいな…」

「ですね…」


私と父様は予想以上の成果に唖然とする。

というよりこれ本当にすごい。たしかに使い方を間違えれば精神を壊すことなど容易いように思える。

これはちゃんと考えて使わなくてはならないだろう。


「使う場合もしっかり考えなくてはならないね」


真剣な表情で父様は言う。


「この魔法に頼りすぎると人は弱くなるだろう。本当に切羽詰まったものだけに使う方がいいだろう」


たしかに不安になった、落ち着かない。その他良くない感情を持った時全てこの魔法に解決してもらおうとすれば自分の力でどうにかするという能力が下がってしまうだろう。

依存しないように気をつけなければならない。

使い所を間違えないようにしなくてはとみんなで話し合った。



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