悪魔と子供~特訓と光罪~ 第一章
徳魔達は戦の休息を行っていた!
悪魔と子供~特訓と光罪~
第一章…肉体と正道
特殊制裁班本部では鏡魔が一人でお茶を飲んでいた。
(鏡魔)「暇だなぁ~」
(鏡魔)(…徳魔君と雪ちゃんは東京の樹海で特訓に向ってもう三日は経過して、牙尾君は動物園から逃げ出した猿の追跡と捕縛に向って、陸海君は角花ちゃんの学校に向って授業参観に行って、像神君はフェンリルのお見舞いに向って心究君は調布のパトロールに行っているし…暇だなぁ~)
徳魔と天雲は東京の最西端にある樹海(山々)で刀と刀をぶつけていた。
(徳魔)「雪、攻撃に隙が多いぞ!」
(天雲)「分かってるわ!」
(徳魔)(…天雲一族の宝刀【雨の太刀】は本人の固有能力に力を発揮する)
天雲は後方に飛んで雨の太刀を横に振ると猛吹雪が樹海全体を覆った。
(天雲)(…徳魔一族の宝刀【封の太刀】は異能の力を吸収して圧縮して留めて――)
徳魔は封の太刀を上に翳すと猛吹雪が封の太刀に吸収された。
(天雲)(……一気に爆発させる!)
徳魔は天雲に向けて封の太刀を横に振ると爆発が天雲に向って飛んだ。だが、天雲は雨の太刀で雨を爆発に向けて飛ばした。
(徳魔)「付いて来られるか?」
(天雲)「当たり前でしょ!」
徳魔と天雲は刀を前に翳して強烈な気を発した。徳魔の周囲は揺れ始めて天雲の周囲は絶対零度級の冷気が周囲を覆った。
(徳魔)「……」
(天雲)(…まだ、奴等を倒すには程遠い!)
徳魔と天雲がぶつかろうとしたその時、周囲の空気が変わった。
(天雲)「これって!?」
(徳魔)「…強烈な憎悪と嫌悪感が周囲を囲った!」
(天雲)「…来るわ!」
その時、地面の底から黒い霧が上空に噴出した。更に黒い霧の中から傷や火傷を負った人達が這いずり上がって来た。
(徳魔)「…次の特訓だ!」
(天雲)「…徳ちゃんらしい」
天雲は笑みを浮かべると雨の太刀を鞘に納めた。徳魔は封の太刀を地面に刺した。
(徳魔)「…外に現れた地縛悪霊全てを刀と能力を使わずに無力化にしろ!」
(天雲)「はい!」
地縛悪霊達は徳魔と天雲に突っ込んでくるが天雲は地縛悪霊達を掌低と回し蹴り等の体術で返り討ちにした。徳魔は地縛悪霊達を体術だけで圧倒した。
(徳魔)「…まあ、こんな物か」
(天雲)(…相変わらずの強さね)
天雲は体術のみで地縛悪霊達を無力化した。
(天雲)「…ざっと――」
その時、地縛悪霊達が飛んで来た札に吸収されていった。
(徳魔)「…めんどくさいのが現れやがった!」
徳魔が見ている樹の陰から一人の男性が現れた。
(徳魔)「…式神使いにして現在最高位に立つ、冨田 炎魔!」
(冨田)「…久しぶりや」
(徳魔)「…何でこんな所に居やがる!? お前は国防省のブラックリストに載っている超一級の指名手配犯が?」
(冨田)「やだねぇ、俺はこの国の為に悪霊達を式神として札に封印しているだけだよ」
(徳魔)「…本当にそうか? 最近若者の間で噂が流れている…【墓地に違う場所で死んだ筈の幽霊が出る】と言う噂が」
(冨田)「別に可笑しくないだろ? 先祖代々のお墓が噂の墓地に在ってそこに――」
(徳魔)「いや、その墓地に現れる筈のない幽霊の墓標は無いよ」
(冨田)「だとしたら、誰かが――」
その時、徳魔の懐に潜り込んで冨田は徳魔に掌低を腹に当てた。
(冨田)「――意図的に行っているしかないよね!?」
冨田が不敵な笑みを浮かべるが徳魔は掌低が当たる直前に掌低で相殺した。
(徳魔)「…お前の狙いは――」
その時、冨田の背後に天雲が現れて回転かかと落としを決めて追撃に右ストレートを冨田の背中に当てた。
(徳魔)「――平将門を式神にする事だ! …いや、それだけじゃ無い! 日本に敵意を持っている武士や天皇を式神にする事だ!」
冨田が気を失うのと同時に冨田は札に変わった。
(徳魔)「…やっぱり、通信用の式神だったか」
(冨田)(式神を倒すのは良いが俺がやっている事は間違っているか? この世を安全にするにはやむを得ない事だぞ?)
