~61話~買出しと怪しい買物
目を覚ますと顔を赤らめたメイサが目の前にいた
「おはようメイサ。」
「お、おはようございますダーリン。
「どうしたの?」
「昨夜ははしたない事を・・・」
「覚えてるんだ・・・気にしなくていいよ?」
「つい気分が良くなってしまって・・・」
「記憶がない時はいつもあんなもんだ。」
「いつもあんなにはしたない事を・・・」
メイサが顔を背けて言う。
「じゃあ朝食食べてギルドに向かおうか!」
「わかりましたわ。」
部屋を出るとオリーブが待っていたので
「おはよう、御飯食べてギレンさんのところに行こうか?」
「かしこまりました。」
3人で朝食を食べてギルドへ入ると
「おい!おっさんが美人を2人連れてるぜ!?」
食堂から声が聞こえ、朝食を食べる冒険者達から嘲笑が聞こえる、メイサの眉がピクピクと動くので
「久々にこういうの来たね?ほっとこうぜ?」
「そ・・・そうですわね。」
受付に行きギルドカードを出し
「ごめん!ギレンさんにエイトが来たって取り次いで欲しいんだけど?」
「S!?か・・・かしこまりました!」
受付嬢が大慌てでカウンターから出て行く。
「おい!おっさん何したんだ?モリーが飛んで行ったぞ?」
カウンターで待ってると先ほどの野次の主が話しかけてきた。
近くで見ると20歳くらいか?細身だが筋肉質な体の茶髪の男前だ。
「ん?ギルドマスターのギレンを呼んでくれって言ったんだよ?」
「おっさん如きのためにギルマスが動くわけねぇだろ!」
「そうかな?まぁは若者はあっちで座ってこれでミルクでも頼んでな?」
そう言って叡斗が銀貨一枚を渡す
「おっさん・・・舐めるなよ?」
剣に手をかける茶髪の男前
「抜くなら相応の覚悟で抜くんだぞ?」
「おっさん相手に覚悟なんているかよ!」
そう言って斬りかかってくる
「あぁ抜いちゃった・・・」
隣のオリーブが即座に斧で剣を下から弾き飛ばし首元に斧を突き立てる
「御主人様、はねてよろしいですか?」
「若者は大事にせにゃならんよ?解放してあげよ?」
「かしこまりました。」
オリーブが斧をマジックバッグにしまう
「若者よ、よかったな?メイサが相手だったらもう死んでたかもな?」
「ダーリン?私をなんだと思ってるのでしょうか?」
「うーん・・・杖に手をかけて、オリーブがもう少し遅かったら腕を切り落としてた人?」
「よく見てらっしゃいますわね。」
「メイサとオリーブを観察する癖が付いちゃったよ。」
「なんだなんだどうした?」
3人で話しているとパンクファッションのギレンが階段を降りてきた。
「どうもギレンさん!この子が遊んで欲しいって言ったので稽古をね?」
「そいつはこれから伸びるんだ!潰さんでくれよ?」
「潰すなんてとんでもない!若者よ!ミルクを飲んで体を作るんだぞ!?」
そう言って若者のポケットに銀貨を入れる叡斗
「まぁエイトがこう言ってるから不問にするが・・・お前生きててラッキーだな?」
「へ?」
若者が頓狂な声を上げる
「Sランカー2人に喧嘩売って生きててよかったな!っと言ったんだ!」
「すみませんでしたぁぁぁぁ!」
ギレンの言葉に若者が四つんばいで食堂へ逃げて行く
「ギレンさんこそ恐がらせてんじゃないか・・・」
「ガッハッハッ!力量もわからずに戦うやつは馬鹿だって事よ!上がりな?」
「一理ありますね・・・では!」
3人はギレンの部屋に通されて、ソファーに座っていると先ほどの受付嬢がお茶を運んできてくれた
「モリーちゃんだっけ?ありがとうね?」
「いえ!失礼致します。」
お礼をしてそそくさと部屋を出て行く。
「で?アユミンはどうだった?」
