~20話~東と西の齟齬とメイサ
叡斗が魔王城の玉座の間へ転移すると。
京平とセバスチャンが走ってくる。
「忙しかったか?」
「全然大丈夫ですよ!」
京平が敬語だ、こいつが今まで敬語な時に碌な事はなかった、要注意だ。
「セバスチャン!何か隠してるか?」
「ほっほっほっ叡斗様こそ御用があったのでは?」
「んぐ!」
セバスチャンには勝てない・・・どうせツッコンでも負けるだけだ
「京平!お前ヨハンの事知ってたろ!?女神教でヨハネスって言われてるのも!!」
「知ってたよ。」
「ならなんで教えないんだ?ダンジョンの仕様も違ったし!」
「どうしても僕の情報は東の魔族側に偏る、だからあえて言わなかったんですよ。」
セバスチャンが一歩前に出てくる
「京平様は叡斗様を信頼して、渡す情報を選んだのです」
「それなら俺が、邪神と判断して、消滅を望んだらどうしてたんだ!?」
「叡斗さんに限ってそれはないだろ、生き残る道を探すはずだね!」
京平が不敵に笑う
「じゃあヨハンは、千年前になんらかの目的で魔族を産み出して皆仲良くしましょうねー!って言ったのか?」
「そこは私は説明致しましょう。」
「ヨハン様は、私達魔族に魔物を統制してダンジョン内に封じ込め、人間を助けるために、我らを産み出しました。」
「ん?ダンジョンはヒトから生命エネルギーを取るためにあるんじゃないのか?」
「それは、千年の間に世界の魔素が薄まり、魔物を閉じ込める檻であったダンジョンが生きる為に人間を呼込むすべとなりました。」
「なら昔は魔族がダンジョンを作らなくても、生きていけたのか?」
「左様でございます。」
「それで?セバスチャンはヨハンを信仰してるのか?」
「信仰して御座います。」
「セバスチャンも親から伝え聞いたのか?」
「私は原初で御座いますので、言うなれば直接でございますね、ほっほっほっ」
「原初?」
「約千年前の魔族の起こりの魔族で御座います。」
「セバスチャン千歳なの!?」
「正確な歳は数えておりませんが、そうなりますな!」
京平を呼んで耳元で話す
「京平、京平」
「何?」
「セバスチャンって何で京平の下にいるの?」
「それは色々あったんだよ、また話す時が来るんじゃないかな?」
「今じゃダメなの?」
「今は・・・あ!丁度いい!」
「何?」
「叡斗さん一人で冒険って寂しくない?」
「寂しいよ!そりゃ!」
「尚更丁度いい!入っておいで!」
そう言って、玉座の後ろの部屋に向かって手招きをする
「失礼致します。」
そう言ってセバスチャンに手を持たれ先導される目を瞑った女性が入ってきた。
「メドゥーサ?」
「・・・はい!今はメイサで御座います!」
背中の中程まである緑色の髪、目を瞑っててもわかる端正な顔立ち、ナイスボディを惜しむ事なくみせる露出の多い踊り子の服・・・メドゥーサだ!
嬉しそうに受け応えしながら、先導されて俺に手を渡すセバスチャン
「叡斗様ですか?」
俺の手を両手でギュっと握り締めながら言う
「え?うん叡斗だけど?」
「魔王様目を開けても宜しいですか?」
「今なら問題ないよ」
目を開く、怪しい光を放つエメラルドグリーンの透き通った瞳キレイだ
「相変わらずキレイだねメドゥーサ。」
メドゥーサは、頬を膨らました後に、俺の首に左右から両の手を回し、右足を腰の高さまで上げ絡め、身体を密着させて、耳元で囁く
「これからずっと叡斗様のそばにお仕えしたく存じます、そのためにも私の石化の魔眼を封じる道具を作って頂きたいのですが・・・」
「え?それって・・・」
「私の身も心も髪の一筋に至るまであなたのものです。」
吐息が熱い。
胸にお胸が当たる。
足が手が艶かしく俺を触る。
目の端で京平が魔王スマイルをしているが今はそれどころじゃない!
