~19話~ドラゴンの塔裏側
====???視点====
どうしてこうなったの?
始まりは2日前に、弱い冒険者が来てから始まった。
一人でやってきて、バジリスクが狩られる事無く、石化された。
夜になったら、入口から見える所に運んで、救出されるまでの間の魔素を得した!と思ってたら、すぐに強い生命反応を示す冒険者が来て、弱い冒険者を治したのでしょうね。
生命反応が一緒に動きだしたもの。
でも生命反応は、そこまでじゃないから、大丈夫でしょう。
上手く10階からの迷路で倒れてくれれば、救護用のワイバーンで外への転移陣まで、運べばいいんだし。
日課の魔素集めをしていると
「10階のワイバーンが死んだよ!」
「何ですって?」
あそこは天井にも魔壁を張っているから、攻撃も魔法も通さないはずなのに!
どうなってるの?遠見の水晶で見る・・・いえ、あれは魔素の消費量が多すぎて無理だわ・・・
とりあえず普段は息子の遊び場になってる、13階にワイバーンを召喚しましょう!
ハイワイバーンに統率されたワイバーンが20体もいれば問題ないでしょう!
「13階に来るよ!」
「今度はしっかり見るわ!」
ダンジョンマップがコントロールルームの壁に表示されており、マップに大小の赤い点が2つと無数の青い点があり赤い点は侵入者、青い点はダンジョンの魔物を表している。
赤い点の大きさが、おおよその侵入者から出ている生命エネルギーの量を表してる。
叡斗の点はバッポの5倍ほどの大きさである。
「ワイバーンが全滅・・・」
「一瞬赤が部屋全体に広がったわね・・・」
部屋全体に広がったという事は、それだけの生命エネルギーを放出したと言う事、さっきの量は一回だけ見た事がある、100年前に来た勇者と同じだわ。
「動かないね、今日は休むのかな?」
「そうみたいね、準備しなくちゃね!」
14階のワイバーンを増やして、キングリザードマンを召喚して、残りの魔素全てで召喚出来るだけのリザードマンを召喚する。
陸と空からの攻撃・・・これなら問題無いはずよ!
ダンジョン側は魔壁は問題無いし、殺さないようにしなくちゃ!
魔素を使いすぎて、疲れちゃったけど、これで安心して、寝れるわね。
寝ないと魔素の吸収効率が悪くなるし、ただでさえヒトのこないダンジョンだから無駄に出来ないわ。
翌日起きると、息子はすでにマップを真剣な面持ちで見ていた
「おはようずっと見てたの?」
「おはよ!だって気になるから・・・始めてこんな所まで登られたし!」
「14階でダメでも、ママがいるから大丈夫よ。」
心配させまいと、微笑む
「動き出した!」
赤い点が動きだした。
14階に上がるとすぐに、小さい赤い点が階段へ動き、大きい赤い点は動かずそこへ青い点が、殺到している。
魔物は減っている様子はないので、成功みたいね。
「どうなってんだろ?」
「これで見てみましょうか?」
私も気になるし背に腹は変えられない、遠見の水晶を起動する
水晶にはリザードマンの剣を避け、ロングソードで切り返している冒険者の姿
「剣士なんだね」
「そうみたいね」
剣士?どうやって10階、11階のワイバーンを倒したの?
その疑問はすぐに払拭される事となる。
「なんだこれ!?浮いたぞ!?リザードマンの攻撃も届いてないよ???」
「う・・・嘘」
マップを見ると、14階層が赤どころではない、真っ赤になっている。
「何・・・これ・・・」
瞬間遠見の水晶から眩い光が発せられ、目が眩み目を瞑った、一拍してコントロールルームが揺れた。
「あわわわわわ」
興奮して立って見ていた、息子は目が眩んでいる所へのダンジョンの揺れによって尻餅を付きパニックを起こす。
私は目の眩みが治まったので、急いで水晶を確認する
「うそ・・・なにこれ」
魔物はおろか、魔壁も消滅している。
こんな化け物勝てるはずがない。
100年前に来た、女神の手先はこのダンジョンは勇者の逸話になるから、誰にも踏破させるな。
という条件の下に魔素を貰っていたけど、それどころじゃないわ!
すぐにメダルと財宝を用意しないと!
念のためにと、女神の手先にヒトのダンジョンのクリア条件を聞いておいてよかったわ!
メダルと財宝は・・・今まで冒険者からコツコツ集めた金貨とかいう、コインでいいのでしょう!?
あるだけ箱に詰めて、15階に置いたのに・・・それを持って喜んで帰っていくって聞いたのに・・・100年で変わったのかしら?