(徳魔)「…それでも、俺はお前を止める!」
(冨田)「…そうかい…まあ、自分も今は戦力確保に勤しんでいるので――」
(徳魔)「…お前が昔に使っていた式神の【深恋】と【志最】は如何した?」
(冨田)「…お前には関係無い!」
(徳魔)「関係が――」
その時、徳魔と天雲の上空に雷雲が集まり始めた。
(冨田)「…悪いけど少しの間だけど眠っていてくれよ!」
(徳魔)(そう来るかよ!)
徳魔は天雲を突き飛ばした。雷雲が徳魔に向って雷を放って徳魔は直撃して札はその反動で燃えてしまった。
(天雲)「徳ちゃん!」
徳魔は辛うじて立っていた。天雲は直ぐに駆け寄った。
(徳魔)「大丈夫だ!」
徳魔はそう言うと気を失った。天雲は徳魔に膝枕をさせてあげた。
(天雲)「無茶して」
(天雲)(…最初、地縛悪霊達が現れた時に封の太刀を地面に刺したのは周囲の地縛悪霊達の数を増やさない為に行った。……でも、それだけじゃ無い。徳ちゃんは私との特訓前から冨田が近くの物陰から見ていたのを知っていた。だから、冨田との戦闘を予測して封の太刀を地面に突き刺したままにして置いた。じゃなかったら、地縛悪霊達が札に吸収された時に封の太刀を地面から抜いて警戒態勢に入っていた。じゃなかったら、辺り一面が消失してニュースになっていたでしょうね)
天雲は徳魔の頭を撫でた。
(天雲)「…ここでの修行はこれで終りかしら」
(天雲)(徳ちゃんは何時も頑張り過ぎよ)
徳魔は安心した表情で眠っていた。天雲は徳魔の表情を見て微笑んだ。
その頃、獅血は動物園の柵から逃げ出した猿を動物園内で飼育員達と一緒に情報整理をしていた。
(獅血)「…状況は如何なっている?」
(飼育員)「猿は現在、補足不可能ですが…数分前に象の檻付近で目撃情報が在りました」
(獅血)(…象の檻の近くには事務所が在った筈……目撃現場は近くだが、猿の声が聴こえない……と言うよりは他の生物達の声が邪魔をして特定が難しい)
(獅血)「…猿の階級はどの辺ですか?」
(飼育員)「一番上です!」
(獅血)(…ボス猿か…ならば――)
(獅血)「猿はまだ園内に居る筈だ!」
(飼育員)「それは本当ですか?」
(獅血)「ええ、逃げた猿は自由を求めていた。それに逃げた猿はボス猿です」
(獅血)(だとしたら……)
(獅血)「……動物達の檻の鍵は如何しました?」
(飼育員)「事務所に――」
(獅血)「マジかよ!」
獅血は直ぐに事務所まで駆けだした。
(飼育員)「如何したんですか?」
(獅血)「皆さんはお客さんの避難誘導と園内と園外を隔離して下さい!」
(飼育員)「如何して?」
(獅血)「兎に角、急いで下さい!」
(飼育員)「は、はい!」
飼育員達は園内のお客さん達の緊急避難を行った。獅血は急いで事務所に駆け付けて急いで中に入ると一匹の猿が鍵束を手に持っていた。
(獅血)「やっぱりか!」
(ボス猿)「何か文句在るか!」
(獅血)「在るに決まってるだろうが! その鍵を――」
獅血はボス猿に突っ込んで鍵束に手を近付けるがボス猿は自慢の身軽さで獅血の背後に回った。
(ボス猿)「無理に決まっているだろう」
(獅血)「流石にボスになった奴なだけは在るか……おい!」
(ボス猿)「何だ!?」
(獅血)「一応、尋ねるがお前が鍵を持って如何する気なのかを訊きたい!」
(ボス猿)「皆を解放する!」
(獅血)「何故、そんな事を!?」
(ボス猿)「我々は道具じゃ無い!」
ボス猿はそう言うと事務所の窓ガラスから飛び出して行った。
(獅血)「…やっぱりか」
(獅血)(気持ちは分かるけど…だったら――)
その時、一人の飼育員が事務所に入って来た。
(飼育員)「お客さんの避難誘導はもうじきで――」
(獅血)「避難誘導から別の行動が出来る者は麻酔銃を持って避難誘導をしているお客さんの最後列の護衛をお願いします!」
(飼育員)「如何言う事ですか?」
(獅血)「説明は後でしますから急いで!」
(飼育員)「は、はい!」
飼育員は無線を使って他の飼育員に連絡を取った。
(獅血)(…ボス猿の奴が猛獣を檻から出さない様に動かないと!)