それどころじゃない!?あいつのあの笑顔をやばい!
っと思うが、瞬間慣れた感覚が身体を伝う、『想像魔法』を発動してしまったようだ、右手には黒い菱形の石が1つ付いた着いた真っ黒のチョーカーが・・・やっちまった!
<エイト印の封印のチョーカー>
魔眼スキルを封印状態にする首輪。メイサ専用
「ほっほっほっ!首輪を作るとは叡斗様の心意気が見えますな!」
「叡斗さん・・・首輪って!プピー!」
「首輪じゃねぇ!チョーカーだ!笑うな!」
そう言ってメドゥーサに渡す。
「有難く頂戴致します。」
そう言って恭しく、跪き両手で受け取り装着して京平達へと向き直り
「目を開けてても大丈夫そうですね。魔王様お世話になりました。」
そう言って90度のお辞儀をした
「メイサ、叡斗様のお役に立てるよう精進するのですよ?」
「はい!」
「メイサ、叡斗さんを頼んだよ。2人で支えあってがんばってね!」
「有難きお言葉!」
「じゃあメイサの荷物は叡斗さんの部屋へ移動させてあるから、出発の準備をしておいで!」
「心遣い痛み入ります!」
そう言ってメドゥ、メイサは俺の部屋に向かって、玉座の間を出て行った。
「いいのか?」
「彼女が行きたいっていうからいいんじゃない?」
「つか彼女魔物だろ?ダンジョン外出て大丈夫か?」
「魔族だよ?」
「やっぱり?」
「やっと気付いた?最低一日一回は魔素補充してあげてね?」
「魔素補充?」
「身体のどこかを接触させて、魔素を流せばいいよ。彼女にはキスって言ってあるからね?」
「ニヤニヤしながら何を言ってやがる!?有難う御座います。」
ふーと溜息を吐いて
「それでですね!一つご相談があります」
京平が神妙な面持ちで言う
「どうした?何かやばいのか?」
「今勇者が僕の管理下のダンジョンに向かっていて、壊されそうなんだ。」
「それヤバイじゃん!手の打ちようはないの?」
「僕のほうからはない・・・魔物を召喚しようにも魔素はあるけど、初級ダンジョンだから勇者を倒す魔物は召喚できない!」
「叡斗様ならば、我々では思いつかないような、妙案もありますかと。」
俺は一つ思いつく
「それって追い返すだけでもいいのか?」
「追い返せるのか!?」
「いくつかの問題を解決できればな」
「問題とは?」
「まず一つはその勇者に俺は勝てるか?」
「それは問題ないだろう、聞いた話を考えるにレベル200は越えてない」
「なら良し!もう一つはそこのダンジョンに転移するために行った事があるやつはいるか?」
京平が困ってセバスチャンを見る
「おそらくヴァンパイアが昔は冒険者として各地を回っていたので、行っている可能性が御座います」
「なら聞いてみてくれ!」
「畏まりました。」
そう言ってセバスチャンが消えた、転移したのだろう、消えた。
「で?どんな方法なんだ?」
「こんな方法だよ!」
スケルトンリングを装備してスケルトンに変身する
「これは!」
「俺がスケルトンになって撃退すればいいんだよ!」
「なるほど・・・これは行ける!」
「本当に殺したりはしなくていいんだな?」
「ああ!後々利用できるかもしれないからな!」
「悪い顔してんなぁ!」
「これでも魔王だからね!」
セバスチャンが戻ってきて
「叡斗様、ヴァンパイアは行った事があるそうで御座います。」
「よし!これで行くぞ!出発はいつだ?」
「恐らく明日に到着して・・・初級ダンジョンですので、その日のうちに攻略されるかと。」
「わかった!それまで魔王城でゆっくりしてていいか?」
「いいよ!とりあえず部屋に戻ってメイサと話しをしてきなよ!明日の朝に会おう!」
「わかった!」
スキップして自分の部屋へ向かう
「メイサ殿も含めて、上手く進みましたな。」
「叡斗さんの事はわかってるからね、色仕掛けをすれば全部吹っ飛ぶと思ったよ。」
「私の事などはどうなさるのですか?」
「今は話す時じゃないと思うんだよね・・・もっと叡斗さんがこの世界の事を知ってからだね!僕もまだまだ偏ってるし、それでいいよね?」
「京平様の緒心のままに。」
部屋へスキップで向かう叡斗を、見送りながら2人が話す。
部屋に入ると、10畳の部屋にベッドと作業机があるだけの部屋に、美女が1人、メイサだ!
