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退魔の孤島  作者: アンケン
2/5

島へ

アクションシーンはまだまだ先かな…

 その声で干からびそうな体を持ち上げ、前を見る。

 水平線の先、太陽の光を浴びキラキラと光る波の間にそれは見えた。




 神納島。

 人口1500人の小さな町ほどの人が住む島だが、面積は伊豆大島の半分ほどあり、その大半を神納神社という神社が所有している孤島である。


 交通手段もこうやって船で行くしかないようなところだが、教官の説明では電気ガス水道すべてのインフラは整っており、衣食住も万全…らしい。

 話では政府レベルでこの島を支援しているんだとかなんとか…。





「着くぜ」




 短い船長の声が聞こえ、俺は慌てて荷物をまとめる。

 見るとすでに船は港へと接舷しようとしており、島の風景が鮮明に映るようになっていた。




 …きれいな街並みだった。

 日本建築の家が目立つ街並みだが、決して古臭くはなく、それでいて静かで澄んでいる空気が今までのじめじめしていた空気と違いとても心地よい。

 これも島特有の気候だろうか?そう思っていると軽い衝撃。どうやら接舷したらしく、船長がてきぱきとタラップを用意する。




「ありがとうございました」




「…あんちゃん、頑張んなよ」





 確かな地面の感触。

 船の上に慣れていた体が揺れない地面に違和感を覚えるが、しっかりと大地を踏みしめ、船長に一礼する。

 船長は一言、ねぎらいの言葉をかけてくれた後に、再び船を走らせる。

 


 水平線へと向かって進む船をしばらく眺めた後、再び島のほうを見る。





 ……これから俺は、この島を守っていくんだな。

 任官初日、胸に不安と期待感を抱えながら、俺は足を進める。




 そして気づく。

 ……誰かが待ってる?


 港の奥。

 船着場から少し離れたところで停まっている車と手を振る一人の男性をみて、それが俺に向けられていることに気づく。

 そういや前任の人が慣れるまでサポートしてくれるって言ってたかな?

 そういっていた教官の言葉を思い出し、手を振るほうへ駆け寄る。


 そして、そこにいたのはこんな小島には似合わない一台のトヨタ製ランドクルーザーと、一人の初老の男性だった。

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