考察・神託と解析の謎
よろしくおねがいします!次回は戦闘シーンですよ!
川のせせらぎに癒されながら俺たちは足を進める。川の周辺は見晴らしがいい。奇襲されやすい地形だが俺たちはみな足が速いため逃げるだけならなんとかなるだろう。だが奇襲の心配はそれほどしてない。
俺の体がでかすぎるからだ。たった1回の進化で親にせまるほどの体格になったせいだ。なんでこうなったんだか。
心当たりは一応ある。【魔神の加護】が影響しているだろう。そういや進化した後に見慣れないスキルが生えてきたな。ステータス確認しておこう。
_____________________
名前:アシュト
種族:グレイ・キラーウルフ(変異体)
状態:祝福・超健康
L V :1/35
H P :84
M P :40
攻撃力:43
防御力:28
魔力攻:21
魔力防:19
素早さ:75
ランク:E+
特性スキル:
【神託:LV1】
【解析:LV1】
通常スキル:
【噛みつく:LV4】
【引っかく:LV5】
【頭突き:LV6】
【逃げ足:LV2】
【嗅覚鋭敏:LV4】
【ステータス開示:LV2】
耐性スキル:
【痛覚軽減:LV3】
【毒耐性:LV2】
【麻痺耐性:LV1】
【幻惑耐性:LV1】
称号スキル:
【狼王の息子:LV‐‐】
【魔神の加護:LV2】
【ドジっ子:LV2】
【超石頭:LV‐‐】
【健康体:LV‐‐】
_____________________
まずこの【神託】と【解析】だ。詳細知りたいんだけど今まで説明なにもないんだよなぁ……。
『解析より告知。解析スキルをお使いになれば詳細を説明されます。ご利用ください』
ほわっ!? どこからか声が聞こえた! え、なに? 誰が喋ったの!?
『解析より回答。特性スキル【解析】が疑問にお答えしました。【解析】は疑似人格を有していますのでアシュト様の脳内へと直接お伝えしています』
これはあれか、鑑定ができるようになったということか! いろいろ知りたいことあったんだけどなかなか知る機会なかったんだよ。やったぜ!
『解析より指摘。通常スキル【鑑定】は無機物、マジックアイテム用となっております。【解析】が命ある生物に対するスキルという違いがあります。ご注意ください』
お、おう。区別されてるのか。心なしか【解析】さんが怒ってるような気がした。
『解析より回答。怒ってません。それよりも知りたいことがあったのでは?』
あ、はい。教えて【解析】先生!
脳に浮かび上がってくる情報。
_____________________
特性スキル:【神託】
・加護を授けた神からの声が聞こえるようになる。
・加護レベルを超えることはない。
・神の意志で恩恵を授かれることがある。
神の声:進化した際に名前を送っちゃった。君には期待しているよ BY:魔神
_____________________
なるほど、いきなり名前がついたのはこういうことか。これはたぶん特殊なケースだろうな。
『解析より告知。魔神により特性スキル【神託】【解析】と名前を贈られました。あとついでに称号スキル【健康体】も贈られています。ご確認ください』
あ、確かに称号にもさり気なく【健康体】が混ざっていた。このスキルの効果はなんだろうか?
_____________________
称号スキル:【健康体】
・病気になりにくくなる。体が頑強になる。
・肉体に関係するステータスの上昇率が少し上がる。
・状態異常にかかりにくくなる。
_____________________
ついでで贈っていいようなスキルじゃない気がする。普通にチートじみている。でも病気は怖いからほんと助かる。魔神さまありがとうございます!
ええと、あと知りたいことはなんだろう……。通常スキルと耐性スキルは見ればわかるようなものだからいいとして……。称号スキルの【狼王の息子』の効果教えて先生!
_____________________
称号スキル:【狼王の息子】
・必要経験値減少 取得経験値微増加
・進化先に影響あり
・狼系統の魔物への魅了効果
_____________________
こっちもチートじみてた。母様と父様って何者なんだろう……。でも兄たちが亜種になったのはこれが影響してたんだな、納得。俺は変異体だけどね! でも十中八九【魔神の加護】のせいだろうなぁ……。先生お願いします!
_____________________
称号スキル:【魔神の加護】
・必要経験値増加
・ステータス上昇率:大増加
・すべての魔に属する生物への魅了効果・大
・進化先に影響あり
・人族からの敵意増加・大
_____________________
まぁわかってた。というか、兄たちよりもレベルの上りが遅かったのってこの称号のせいか。その分、強くなりやすいみたいだけど。簡単に言えば大器晩成型にするのか。
しかし、人間からは必要以上に敵意を持たれるのか……。面倒な予感しかしない。今から向かうの人間が住む領域に近いんだけどなぁ……。できるだけ近づかないようにしないと。
_____________________
称号スキル:【ドジっ子】
・ドジをしやすくなる
・愛されるかどうかは本人しだい
・周りの呆れを買いやすい
_____________________
……ねぇ? 俺は聞いていないよ? 【解析】先生はいじわるなの?
******
日が昇って沈んでを2回繰り返し休んでは走っていた俺たちの前に建造物が見えた。だいぶ距離が離れているがあれが人間の集落だろう。見つからないように川から離れ、木々の隙間へと潜りこむ。
ひとまず身を休める巣をつくらないといけない。ちょうどいいところあるといいが。
集落から離れて2時間ほどしたか? 切り立った崖にぽっかりと開いた洞窟を発見した。大きくなった俺の体を5体分並べても余裕がありそうな広さだ。
これは何か住んでそうだなー。いかにも何かがいますよっていう感じがぷんぷんする。
どうするか悩んでたら、兄さんがため息交じりに告げてきた。
「行かぬなら我が行くぞ。それで様子を見るがいい」
あっ、止める間もなく行ってしまった。仕方ない見守ろう。危険がせまったらいつでもかばえるように心の準備だけはしておく。
兄さんは洞窟の入り口に立ち、フンフンと臭いを嗅いでる。生き物がいたらそれで何かしらの匂いがしてるはずだ。ゴクリとつばを飲み込む。
「ふむ……この匂いはゴブリンにコボルトに……知らないのも混ざっておるな」
ゴブリンとコボルトか。数がどれだけいるかが気にかかるが、10数体程度なら問題ないだろう。だがあの穴の大きさからしてそれだけの数しかいないとは考えられない。さて、入るべきか去るべきか……。
俺が洞窟に入るのかを決めかねていると穴の奥からうごめくものが出てくる。
「ギャァォ?」
ゴブリンの群れだった。




