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退魔の孤島  作者: アンケン
5/5

到着

「さぁ、着いたよ」





 港から数十分。

 熊谷さんは走り続けていたランドクルーザーのエンジンを切り、車を降りる。



 それに続いて俺も降りると、目の前に見える一つの家。

 二階建ての一軒家は一階部分が交番になっており、一人暮らしの俺にとっては少し大きく感じそうだ。

 そう、ここがこれから俺の職場兼自宅になる神納駐在所である。


 これから俺はここで町のおまわりさんとして勤務することになる。

 それに対しての期待や不安はあるが、今となってはそれよりもさっきの熊谷さんの話が頭から離れない。




 退魔。

 千年以上前からこの地で続く魔物退治。俺の仕事はその手伝いをすること。


 そう熊谷さんから教わってから、俺の頭では混乱がまだ収まってない。

 そりゃ当たり前である。いきなり神や魔物の存在を信じろと言われ、さらにそれと戦えと言われたのだ。

 いきなり、はいそうですか、と受け入れるわけもない。





「四条君?大丈夫かい?」





「あ、はい。すいません」






 駐在所のほうに歩き始めていた熊谷さんが振り返る。


 ……そうだ。このまま混乱してるわけにもいかない。



 一度頬をパンと叩き、気合を入れなおす。

 そう、俺は警察官なのだ。

 しっかりしなければ…!




 そう思い熊谷さんの後に続く。

 どうやら先に自宅を案内してくれるようで、脇にある少し急な階段を上る。





「ここが今日から君の家だよ。とある一室以外は掃除して、しっかり綺麗にしてあるから遠慮なく使ってくれて構わないからね」





 そういってポケットから銀のカギを取り出し、俺へと渡す。





「ありがとうございます」




 そういってカギを受け取ると、そのまま鍵穴へと挿す。


 そして、少しの緊張を感じながらカギを回し中へと入る。

 ガチャリと開いた扉の先には一般的な玄関が広がっており、木製の綺麗な靴箱とちょこんと置かれた小さな靴。

 その先の廊下もきれいに清掃されており、まるで新築のようだ。





「ささ、入って入って」




「お、お邪魔します」





 熊谷さんに促され自宅へ上がる。

 廊下の左右には洗面所や風呂、トイレなどの部屋があり、一人暮らしにしてはやはり広く感じるだろう。


 そしてそのまま廊下の奥、リビングへと足を進める。

 扉を開けると、そこは落ち着いた感じのリビングは木製の家具が目立ち、広々と開放感のある感じの部屋だった。

 …すごくいい部屋だな。そう思い部屋へと足を進めると。




「あんたが熊谷の後任ね?」




 そう聞こえた声。

 思わず振り返る、が、熊谷さんはこんなかわいい声だったかな?




「こっちよ。どこむいてんのあんた」





 そう再び聞こえ、声のほうへ向き直る。



 ……女の子?

 そこにいたのはまだ幼さの残る女の子だ。

 黒く長い髪をポニーテールにまとめ、少し気の強そうな目の整った顔はさぞや異性からモテることだろう。

そして、何より目立つのは白い巫女服のような装束と、脇に置かれた一振りの刀。

 一体この少女は…?




「あ、美咲ちゃん来てたんだ」




「来てたんだ、じゃないわよ。熊谷が新人が来るからって呼んだんでしょ?」




「あ、そうだったかな?」




 そんなことをぼっと考えていると、後ろから熊谷さんが現れ女の子と話し始めた。




「えっと…熊谷さん知合いですか?」




 その様子を見て思わず尋ねる。

 すると熊谷さんは笑顔でこう紹介してくれた。





「あぁ、紹介するよ。彼女は鞍馬美咲ちゃん。この島の退魔師だよ」

さっそく女の子出ましたね。

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