悪魔と子供~老朽と伝説~ 第三話
特殊制裁班は年代は違えど親友となったご老人こと総鬼羅氏が死去された。徳魔達は総鬼羅氏の最後の遺言である「息子に葬儀をしてほしい」と言う願いを徳魔達は願うが総鬼羅氏の息子夫婦は父である総鬼羅氏を【母と自分を捨てた最低なクズ男】として憎んでいる。徳魔達は岬囚夫妻の気持ち変えて総鬼羅氏の思いは叶えられるのだろうか?そして、総鬼羅氏は何故、数々の事件を起こす事になってしまったのか? その黒幕とは一体?
悪魔と子供~老朽と伝説~
第三話…真実と葬儀
徳魔と天雲は下水道に入っていた。
(天雲)「徳ちゃん、私達が行く所は何処なの?」
(徳魔)「俺達は……田無駅付近にある廃墟だ」
(天雲)「以外に近場なのね?」
(徳魔)「遠い場所は旅行中の隙に解決して居たからな」
(天雲)(徳ちゃんは……)
(天雲)「…それで、下水道から行くの?」
(徳魔)「まあな、だが、歩くと相当な時間が掛かる」
(天雲)「走る?」
(徳魔)「いや、其れよりも早い方法が一つだけある」
(天雲)「…そう言う事ね」
天雲は下水道の水路の水を一瞬で氷漬けにした。すると、徳魔と天雲はスケートの様に滑り始めた。
(徳魔)「この方法なら一番早い」
(天雲)「でも、徳ちゃん、帰りは使わない方が――」
徳魔は速度を上げて先に進んだ。
(天雲)「聴いて無いわね」
天雲もスピードを上げた。
二分後、徳魔達は田無駅付近のマンホール(路地裏)から出て来た。
(徳魔)「雪、気をつけろよ」
(天雲)「分かっているわ」
徳魔と天雲は廃墟に入ると80代を超えた男性と遭遇した。
(男性)「…まさか、君と出会うとは驚いた」
(徳魔)「まあ、予測はしていましたよ 暴力団【烏の会】の元頭首にして大先輩の徳魔 鶴冶さん」
(鶴冶)「久しぶりだな……【一族順位決定戦】以来か」
(徳魔)「ええ、あれ以来ですよ」
(天雲)(元一位に君臨していた。鶴冶さんと徳ちゃん)
(徳魔)「…止めますよ」
(鶴冶)「ほお、何をかね?」
(徳魔)「今の烏の会を壊そうとしていますね?」
(鶴冶)「やっぱり、ばれていたと思ったよ。君は相手の予測パターンを何百通りにも計算して導いてあちこちに罠を巡らせる。君はそういう男だ」
(徳魔)「…雪、離れてろ」
(天雲)「はい」
天雲は徳魔の近くから離れた。
(徳魔)「…徳魔一族には代々、就いてはいけない職が存在していた。その一つが暴力団です。鶴冶さん、貴方はその暴力団に加入して頭首にものぼりつめた。貴方は何を考えているのですか?」
(鶴冶)「…君こそ、徳魔一族の就いてはいけない職の一つ【裁判官】に就いているではないか。お前こそ、何を考えておる?」
(徳魔)「俺は……」
その時、鶴冶は徳魔に向けて【微風の棒】を振るうが徳魔は動かずに【微風の棒】を弾いた。
(徳魔)「甘いですよ。距離を取って奇襲とは」
(鶴冶)「お前さんは【一族順位決定戦】の時、我々一族を30分も経たずに全員を一斉に片付けた……そんな奴にそう簡単に距離を縮められるか」
その時、徳魔と鶴冶の周りの空気の流れが変わった。鶴冶は超能力をフルに使い徳魔に襲い掛かるが徳魔は超能力で攻撃を全て弾いた。
(鶴冶)「如何した? 防戦一方じゃねぇか!?」
鶴冶の表情は既に戦闘狂と化していたが徳魔は無表情だった。
(天雲)「……」
鶴冶と徳魔が戦闘しているのを見ている天雲の背後から鶴冶の手下が天雲を襲うとするが天雲は背後に【絶対零度】を放ち鶴冶の手下を一瞬で凍らせた。
