プロローグ
僕はいつだって自分は周りと同じ。そう信じて生きてきた。
そんな時に「なんだか君一人、周りと違うね」とあの日君に言われた。
自分らしく、生きながらも周りと同じように生きること。心からそうでありたいと思い願った自分は今どこに行ったのだろうか?
いつもと変わらぬ空の下、変わらず風を浴びて芽生えた草木の並ぶ通学路。
その中で、ただなんとなく過ごしていつの日か忘れてしまった。そう、自分の形を。
周りに幸せがありふれた時ほど、私一人消えていたってみんなは気付かないような気になるけど。
私が、心から信じたい未来を。そう、いつの日か君を見つけた。
誰かがそっと優しい手を伸ばし笑ってくれる。そんな未来を私は見つけた。
その時君は『共に』ここに生まれた意味を知るのでしょうか?
だけど私は。この一面に広がる緑の中にいても遣る瀬の無い孤独を感じる。そんな、今日この頃です。
いつの日か今、でも瞼を閉じれば思い出すあの日。私は、君を見つけた。
いつか誰かがそっと手を伸ばして優しく笑ってくれる。
そんな時君と私は初めて気づくんだよね。
「私があなたに出来ること」
自分では到底気付かない。いや気づいていても掴み損なった"幸福の証"を……
私はやっと今この時にこの手に掴みとれたことを、きっと、いつだって思い出すでしょう。