化物は帰らない。
どころかコントロールルームの入口を叩いてきた。
怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!
なんで入口が分かったの!??
それよりもクリアのコインが足りなかったのかしら!?
そもそもあのコインは貴重な物じゃなかったのかしら!?
考えてもヒトのことなんてわからない!
また入口を叩かれた。
このまま大人しく帰って下さい!
救いを求めてはならない神に祈りを捧げる。
入口がガタガタと揺れる。
何をしてるの!?
早く帰りなさいよ!
「とりあえず壊してみるか・・・」
えっ!?やだ!?何!?無理!!
もう開けて誠心誠意謝るしかないわ!
そして、あの化物が望む物を渡して、帰ってもらいましょう!そうしましょう!
入口を開けてからの記憶が無い・・・気付いたら15階で話すことになっていた。
どうやら害意はないみたいなので、話をすれば帰ってくれるのなら、言う事はないので、椅子と机を出すと、冒険者は椅子に座り口を開く
「で?ヨハン神の知ってる事教えてくれない?」
「え?あ・・・あなたは?」
「忘れてた!俺はヨハンに召喚された、召喚人の叡斗だ!」
「え?ヨハン様に?」
「そう!で、貴女はストームドラゴンでいいのかな?」
「いえ、嵐竜人です。嵐竜は竜化した姿です。」
「こんな美人なら戦わなくて、正解だったな!」
「まぁ・・・こんなおばさんを捕まえて何を言ってるんですか・・・」
100年振りに息子以外との会話で美人だなんて・・・満更でもないわね
「それで、あなたはなぜここに?」
「この塔をクリアすればSランク・・・つまり・・・」
「有名になるのですか?」
「まぁそんなとこ!もう一つあって、ヨハンの事を調べてるんだ」
「神ヨハンの事ですか・・・私もお爺様から聞いてるだけなので詳しくはないですが」
「うんうん」
エイトさんが身を乗り出して、頷いてくる、食いつきがすごいわね
「約千年前に我々魔族を産み出した、産みの親で、決して救いを求めてはならない神だから、感謝の祈りだけを捧げなさい。と教えられました。」
「女神教の邪神ヨハネスは、やっぱりヨハンの事だったのか・・・救いを求めてはならないって?」
「はい、求めた事に対しては救われるのですが、別の事で試練をお与えになる神だ。とお爺様は言っておりました」
「魔族はみんな、神ヨハンを崇めてるの?」
「わかりませんが、みんなではないと思います。我ら嵐竜人は長命な種族ですので、伝わっておりますが、短命な種族では途絶えている可能性もあるかと」
エイトさんは少し考え込んでから聞いてくる
「どんな教えを説いてるとかはわかる?あと偶像ってないよね?」
「教えは・・・皆仲良くしてね。っとお爺様が。偶像は残念ながらありません」
「ぶっ!」
エイトさんがいきなり噴出して、俯いてブツブツ言い出した、あの爺い、だけ聞こえました
「最後に聞きたい事があるんだよね?」
「何でしょう?」
「これから俺は東の魔王とヨハン信仰を広めるんだけど、こっちの管理下に入らない?」
「は?」
東の魔王様?女神と戦争するというのかしら?
「ダメならダメでいいんだよ?」
「是非は無い話でしょう?」
そう断れば死、でしょうに、選択肢を与えらていても選択権は無いのだわ!
「ん?別にいいよ?ヨハン様の教義はみんな仲良くだしね!」
笑いながらいうエイトさんを見る限り嘘は無さそうですね。
「少し考えさせていただいてもよろしいですか?」
「いいよ!俺も用事ができたから!多分明日か明後日にはここに帰って来るからその時によろしくね!」
「わかりました、登ってる途中で気付いたら迎えに行きますわ」
「それはいらないよ!直接ここに来るから!」
「は?」
「じゃあまた今度ね!」
そう言って、エイトさんは背を向けて歩いていく・・・どこへ行くんでしょう?
背中を眺めてると突然
「京平!今から大丈夫か?」
「はい?京平ですか?」
「あ!声に出てた!こっちの話だから!」
そう言って、手を振って消えた。
「消えた!??」
いたはずの空間を探すけど何もない・・・少しいい人かと思ったけどやっぱり化物ね、信用してはダメだわ、出来ればもう会いたくない存在ね。
それにしても今日は髪はボサボサだし、寝間着で会ってしまうなんて・・・取り乱しすぎね。
次会う時は、身嗜みをしっかりとして会いましょう、また美人って言ってもらえるかしら?ウフフ
称号:魔物誑しを獲得しました