対面のソファに座り世紀末ヒャッハー改めモヒカンピアスのギレンが言うのでアユミンの村のあらましを話す。
「ヨハンランドか・・・本当にビッケに聞いてた以上にぶっ飛んでるな。」
「あとこれがサーペントの討伐照明部位と魔玉です。」
「これを全部嬢ちゃんが狩ったのか?」
「オリーブが狩りましたよ?」
「ギルドカードを預かろう。」
3人はギルドカードを渡すと、ギレンがモリーにギルドカードを渡して何やら耳打ちをする
「で?報奨金は金貨5枚だがどうする?アユミンへ寄付するか?」
「ではお願いできますか?」
「勿論だ!ではこれはアユミンの村長に渡しておこう!」
「これから宿などの整備で大変でしょうからね。」
「そんなにヨハンランドは面白いのか?」
「行ってみればよろしいでしょう?」
「ガハハ!それもそうだ!」
「で?ほかに緊急依頼は無いですね?」
「特に無いが・・・これからウラジールに行くのか?」
「その予定ですが?」
「なら出国手続きをするから3日ほど待ってもらえるか?」
「そんなにかかるんですか!?」
「Sのしかもゴールドだからな!国を越えるのは大変なんだ!」
「なんで?」
「ロキマでは100年起こってないが戦争になったら冒険者は国の大事な戦力だからな。」
「なるほど、これからウラジールとロキマが戦争になったら俺がロキマの冒険者と戦うことになるんですね?」
「そういうこった!そうならないための手続きだ!」
「ならしょうがないですね。」
「あとはヨハンランドか・・・定期便のキャラバンが欲しいな。」
「難しいんですか?」
「実物を見ない事には儲かるかわからん新規の定期便キャラバンを組むのはギャンブルと同じだからな!」
「なら・・・すぐに飛びつく商会を知ってますよ?」
「なんだと?」
「王都の商会ですが今この街にいます、フィリップ商会です!」
「その商会ならすぐに飛びつくのか?」
「おそらく俺の名前を出せば中々の好条件で飛びつくんじゃないですかね?」
「ならすぐに使いを送らせよう!」
「多分いい話が出来ますよ?」
「なら最後にギルドカードだ!」
「エイトとメイサはそのままでオリーブはCランクだ!」
「何段階アップだよ!」
「ゴブリン退治でE、サーペント退治でCにアップだ!」
「2段階ずつか・・・」
「じゃあ三日かかるのか・・・四日後にまた来る!」
「ガハハ!了解だ!」
「では失礼します!」
「おう!ありがとうな!」
ギレンが手を振る
ギルドを出て
「今何時だ?」
「11時半ですわ?」
「よし!宿に戻るぞ!」
「え?宿に戻りますの?」
「12時の青太のショーを見るぞ?」
「今日も見るのですか!?」
「御主人様!」
「オリーブは昨日風呂で頑張ったからな?御褒美だ!」
「心遣い痛み入ります!」
オリーブが丁寧にお辞儀をする。
「メイサ?ショー見たら買出しに行こうな?」
「これも酒に飲まれた代償ですわね・・・」
「メイサが了承してくれてよかったよ。」
宿に戻り青太のショ-を見るが、観客順調に増えているみたいで聞こえる歓声は昨日とは比べ物にならほど大きかった。
そしてオリーブは今日も目を輝かして子供のように魔壁に張り付いて見ていた。
宿の部屋に戻り市場に買出しに行く。
「お!肉屋があるよ!捌いてもらおうよ?」
「そうですわね。」
メイサの了承を貰ったので店に入ると気の良さそうな髭面のおっちゃんがカウンターに立っていた
「らっしゃい!」
「すみませんサーペントって捌けますか?」
「捌けるが・・・丸々1頭か?」
「丸々2頭分お願いしたんですが。」
「それは売りか?持込か?」
