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9/39

横からくるよ。気を付けて。

総合評価が300ptを突破してましたぞwww


ブックマーク登録や評価、感謝以外ありえないwww

 アタシの身長の十倍はあろうかというくらいにデカい門が目の前にある。今はその門が大きく開かれて出入りできるみたいだから、アタシは遠慮なく街の外へと踏み出していこう。


 街の外に出ると、百メートル先くらいが森になってるのが見えた。いやぁ、感動ですなぁ。ファンタジー世界での冒険はやっぱり色んな人が夢見てるんじゃないかな?


 現実世界でも冒険はできないわけじゃないけど、自分の命が危機に晒される可能性を考えたら、二の足を踏むのも仕方ない。バカにならない程お金かかるだろうし。


 まあどうでもいい思考はこの際置いといて。逸る気持ちを抑えていつもと同じ速度で森に向けて歩いていく。


「ヌルーン」


 なんじゃこの変な鳴き声。目の前には緑色のぷるぷるした饅頭のような何か。いやまあ情報掲示板に載ってたMOBモブだから、もちろん知ってるけど。


 こいつはスライム。ファンタジーRPGではもう定番と言っていいモンスター。《GOゴー》にもしっかり採用されてるんだよねぇ。初心者が2~3レベルを上げるためのMOBって言ってもいいと思う。


 異世界もののラノベとかでは物理無効だったり、もしくはほとんど効かなかったり。しかも酸攻撃で相手を融かすなんていうチートモンスター化してるけど、このゲームの序盤に出てくるスライムにそんなチート能力はない。


 今アタシの目の前にいるスライムは当然序盤のみ出てくる最弱スライム。当たり前だけど物理も魔法もガッツリ効く。


 というわけで抜刀。と同時にスライムの向かって右側に、スライムに沿うような弧を描いたHPバーが表示される。これが戦闘開始の合図でもある。これが表示されると戦闘は避けられない。逃げることはできるけどね。逃げないけど。


「ヌルーン」


 スライムが少し平ぺったくなった直後、弾かれるように突進してきた。体当たり。このスライムが唯一してくる攻撃で、攻撃後はしばらく動かなくなるからそこで集中攻撃する。


 体当たり自体の速度はそうないから、避けるのはそんなに難しくない。軽いサイドステップで回避してアタシの後ろに飛んで行ったスライムへと斬り掛かる。


「せい!」


 斜め斬り下ろし、そこから返す刀で勢いよく横払い切り。そして踏み込みながらの一斬。三連撃によりHPゲージがあっという間に空になるスライム。ポリゴン片となって爆散し、目の前に討伐を知らせるリザルト画面が展開される。


「スライム一体討伐っと」


 まあこんな感じであっという間にスライムは討伐できる。アタシ程のステータスがなくても三十秒くらいあれば倒せるんじゃないかな?


 ただ一つ注意点。掲示板情報なんだけど、あのスライムに初っ端からアーツは使わない方がいいらしい。なんか、アーツ使ったらさっきみたいな平たくなる予備動作なしに体当たりを噛ましてくるとか。


 どの武器種でもほとんどのアーツは発動中に攻撃されると強制的に中断させられるんだって。マスタリーを上げていけばどんどん連撃数の多いアーツが使えるようになるんだけど、強制中断させられれば重大な隙を相手に晒すことになる。要するに大技は使い時をしっかり見極めなさいってことね。


 序盤のスライムならアーツを中断させられて隙を晒しても大した脅威にならない。スライム自体の攻撃力は大したことないみたいだからね。多分だけど、運営の優しさじゃないかな? アーツを強制中断させられたらこうなるよーって言うのを教えるためにとか。アタシの考え過ぎ?


 その後も辺りにいるスライムや再度湧いてきたスライムを何体も倒していく。リポップ時間が比較的短いのは助かるね。ただ、何故かアタシ以外のプレイヤーが全くと言っていい程いないのが気になるなぁ。とか言ってもやることはやるんだけど。


 レベルが4になるまでスライムを狩りまくる。他プレイヤーがほとんどいないおかげで、結構なスピードで経験値稼ぎができた。


 さて、ステータスポイントが15あるわけだけどどう振り分けようか。基本的に接近戦での立ち回りを考えてるから攻撃力に直結するSTRを上げるのは当然として、他はどうしようかな?


 一極振りは中々の浪漫ではあるけど、ソロるのを考えたら結構難しい。だからと言って全パラメーターを平等に上げれば成長速度は極端に鈍る。う~ん、この悩む時間が楽しいなぁ。ステ振りとかMMORPGの醍醐味の一つだよねぇ。


 まずはDEXを捨てる。一応初期ポイントは振ったけど、あれは一の位を0にしたかったっていうどうでもいい理由でしたことだもん。そしてアタシの場合、キャストタイムが短い魔法スキルがないからINTはまず上げなくていいかな。後はVITも今は保留だね。どうせ回避優先のバトルスタイルにするつもりだし。


 となると、振るのはSTRとMNDとAGIだね。筋力は当然、回避優先とは言っても予測困難な魔法が飛んできたら被弾するかもだから精神力を上げるのにも意味はある。敏捷力も回避するならあった方がいい。後は純粋な移動速度とかも上がって損はないし。



ステラ Lv4


種族:星魔


HP:900

MP:2190(+90)


ATK:89(74)

DEF:15


STR:90(+10)

VIT:30

INT:60

MND:73(+3)

AGI:72(+2)

DEX:60


スキル

〈流星〉〈星空〉〈星魔法〉〈神聖〉〈福音〉


StP0 SP23



 ステ振り完了。スキルポイントはレベル1アップごとに1ポイント取得みたいだね。ま、スキル枠無いから増えたところで何ができるわけでもないけど。ATK値のところにある括弧は、多分だけどスチールソードの方だと思う。スチールソードを持った時のATK値じゃないかな?


 ステータスを確定して森まで移動し、躊躇わず森の中へと踏み込む。樹木が茂って辺りが薄暗い。雰囲気抜群のいい森じゃない。これぞまさにファンタジーの森って感じがする。


 森に入った瞬間、視界の上の方に【イーストウッズ】っていう文字が表示された。それがこの森の名前なのかな? 直訳したら“東の森”だからね。


 というわけで、探索開始。らんららら~ん。


「ふぐぅっ!?」


 探索を始めて三秒後、右脇腹に衝撃がきて吹っ飛ばされるアタシ。なんだこの笑えない唐突な状況変化。


 コロコロ転がりながら衝撃を緩和していって止まる。衝撃を発生させたであろうものを見遣ると、アタシを吹き飛ばした何某は白い兎だった。既にスライムの時と同じHPバーが表示されてるから戦闘中である。


 視界上にある自分のHPバーを見たら三割くらい減ってた。え、何この攻撃力の高さ? というかどっから湧いたこの兎?


 仕方ない。戦闘が始まっちゃってる以上やるしかないか。相手を目前にして逃走するのはなんかヤダ。そう、アタシは戦場で死にやすいタイプなのさ。自分で言うなと。


 何はともあれ。やってくれたなこの白兎め! 覚悟しろ!


「やられたらやりかえす。倍返しだ!」




 この時のアタシは知らなかった。アタシが今いる【イーストウッズ】が、初見殺しのMOBが多数湧く嫌な森だってことを。だって情報掲示板に載ってなかったもん。

ご拝読ありがたいですぞwww


ブックマーク登録、評価する以外ありえませんなwww

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