(天雲)「女性の《プライベート・スペース》を甘く見ないことね」
その時、徳魔が壁まで吹き飛んだ。
(天雲)「徳ちゃん!」
(鶴冶)「私の勝ちだ」
鶴冶が【微風の棒】を【微風の剣】に変えて徳魔の首を斬ろうと振るうが徳魔は右手で受け止めた。
(徳魔)「俺の勝ちだ」
徳魔は笑みを浮かべた。
(鶴冶)「何を――」
その時、鶴冶の上の天井が落ちて来るが鶴冶はギリギリでかわした。砂煙が舞った。
(鶴冶)「これじゃ、奴が見えない」
鶴冶の後ろに徳魔が現れ右ストレートを放つが鶴冶はギリギリで気付き攻撃を避けた。徳魔はまた砂塵の中に消えた。
(鶴冶)(…どうやってこの場所を――)
その時、鶴冶の上空から氷柱が落ちて来るが鶴冶は【微風の剣】で全て弾いた。
(鶴冶)「氷柱…天雲一族か!」
(徳魔)「いや、それは俺が仕掛けた物だ!」
鶴冶の背後から徳魔が現れ左手で裏拳を放つが鶴冶はまたかわすが徳魔はそのまま振るった。鶴冶はかわさずに受け止めると廃墟内の砂煙が風で全てが外に舞った。すると、鶴冶の周りは大穴が開いていた。
(鶴冶)「これは!」
(徳魔)「罠を仕掛ける為に開けた穴だ。天井を見て見ろ」
鶴冶が上を見上げると無数の棘が仕掛けられていた。
(徳魔)「少しでも動けば天井の罠が作動してお前は死ぬ!」
(鶴冶)「此処までやるとは――」
(徳魔)「降参して【烏の会】への進撃を止めて下さい」
(鶴冶)「…もう、賽は投げられた」
鶴冶は笑みを浮かべると後方に飛んだ。
(徳魔)「……」
鶴冶はそのまま逃げた。徳魔は追わなかった。
(徳魔)「雪、大丈夫か?」
(天雲)「私は大丈夫よ、でも、徳ちゃんってば私が背後の敵を凍らせた時に罰を与えたでしょ?」
(徳魔)「ばれてたか」
(天雲)「当たり前でしょ! 徳ちゃんがそう簡単に吹き飛ばされたりはしないわよ。それに見えてたから」
(徳魔)「そうか」
徳魔は天雲の頭を撫でた。
(天雲)「…それにしても天井の“あれ”(無数の棘)って偽物でしょ?」
(徳魔)「ああ、あれは鶴冶さんの計画を止める為のブラフだったのだが失敗したか」
(天雲)「…烏の会は大丈夫かしら?」
(徳魔)「…大丈夫だ。烏の会には強力な味方が付いているようだし、それに俺達が今やるべき事は他に在る」
(天雲)「…そうね」
(徳魔)「帰るぞ」
(天雲)「はい」
徳魔と天雲は廃墟を出て再度、マンホールに降りた。
(天雲)「同じ方法で戻る気?」
(徳魔)「そのつもりだ」
(天雲)「…無理よ」
(徳魔)「如何して?」
(天雲)「下水道の水を凍らせば専門業者が来て調査を始めるわよ」
(徳魔)「…それもそうか」
(天雲)(…徳ちゃん、慌てているのが分かり過ぎよ)
(徳魔)「仕方ない…足音を出さずに走って戻るぞ」
(天雲)「それが良いわ」
徳魔は左手で自分の靴と天雲の靴を性質に【足音無音】を付加させた。徳魔と天雲は下水道を駆け抜けた。半分まで来ると徳魔は立ち止った。
(天雲)「如何したの?」
(徳魔)「…人のにおい」
徳魔は真上にマンホールが在った為にそこに上った。
それから数十分後、徳魔と天雲は特殊制裁班に戻って来た。
(徳魔)「ただいま~」
(鏡魔)「あら、可なり早く帰って来たのね?」
(天雲)「まあね」
(徳魔)「それで、今の状況は如何だ?」
(鏡魔)「異常は無いわ」
(徳魔)「そうか」
その時、鏡魔に連絡が入った。
それから十数分後、特殊制裁班にメンバー全員が集結した。
