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激突!ハイオーク!

ほんと戦闘難しい……

「ブフォォォォォォォォォォォォォォ!!」


 っ! いきなりか! あのオーク、単独で突っ込んできやがった!



 鈍重な見た目に反して瞬く間に間合いを詰め、木を削っただけの荒い棍棒を振り下ろしてくる!

「喰らうかよ!」


 もちろん、喰らってやる道理もないので素早く飛び退る。棍棒は地面に激突し、ガツンッと鈍い音を鳴らすに終わった。

 俺がビビッて引いたと思われたのか、ゴブリン達は歓声を上げてた。それにニヤリとした顔を返すオークがいる。


 棍棒を地面から抜き肩に担いだあとに、空いた手でクイクイと指を曲げだした。これはかかってこいってことか? 舐められたものだ。

「みんな、手を出すな。どうやらあちらは一騎打ちを望んでるみたいだ」

「……行くがよい」

「頑張ってね」

「食い破れ!」

 応援ありがとう。頑張るぜ。




 俺とオークは向かい合って対面している。俺からは鼻息も荒く、棍棒を握る手に力がますますこもっている様子がよく見える。ちらりとその後ろへと目をやればゴブリンとコボルトたちがいる。手を出す気はないのか武器を手にオークへ声援を送っていた。頑張れボス! やってしまえ! といったところか?


 半包囲のこの状態でかかられちゃたまらないが、後ろには兄弟もいるんだ。もしもかかられたら頼むぜ。まぁ、今のところそんな気はないようだが。


 さて、相手へ目を戻そう。オークは待ちの構えのつもりか、動かない。いいだろう、血祭りにあげてやる!

「グルォォォォォオオオオッ!!」


 俺は走る。もちろんまっすぐに突っ込まない。オークを中心にぐるぐると走り回っているだけだ。大抵の相手はこれで動揺するが、オークはじっとしていて動かない。ちぃ、動揺してくれないか。


 速度が最高に乗ってきたところで飛びかかる。オークから見て左後方へ目がけて!

 いくら硬くても関節は構造上どうしたってもろいはず。そこを突く!


 牙を剥き、瞬く間に間合いを詰める俺に対してオークは急に体をひねり、勢いをつけた棍棒をカウンター気味に薙ぎ払ってきた。まずいっ!


 俺はとっさに、進路を変える。振りぬかれようとする棍棒に向かって。

 迫る木の巨魁きょかい。び、びびるな! 動けなくなったら叩き込まれておしまいだぞ!

 体を捻り、体をかするにとどまった。まさに間一髪。


 だが、俺も攻撃ができないまま、すれ違いお互いにダメージなしで仕切り直しになった。


 想像以上に戦闘慣れしてやがる。対してこちらは格下相手しか経験がない。これはかなり不利だな……。

「グルルゥ……」

「ブルルフゥー……」


 素早さが圧倒的に勝っていて助かった。経験が豊富な相手でしかも先手とられるようじゃ勝ち目はないと言っていいからな。しかし、打てる手は少ない。賭けに出て勝ち目を拾うしかないのか?


 オークはニヤリと顔を歪め、また待ちの構えに入った。素早さで負けている以上、待ち以外に打てる手がないというのもあるだろうが。



 そして、俺は覚悟を決めた。肉を断たせて骨を噛み砕くだ!


 今度は小細工なしに真正面から向かう! 足とか小さいことは言わない。首を狙う!

 ダッ! と迫る俺を見たオークは意外そうに驚愕したのちにニヤリと、面白い迎え撃ってやろうと棍棒を構え、下からすくい上げるようにカウンターで合わせた。


 そして、俺は避けない。迫ってくる棍棒に目がけて、伝家の宝刀……超石頭を喰らえやぁぁぁぁっ!!



  ゴツウゥゥゥンッッ!!



 棍棒と頭がぶつかったとは思えない音が洞窟内に反響して響いた。ゴブリンとコボルトと兄弟みんな耳をぺたんとふさいでいた。

砂埃が晴れるいなや、どうなった! と見る彼らの前には結果が浮き彫りになっていた。



 骸となったオークの首に深々と牙を突き立ててるアシュトがいた。



 ******



『解析より告知。大量の経験値を獲得しました。レベルが大幅に上がりました』

 賭けには勝った。オークの膂力と俺の石頭がぶつかったら、吹っ飛ばされてしまい動けなくなる結果になっていただろう。そうならなかったのはオークの馬鹿力と俺の石頭の固さに木の棍棒が耐え切れなかっただけだ。

 砕け散った棍棒を前にしてオークは目を見張り動きを一瞬止めてしまった。勢いを乗せた俺を目の前にしてその一瞬はオークにとって致命的だった。首に牙を突き立て、自身の体を振り回すようにしてオークを地面に叩き込んだのだ。骨の折れる音が鈍く牙を通して伝わっていたので倒したことは確信していた。



「「「ウォォォォォオオオン!!」」」

 兄弟が俺の勝利を祝ってくれている。やったぜ!

 さぁ、ゴブリンとコボルトはどう出る?


「ギャゥ……」

「ウウゥ……」

「ギャァッ!」

「ウゥーッ!」

 目に諦めの色がない。それどころか怒りで今にも爆発しそうだ。まさか、この状況でかかってくるのか? ……オークよ、いやブギュザキ慕われていたんだな。


 一匹のコボルトの弓から矢が放たれた。それは見当違いの方向へ飛んで行ったが開戦の狼煙になった。後味は悪いがこちらも生きたいんでな。悪いが殲滅する!

「みんな、殲滅だ! 容赦はするな!」

「情けは無用だ!」

「倒すわ!」

「肉ぅ!」



 ――オーク及びゴブリン・コボルト混合群れ全滅




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