「食べられる部位と骨は持って帰りたいんで持込みですかね?」
「・・・裏の解体所に出してもらおう!」
「わかりました!」
髭面のおっちゃんに付いて奥に行き解体場にサーペントを2頭取り出す。
「これは・・・腕が鳴るな!」
「いつくらいにできますか?」
「夕方にはやっておくからまた来てくんな!」
「お願いします!」
髭面のおっちゃんに任せて買出しに行く。
人が混み合う露天市場でメイサとオリーブが露天の商品を見ている
「おじ様?これを全部包んでくださる?」
「全部かよ!?」
メイサが野菜を大人買いする
「ダーリン?代金をお願いしますわ。」
「はい!」
「兄ちゃん大変だね!金貨2枚にまけとくよ!」
「おっちゃんありがとうね!」
金貨2枚を渡し、大量の野菜をマジックバッグに入れる振りをして空納に入れていく叡斗。
「ダーリン?代金と商品をお願いしますわ?」
「はい!おばちゃんいくら?」
「あんたが旦那かい?豪快な買物だしメイド連れてるから貴族の嬢ちゃんかと思ったよ!」
「へへへ、冒険者だよ!」
「金貨5枚と銀貨25枚だよ!ありがとうね!」
「はい!」
代金を渡して、メイサが買った大量のスパイスをしまう叡斗。
「へぇ?そのマジックバッグ容量大きいんだねぇ?」
「特別品だからね?」
「金払いもいいし、そんな物を持ってるなんて人は見かけによらないもんだねぇ?」
「はは!見た目通りの女に振り回されてる男だよ?」
「ダーリン?代金と商品をお願いしますわ?」
メイサから声をかけられる。
「はい!じゃあおばちゃんありがとね!?」
「あぁ!毎度あり!がんばってね!」
おばちゃんに手を振りメイサの元へ向かう叡斗
「はいはいはい!遅くなりました!いくらですか!?」
「ただでどうぞ?」
「は?・・・あ!カオリさん!?」
「旦那がキャラバンの仕事の話をしているので私が店番をしてまして。」
「ただでは頂けませんよ!いくらですか?」
「サーペントの次はキャラバンのお仕事の依頼、あなたは我が家の福の神です!どうぞ持っていって下さい!」
「いやいや!そんな話・・・メイサは何してるんだよ!」
「メイサ様は商品に夢中で私に気付きませんでしたよ?」
「そうか・・・ならこれを落として行く!」
金貨5枚をカオリの前に落として商品をしまってその場を離れる。
「あの!多すぎます!」
「落としちゃったから気にしないでくれ!」
叡斗はそのままメイサとオリーブの下へ行くと
「ダーリン!お願いしますわ!」
「メイサの買物は悩まないけど・・・早すぎるんだよな。」
1人ごちる叡斗
「ダーリン?いませんの?」
「はいはいはーい!」
手を挙げて答える叡斗
「お願いしますわね?」
メイサがニッコリと笑ってオリーブと次の売り子の所へ歩いて行く。
「いくらですか?」
「金貨50枚だよ?」
「高っ!!何を買ったんだ!?」
全身を布で包んだ怪しげな雑貨物を中心に売る露天商に尋ねる叡斗
「この書物とバッチが金貨50枚だよ?」
「この本とバッチが500万かよ・・・」
「その価値はあるよ?」
「まぁメイサがいるんならいいか・・・」
「はい!これが代金ね!?」
「毎度あり!」
「ダーリン!どこにいますの?」
「メイサさんが呼んでるよ?」
「そうだね!ありがと行くよ!」
ふと会話に違和感を感じた叡斗が振り返ると先ほどの怪しい売り子がいなくなり女の子が売り子をしていた。
「あれ?・・・」
「お兄さん!これ彼女さんに如何ですか?」
叡斗が不思議に思っていると売り子の女の子が無邪気な笑顔でネックレスを薦めてくる
「いや!今回はやめとくよ!」
「そうですか・・・またお願いしますね!」