(徳魔)「さて、俺と雪は総鬼羅氏の息子ご夫婦に会いに行く。お前らは通常勤務を頼む」
(全員)「了解!」
(徳魔)「雪、行くぞ!」
(天雲)「はい!」
徳魔と天雲は総鬼羅氏の息子ご夫婦の所に向った。
五分後、徳魔と天雲は息子ご夫婦の家に着いた。徳魔は家のインターホンを鳴らすと妻の岬囚 丸美が出て来て中に入らせた。
(丸美)「ちょっと、知人から呼び出されて…連絡はしておきましたので直ぐに戻って来ると思います」
丸美は徳魔達にお茶を出した。
(徳魔)「これはご丁寧に」
(天雲)「奥さんのお聞きしたい事が在ります」
(丸美)「何でしょう?」
(天雲)「奥さんは総鬼羅氏と夫の仲を如何思っていますか?」
(徳魔)「……」
(丸美)「…私は」
その時、玄関が開く音がして夫の岬囚 渦光が帰って来た。
(丸美)「お帰りなさい」
(渦光)「ああ、……それで調査を終えたのか?」
(徳魔)「終わったから此処に来たのですよ」
徳魔は笑みを浮かべた。
(渦光)「聴かせてもらおうか」
徳魔は岬囚夫婦に自分達が行った調査の全てを詳細に教えた。(超能力の事は伏せて)
(徳魔)「…そう言う事です」
(渦光)「…つまり、あいつは借金返済の為に暴力団の仕事を行い、借金返済を行っていたと?」
(徳魔)「ええ、総鬼羅氏は犯罪者ですが知人の借金を返済していたのです」
(渦光)「…その知人が誰ですか?」
(徳魔)「貴方ですよ。岬囚 渦光さん」
(渦光)「! 馬鹿な!? 俺はまだ生まれても――」
(天雲)「確かに貴方は生まれていなかった。ですが、総鬼羅氏と総鬼羅氏が愛していた女性…岬囚 光美の二人はまだ結婚もしていなかった。だけど、二人の間に子供が出来た。其れが貴方です。そして――」
(徳魔)「――二人はバイトの身で子供を養う事も結婚式を上げることさえ出来なかった。総鬼羅氏は暴力団に借金をして裕福な家庭を提供が出来る様に【烏の会】に嘆願しに行った。総鬼羅氏の願いは無事に成就されたが条件が付いた。それは【家と金銭と身の回りの事を我々がやる代わりに借金の返済として総鬼羅氏が暴力団の仕事を行う事】…それが、総鬼羅さんが犯罪を行った理由です」
(渦光)「…嘘だ!?」
徳魔は溜め息を吐くと懐から一つの写真を渦光に見せた。
(徳魔)「この写真は自分が総鬼羅さんから預かった写真です」
そこには赤ん坊の渦光とそれを優しい頬笑みで見ている総鬼羅氏と光美の姿だった。
(徳魔)「お二人は良い笑顔です。貴方は総鬼羅氏にちゃんと愛されていたのです。写真は過去の一瞬の出来事ですがそこには色んな感情が込められています。その写真だってそうです。愛情は人によって表現力が変わりますが思いに嘘は吐けない! だからこそ、貴方達は葬儀を行うべきです。光美さんだってそう願っています」
(渦光)「…お袋」
渦光は涙を流して写真を強く抱きしめた。丸美は渦光に優しく抱き付いた。
数日後、総鬼羅氏の葬儀は無事に行われた。徳魔達も葬儀に参列して最後まで見守った。
総鬼羅氏の死はこうして無事に解決して無事に葬儀が行われ総鬼羅氏は無事に黄泉の国へと旅立った。次回は同窓会第二弾! 更に緊急事態が発生!
悪魔と子供~老朽と伝説~ 第三章 完
悪魔と子供~同双と愛償~ 第一章 続く――
総鬼羅氏の葬儀は無事に総鬼羅氏の息子夫妻である岬囚夫妻によって執り行われた。
だが、総鬼羅氏を操っていた【烏の会元頭首】の徳魔 鶴冶は何かを目的にして動いていた。果たして徳魔 鶴冶の目的とは?




