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悪魔と子供  作者: 戌尾 昴
38/58

悪魔と子供~真休と祭典~ 第三話

徳魔&天雲組と心究&臓組のお話

心究と臓はとある一件で在る場所に向かった

徳魔と天雲は地元の祭りへ・・・。

だが、事件は此処でも起きてしまう!

徳魔達はどう動く?

        悪魔と子供~真休と祭典~


第三話…医進と終祭

心究と復実は青木ヶ原樹海に着いていた。そこには観光バスがずらりと駐車場に並んでいた

(心究)「今日は意外と多いな」

(復実)「そうね、前に来た時は…二台なのに今回は十台だわ」

(心究)「……」

(復実)「どうかしたの?」

(心究)「いや、何でも無い」

心究と復実はそのまま青木ヶ原樹海の奥に進むと巨大な建物が立っていた。心究と復実は建物内に入り一つの部屋に入ると医療関係者と報道陣がいた。

(復実)「今年は凄いわね」

(心究)「今回は平成になってからの医療・医学・医術の技術の進歩やこれからの技術の進展を公表する日だからな」

(復実)「今年で平成って終りだっけ?」

(心究)「違うよ 今年が――」

(男性の声)「――今年が【午年】と言う年であり、【駆け出す年】だからですよね」

心究と復実の所に一人の男性記者が駆け寄って来た。

(記者)「どうも、私は西幸さいこう新聞の下谷しもや 統也とうやです」

下谷記者は心究と復実に名刺を手渡した。

(心究)「これは、ご丁寧に」

(下谷記者)「貴方達は?」

(心究)「私はこう言う者です」

心究は下谷記者に名刺を手渡した。

(下谷記者)「【依頼派遣医師…心究 匠】ですか」

(心究)「はい、私は主に病院側が搬送したが無理だと諦めた患者を救うのが私の役目です」

(復実)「私はその補佐の臓 復実です」

(下谷記者)「心究と言うと海外の病院で沢山の患者を救って来た心究しんきわ ゆたかさんの御子息ですか?」

(心究)「ええ、心究 肥は私の父です」

(下谷記者)「これは失礼しました」

(心究)「構いませんよ。私は一番にそれを嫌います」

(復実)「匠君は親の立場を知って手の平を変えられるのがお嫌いなのです」

(下谷記者)「そうでしたか、ですが偉大な医師の御子息なのですからこうなってしまうのは仕方ないです」

(心究)「そこは十分に承知しております」

(下谷記者)「…所で【依頼派遣医師】とは如何言う事ですか?」

(心究)「まあ、暇ですから」

(下谷記者)「…本業は何をなさられているのですか?」

(心究)「企業秘密です」

(下谷記者)「…そうですか、貴方達は何故此処に?」

(心究)「時間が出来まして丁度、スケジュールと今日の暇な時間が一致しまして此処に」

(下谷記者)「そうでしたか」

(復実)「…そう言えば今日は《あの人》に会う為でもあるでしょ」

(心究)「そうだった! 下谷さん、済みませんがこれから大事な要件がございますのでこれで」

(下谷記者)「そうですかでは」

心究は下谷記者と握手して別れた。

(下谷記者)「…まあ、盗聴器は匠君に渡せた これで、特ダネをものにしてやる」

下谷記者は笑みを浮かべて会場で時が来るのを待って行った。

それから数時間後、医療の今までの歩みとこれからの歩みについて80代後半の女性医師が語っていた。

(女性医師)「――この26年で医療は飛躍的に進化しました この先も医療が進化し続ければ人だけでは無く人以外の生物の治療も直ぐに可能となるでしょう」

(司会)【――以上が医療の女性最高権威…累川たかがわ 癒羅ゆら医師からの会見でした。――続きましては――】

累川医師は壇上から下手に行くと心究と復実が待っていた。

(累川)「久しぶりね」

(心究)「お久しぶりです 累川おばさん」

(累川)「…来なさい」

(心究)「はい」

累川と心究と復実は累川医師の控室に案内された。累川医師は心究と復実に紅茶を出した。

(累川)「匠君、今日は如何して来たの?」

(心究)「実はこちらの臓 復実さんに手術の心得を教えて欲しいのです」

(累川)「…貴方は?」

(復実)「私は臓 復実…看護婦です ですが、看護婦で終わるつもりは在りません! 人の命を救いたく医師免許を取る為に猛勉強をしているのですが実施試験で何時も駄目で――」

(心究)「…そこで累川おばさんに頼みに来たのです」

(累川)「…分かったわ。匠君、少しの間、復実君を借りるわね」

(心究)「お願いします」

(復実)「宜しくお願いします!」

(累川)「匠君は小一時間ほど席を外れてくれないかしら?」

(心究)「分かりました」

心究は控室を出ると男性医師と女性医師が話している所を偶然見かけてしまった。

(心究)「あの二人の会話が気になる」

心究はこっそり尾行して男性医師と女性医師の会話を盗み聴いた。

(男性医師)「聴いたか?」

(女性医師)「ええ、【霊安室にある遺体が突如として消える】でしょ?」

(心究)(遺体が消える!?)