「メイサさん?」
「メイサと」
「メイサ何してるの?」
「叡斗様にお渡しする物を選別しております」
「叡斗でいいよ!あと敬語もいらない!」
「わかりましたわ!ダーリン!」
「呼び捨てどころか、色々すっ飛ばしたなおい!」
「それではこれを!」
そう言ってキラキラした物を恭しく差し出すメイサ
<愛のマジックバッグ 特大>
数々の宝玉の効果により、装備者に全属性耐性高の結界が張られる。容量約100kg
「すごい物来たぁぁぁ!!」
結界ってなんだよ!
「ダーリンを思って、がんばりましたわ!」
「このマジックバッグどうしたの?」
「魔王様に断わって、色々拝借させて頂いて、使える所を外して繕いましたの!」
「へ・・・へぇ・・・マジックバッグの中身も・・・何だこれ!」
中には、針が1つと魔玉が大量に入ってる。
<聖王の槍>
魔力を通すと使用者が槍と認識出来る範囲内であれば自由に形を変える事が出来る。不壊。
槍かよ!
魔素を流すと普通の槍になった。
針のサイズに戻そうとするが、俺が槍と認識できないのであろう、掌サイズまでしか小さくならない。
「裁縫道具ですわね。」
もう用済みとばかりに興味無く答えるメイサ
「この魔玉は?」
「魔王城のスケルトン達の物ですわ。」
「なんでメイサが持ってるの?」
「ダーリンに会いたくて冒険しましたのよ」
ウフフと笑うメイサ
「40階のボスを倒した侵入者って・・・まぁいいやこれはメイサが持ってなよ!とりあえず座ろうか。」
マジックバッグを渡して、2人でベッドに並んで座る。
「ダーリン!あの・・・これからの魔素の事なんですが・・・」
「あー身体に触れて、魔素を流せばいいんだっけ?」
「キ!キスが一番効率がいいそうですわよ!」
メイサが迫って言う
「顔が真っ赤ですよ?」
ついでに目も血走ってて恐い
「ここはダンジョンだからまだいらないよね?」
「いらないからこそ、練習は必要ですわ!」
こんな美人に言い寄られるのは、願ったりなのだが、目が血走ってて恐い、理由もよくわからないし
「ちょっと用事を思い出したから、後でまた・・・ンギュッ!」
いつの間にか目の前の、目が血走った美女が、目が血走ったメドゥーサになって、俺に巻きついてる。
「ダーリン!お慕いしておりますわ!」
「痛いっ!腕が折れるぅぅぅぅぅ!」
全身を巻きつかれ頭しか動かせない、どんどん巻付きが強くなる。
「それでは、失礼して・・・」
そう言って、顔を近づけるが、鼻が当たりうまくキスができない
「メイサさん?初めてならエスコートするんで、開放してくださぁぁい!」
「大丈夫ですわ!少し焦っただけですの!」
そう言ってメイサは顔を横に傾け、唇を合わせてくる
ガチッ!
「いたっ!歯が当たりましたよぉぉぉ!」
口に手をあてるメイサに言う
「今度こそ!」
両手で頬を掴み優しく唇を合わせてくる。
魔素が俺の身体から流れていく。
「ふぃた!ふぃたふぃ!」
痛い!メイサの頭の蛇が次々に噛んでくる。
「んん・・・んふう・・・」
メイサの鼻息がかかる。
メイサが舌を入れてくる・・・魔素の流出が激増した。
メイサさんそれ以上魔素取られぇ・・・意識が薄まっていく
やっとヒロインが登場しました




