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逃げ出した先は――

戦闘シーン難しいってよく言いますけどなんとかなるだろうって書いてみた。

めっちゃ気を遣うことに気付く。立ち位置とか諸々……。粗があるかもしれません(汗

 どれだけ走ったかわからない。息も絶え絶えに洞穴に身を潜めていた。

 あたりは暗い。気分がそう見せてるのか夜なのかもわからない。


 陰鬱な気分だった。

 今生に生まれ、血を分けた兄を失うということはこんなにもつらいのか。もうあんな思いはしたくはな――


 待て俺は何を考えてる? 前世が関係しているのか? ……駄目だわからない。

 兄と姉たちもまいっているようだ。したくはなかったとはいえ見捨てたのだから。



 ……気分は悪いが生きていくには強くなるしかない。そのためにもレベルを上げなければならない。


 状況を整理しよう。スートアの森の中部、ど真ん中から太陽の方向に向かって走り抜けたのは覚えている。すぐに暗くなったからおそらくは西に近い方向へと向かったはずだ。深部にそびえる山脈が遠ざかっていることからもここは浅部なのだろうか。

 ……情報が少ない。身を守るためにも情報がほしい。ひとまず洞穴から見える森からなにかつかめないか?


 暗い。月が出ている。夜。……見ればわかるような情報しかない。



 きゅるるる~~~


 気の抜ける音がした。どうやら俺のおなかかららしい。おなかすいた……。



 ******


 朝がきた。獣の体はかなり融通が利く。寝るときは空腹を忘れられた。思い出したらおなかすいた。ご飯欲しい。

 ……頭がまわらないせいで片言みたいにつらつら並べてしまった。ちょっとやばいかも。ともあれ、ご飯を食べるためにお肉を手に入れないと。

「兄ちゃん。狩りにいこうよ」

「そうだな弟よ」


 寝床にしていた洞穴から出て森に潜る俺たち。油断はしない。昨日みたいなことにならないように。

 そういえば人間だった頃はかなり引きずって落ち込みそうなものなんだが、今の俺はそこまで落ち込んでいない。むしろ切羽詰まっていてそれどころじゃないかんじがある。これは本能からくるものなのか? 具体的に言えばおなかすいた。結局これかよ。



 ******


 獲物発見! ウサギの番のようだ。念のためにステータスを見よう。ドンッ!


_____________________

名前:なし

種族:フォレストラビット

状態:空腹

L V :4/15

H P :15

M P :2

攻撃力:4

防御力:3

魔力攻:5

魔力防:8

素早さ:20

ランク:G


通常スキル:

【頭突き:LV2】

【逃げ足:LV5】

【聴覚強化:LV3】


耐性スキル:

【飢餓耐性:LV4】

【痛覚軽減:LV1】


称号スキル:

【縁の下の力持ち:LV‐‐】

【石頭:LV‐‐】


_____________________


 イメージに違わないステータスである。これなら俺達でも狩れるだろう。

 問題があるとすれば素早さが俺たちよりも上であるということか。逃げ足スキルまである。これは頭を使わないと空振りに終わりそうだ。さっそく兄ちゃんに相談だ。

「兄ちゃん、兄ちゃん。あの兎、素早さそうだよ。囲んで捕まえようよ」

「……このまま突っ込んでもよさそうな気がするが。まぁ念には念を入れておくか」

「ええ、そうね。私は右から行くわ」

「俺も」


 方針が決まり、俺たちは二手に別れ草むらに息を潜めて回り込むように近づいていく。

 草を揺らさないように、自然と一つになるように呼吸を穏やかに……。そうして無事俺たちはウサギを挟む位置についた。


 ウサギの番はのんきに草をハムハムしてた。気づいていないみたいだ。警戒心なさすぎじゃありませんかねぇ……。いや俺たちにとって都合がいいけど。

 兄ちゃんが目くばせで向こう側にいる2体に合図をする。向こうも同時にコクンとうなずいた。

「オォォォォンッッッ!」


 兄ちゃんの遠吠えが狩りの合図。俺たちは同時に地を蹴り駆け出す! ウサギは番にも目をくれずそれぞれ別の方向へと逃げ出そうとしたが、1匹の前に姉が立ちふさがった。おびえたウサギは足を止めてしまった。そこへ横から兄が脚をすくうように噛みついた。

 ウサギは対処できずひっくり返って無様に転ぶ。姉はその隙を見逃さず爪を振り下ろし首に刺し、血が飛び散った。悲痛な鳴き声も響いていた。


 もう1匹のウサギはこちらへと来ていた。俺は草むらから飛び出して立ちふさがった。さぁ止まれ! それがお前の最期だ!

 だがこのウサギは根性があるほうだったようで、足を止めるどころかさらに地面を強く踏みしめて勢いを加速してこちらへとつっこんでくる!

 毛に埋もれて見えない小さい角を突き出してくる。頭突きする気か!

「ウォォォォォオオオン!」

 ならこちらも頭突きだ! こちとらも石頭持ちじゃい!

 頭を下げ、下から突き上げるようにして頭を振り上げ、突進してきたウサギの顔面へと綺麗に入った。

「ピギュゥゥゥ!」

 空中で錐もみして顔から木に突っ込んでいった。そこへ兄が飛びかかり息の根を止めた。おいしいところを持っていかれた……。勢いの乗ったものを頭突きするもんじゃないな。頭がヒリヒリする。


 それはさておき……俺たちの力で勝ち取った肉ゲットだぜ!



あと、どうでもいい情報。

狼たちの会話は同種しか聞こえない言語みたいなものだと思ってください。ウサギには「ガルル」「ウォン!」などにしか聞こえてません。

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