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二話

食堂に着いた私を待っていたのは3人の家族。




「ティア!やっときたのね。もう少し早く来なさい」


しょうがない子ねと優しく見守るのは今世の母メルリス。


「寝坊したのかい?気をつけなさいね、私の天使」


親バカ丸出しな方が父のムナハン。天使はないだろう。天使は。

そんなムナハンがリズナール公爵家の現当主だ。


「姉様!私の方がしっかりしてるんじゃありませんか?生まれる順番間違えてます!」


この私よりしっかりしたのが一つ下の妹ミルファだ。もちろん仲は良い。


「では、いただくとしよう」


お祈りをし食事に手をつける。

いつもながら美味しい。しかし今さっきだが前世を思い出して家庭的な素朴な味のものも恋しいなと思う。だが次の料理に手をつけるとこれまた美味しくすぐに気が逸れた。さすが子ども。

デザートも美味しく平らげた。


食事もそろそろ終わるという頃に父様がそういえばと口を開いた。



「もうすぐティアの誕生日だね。パーティーのドレスなんかは選んだからあとはプレゼントだけど、何か欲しいものはあるかい?」



そうなのだ、前世云々で忘れていたが1カ月後には誕生日だ。先日丸一日かけてドレスやらなんやらと選んだ。楽しかったが疲れた。


「そうね、商人を呼びましょうか」



さすが貴族、買い物は向こうからやってくる。こちらから行くことはない。今まではそれが当たり前だったが前世を思い出した私は違う!せっかくなら街を見たい。

私的に買い物は関係ないところもブラブラするところも含めて買い物である。

うん、街に行きたい。


「自分でお店に行って選んで買い物したいです!」

「え?」

その言葉にポカンとした両親だったがその後すぐに微妙な顔をした。


「ティアのお願いは聞いてあげたいけど」

「街が見てみたいのです」


貴族のあれやこれで難しいのもわかるがここは聞いてもらいたい。


「外に行くのもプレゼントの一つと思ってお願いします」


それに街に行けば屋台などあるだろう。素朴な懐かしい味も堪能できるに違いない。ちょろ…娘に甘い父様は街にさえ行けば屋台で食べ物を買うくらいなんとかなるはず


そんな気持ちも込めて頑張った。

一時間くらいお願いしてみたら父様が折れた。


「仕方がない。お忍びとして街に行こう、その代わり勝手な行動はしないように」

「ありがとうございます、流石は父様大好きです!かっこいい!」

「そ、そうか?」


とりあえず上げておいた。

にしても大好きか、我ながら恥ずかしいが自然と出てきたんだ。ベルティアは素直なんだよ。良くも悪くも。いや、これは子ども特有の無邪気さだな。うん。


「この日は空いてるな…では一週間後に出かけるとしよう」

「はい!」


ミルファがいいなーと言っている。いいでしよ!

だんだん心まで子どもっぽくなっている気がする。まあ、いいか。年相応になっていいのかもしれない。子どもっぽいことしても恥ずかしくなくなるかもしれないし!


「本当に気をつけるのよ?ティアは落ち着きがないのだから」



やっぱりか…

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