「ごめんね!?じゃあがんばってね?」
「ありがとうお兄さん!」
叡斗が頭を傾げながらメイサの下へ行くと
「ダーリンどうしましたの?」
「さっきメイサ達が買った雑貨露天でおかしな事があってね・・・」
「ん?私達は食材の露天しか行ってませんわよ?オリーブ?」
「はい。私達は食材の露天以外は見てません。」
「そうなのか・・・ならいい・・・」
あの雑貨店で買った物はあとでしっかりと確かめておこう、そう思う叡斗だった。
メイサ達の買物が終わりサーペントを受け取りに行く
「どうも・・・捌き終わってますか?・・・」
疲れきった叡斗が肉屋に入り声をする
「おう!終わってるぞ?」
「じゃあ肉と代金をお願いします。」
「代金はいらないから肉を10kgほど分けて貰えないか?」
「いいですよ?」
「話が早くて助かるな!ありがとよ!肉はこっちだ!」
髭面のおっちゃんに着いて行くと大量の肉を積み重ねた涼しい部屋に着いた。
「サーペント肉は?」
「あれだ!」
おっちゃんが机を指差す
「凄い量だな?」
村人が捌いてジャンが運んだ7頭と変わらないくらいの量が机に乗っていた。
「大体300kgだな?」
「村人に捌いてもらった時は1頭100kgだったぞ?」
「素人と一緒にしないでもらえるか?」
「さすがプロだな!満足だ!」
「じゃあ10kg貰ってくぞ?」
「あぁ!20kgでもいいぞ?」
「いや!10kgでも欲張って言ってみたんだ、十分だ!」
「なら残りは貰っていく!ありがとうね?」
「おう!こっちこそありがとうよ!?」
さすがはプロは違うなとメイサ達と話しながら宿に戻り村の外へ転移して晩御飯にする。
「今日はサーペントの焼肉ですわよ!?」
机の真ん中に魔導コンロを置き、上に波型の鉄板を置いている
「わーい!」
「食べ放題でよろしいのですね?」
「勿論!野菜もたくさんありますから好きなだけお食べなさい?」
メイサが山盛りの肉と野菜を盛られた大皿を机に置き、みんなで楽しく食べ風呂に入る。
「あー!生き返るな!」
「そうですわね?」
「御主人様、奥様明日と明後日お暇を頂いてもよろしいですか?」
叡斗が大の字で湯船に浸かり、いつものポジションにいるメイサが答え、対面に浸かるオリーブがおずおずと言う
「どうした?」
「どうしました?」
「明日からダンジョンに潜りたいのですがよろしいですか?」
「ダンジョンですって!?」
「近くにBランクダンジョンがあるそうなので行きたいです。」
「なんですって!?ダーリン着いて行きましょう?」
「メイサだけじゃやばいか?」
「私だけですか?今日魔素を下さるのなら問題ないと思いますわ?」
「じゃあ俺はちょっとやりたい事があるから任せた!」
「心遣い痛み入ります。」
オリーブが風呂に頭を沈めて礼をする
「オリーブ?メイサ?やばい時はすぐに簡易通信装置を使うんだぞ?」
「わかってますわ!」
「かしこまりました。」
「じゃあ、上がって寝ようか?」
「はい!」「かしこまりました。」
風呂を片付けて2人と転移で宿へ帰る
オリーブが嬉しそうに自分の部屋に戻り
「ダーリン?今日は激しいですわよ?」
「明日は頼んだぞ?」
「そのためにも激しいですわよ?」
「わかったよ・・・おいで?」
酔ってないメイサは恥じらいながら唇を重ねてくる
「メイサ?それじゃもう魔素吸われないよ?」
「ダーリンそんなに成長してましたの?」
「そうか・・・今日は珍しく素面か。」
「では本気を出します!」
メイサがそう言って舌を絡めると一気に魔素がメイサへと流れて行く。
「おひゃひゅみメイファ・・・」
叡斗の長い一日が終わる。