獅血は割れた窓ガラスから飛び出してボス猿の後を追った。
(獅血)(…まあ、以外に――)
獅血の右横の建物の物影から槍が飛んで来るが獅血は槍の刃部分をかわして持ち手を掴んだ。
(獅血)「何者だ!?」
飛んできた方向の建物の物影から一人の女性が現れた。
(女性)「邪魔はさせない」
(獅血)(…槍を使っての攻撃)
(獅血)「お前は槍銛一族の者か!?」
(女性)「そうよ! 私は槍銛一族の槍銛 香衣よ!」
(獅血)「何故止める!?」
(香衣)「貴方を殺して東京をダイナミックにさせる!」
(獅血)「何だと!?」
(香衣)「それがあの人の祈願だから」
香衣は獅血に銛を投げた。
(獅血)「やべっ!」
獅血の腹に銛が命中した。
(香衣)「後はこのまま遠くまで――」
その時、銛に付いていた糸を斬る音がした。香衣が振り向くとそこには座縁がいた。
(香衣)「…座縁」
(座縁)「…まさか、貴女が此処に居るなんて!」
(香衣)「何故、此処に居るのかしら!?」
(座縁)「獅ちゃんを助けに来ただけよ!」
(香衣)「させると思う!?」
(座縁)「普通は無理よ。貴女との技量は私の方が遥かに下だから」
(香衣)「逃げられる勝算は――」
(座縁)「あるわよ」
座縁は笑った。香衣は座縁の笑みに頭の沸点が切れて両手に小型の銛を持ち座縁と獅血目掛けて飛ばした。座縁に当たる直前に獅血が両手の掌に完通させて受け止めた。
(獅血)「…そう…簡単に終わらせはしない!」
(座縁)「獅ちゃん、あれ使える?」
(獅血)「一応、使えるけど」
(座縁)「だったら、あの人が突っ込んでくるのと同時にお願い」
(獅血)「…了解」
(香衣)「何を話しているの!?」
香衣が突っ込んでくるが半分まで突っ込んだ所で何かに突き飛ばされた。
(香衣)「今のは!?」
香衣が座縁達の方を見ると既に姿が見えなかった。
(香衣)「逃げられた!」
香衣は拳を強く握って地面に叩き付けた。すると、香衣の無線に連絡が入った。
(香衣)「あら、ダーリン」
(無線の相手)「香衣、未然に防がれられない様にしろ!」
(香衣)「分かっているわ」
(無線の相手)「…もしも、未然に防がれた場合は――」
(香衣)「分かっているわ」
(無線の相手)「頼んだぞ」
(香衣)「ええ」
香衣は無線を切った。
(香衣)「あの二人が此処に居たのも数分程度、ボス猿が近場の仲間の解放までもう少し時間が掛かるかしらね」
香衣は獅血と座縁の後を追い掛けた。
その頃、地泉は角花の学校の校長室に居た。
(地泉)「…俺に依頼が在るのでは?」
(校長)「それは三者面談が終わってからで良いですよ」
(地泉)「そうですか」
角花の方は授業中(歴史)で必死に頭に叩きこんでいた。
その頃、淨櫳は渋谷に在る病院の304号室に入院している獰子の看病をしていた。
(淨櫳)「まさか、こうなるとはね」
(獰子)「私も驚いたわよ」
淨櫳と獰子は笑っていた。
その頃、心究は辰岐摩病院に巡回に来ていた。
(心究)(…今日も時効犯が病院に居る感じは――)
心究が廊下の遠くの方を見るとそこには怪しい男性の入院患者がいた。
(心究)(…あいつ何を)
心究が様子を見ていると男性の横に看護婦が通ると男性は看護婦の足元にボールペンを落した。看護婦はそれを拾って男性に手渡して男性は謝った。
(心究)「…あいつ」
心究は男性を監視していた。
その頃。復実は羊川総合病院で看護婦として働いていた。
(復実)(…タクちゃんだけに頼っていちゃダメよね! 私も自分で自分の苦手を克服しないと!)
その時、復実の背後から復実を呼び止める声がして復実が振り向くとそこには軍人の様な体つきの男性がいた。
(男性)「すいません、民鯉 箕楼の病室は何処でしょうか?」
(復実)「ああ、民鯉さんの病室はこちらです」
復実は男性に民鯉の病室まで連れて行った。
408号室前――
(復実)「此処ですよ」
(男性)「有難う御座います」
(復実)「いえ、当たり前の事をしただけですよ」
男性は408号室の病室に入って行った。
(復実)(彼女のお見舞いかしら?)
復実は微笑んで408号室の前から去って行った。
408号室の中では眠っている女性がいた。
(男性)「…何とか見つけるから」
男性は女性の手を強く握った。
悪魔と子供~特訓と光罪~ 第一章 完
悪魔と子供~特訓と光罪~ 第二章 続く――
遂に……