(男性医師)「最近、更に増し始めて世界中で百件以上が消えているらしいぞ」

(女性医師)「一体、誰がそんな事をしているのかしら?」

(男性医師)「さあな、憶測だが犯人は【死体にしか興味が無い人じゃないか】って言う噂が流れる程だ」

(女性医師)「怖いわね」

男性医師と女性医師はそのまま姿を消した。

(心究)「…遺体が消える…最近になって増し始めた まだ、何か在りそうだけど…まあ今は気にしなくて良い方向だな」

心究は気楽に自販機でお茶を買い、飲んで居た。

それから小一時間後、心究は累川医師の控室に行くと復実の顔が少し暗かった。

(心究)「如何した?」

(復実)「いえ、何でも無いわ」

(累川)「…匠君、ちょっと良いかしら?」

(心究)「は、はい」

累川と心究は控室を出て誰も居ない場所に向った。

(累川)「率直に言うわ……彼女は医師には向いていないわ」

(心究)「…どうしてですか?」

(累川)「彼女は内臓を見てその内臓が動いているのが怖いのよね?」

(心究)「…はい」

(累川)「問題は彼女の相手への思いよ 救いたいと言う気持ちは十分にある合格ね でも、本番になるとグロ過ぎて無理と言うこと…分かる?」

(心究)「…それを治す方法は無いのでしょうか?」

(累川)「匠君の能力なら不可能ではないわ 貴方の力を肉体と精神を操る力…【治癒使い】…いえ、本当の名は【肉体精神操作】…その力で彼女を眠らせて自分の苦手を自分の世界で克服させるのが一番良いでしょうね…たった一人」

心究は右手を見ると拳に変えて強く右手を握った。

(心究)「…出来ませんよ。彼女は俺にとって――」

(累川)「…聴いたわよ 復実君からね 迫真の演技だったわね 私に貴方達の関係を隠して助けて貰おうとはね」

(心究)「済みません 俺達の関係を知れば特別扱いしてしまうと考えての事だったので」

(累川)「分かってるわよ 匠君は特別扱いが一番に嫌いなのは知っているわよ …それで、貴方は――」

(心究)「おばさん! それ以上は言わないで下さい! ……お願いします」

心究が強く言葉を放った時に下谷記者の名刺が落ちた累川医師が拾うと累川医師は名刺に小さな盗聴器が付いている事に気が付くが心究に下谷記者の名刺を渡すと耳元で小さく盗聴器の事を呟いた。

(心究)「…そうですか」

(累川)「…後は惨い戦場に彼女を送りこませてこれ以上酷い惨状が在る事を経験すれば多少は手術での緊張は解れるでしょうけど…」

(心究)「…慣れ以上の事ですか…ですが、それは駄目です 既に結構経験しています」

(累川)「…足りないのよ 時間が」

(心究)「そうは言っても彼女にも仕事がありますし、仕事の合間だって限度があります」

(累川)「不可能ね…でも、時間はまだ有り余っているじゃない?」

(心究)「…そうですね、時間は有りますから慌てずに行きます」

(累川)「私はもう心臓は止まっているけども貴方達の心臓はまだ、動いたばかりしっかり生きて行かなきゃ!」

累川は心究の肩に手を置くと優しい笑みを贈った。

(心究)「そうですね」

心究も優しい笑みで返した。

(累川)「取り敢えず、控室に戻りましょうか」

(心究)「はい」

心究と累川が控室に向うと復実の姿が無かった。

(累川)「復実君、何所に行ったのかしら?」

(心究)「…もしかして!」

心究は急いで控室に在った緊急用内通電話を使った。

(心究)「警備員さん! 急いで下谷記者と言う人物を探して下さい! 見つけ次第直ぐに保護して下さい! 私の知人がその人を殺そうとしています! 私は知人を探します!」

そう言うと心究は電話を切った。

(累川)「如何言う事なの?」

(心究)「…復実の家系はそもそも霊能力者の家系なんです! 彼女は今までに記者達から色んな事を言われてきました。『遂に新生の霊能力者誕生』・『霊能力者の娘、遂に誕生』・『霊能力者の娘、霊能力者の道を外れる』・『霊能力者の娘、別の道へ行く』・『霊能力者の娘、医療への道へ』・『霊能力者の娘は落ちこぼれだった』等の記事を載せられています! さっきの俺とおばさんの話を盗み聞きしていたら……盗聴器に気が付いている筈です! …後半の『霊能力者の娘、別の道へ行く』と言う記事を書いた記者は当時の記事を書けたのは盗聴器を使っての事だったんです! そこから、彼女は“見えない”苛めに苦しんでいる! 今も…だから急いで復実を探して止めないと!」

心究は控室を飛び出した。

(累川)「……」

累川は直ぐに携帯電話を取り出すと在る人に電話をした。

(累川)「…もしもし、緊急を要する話なの」

(相手)「何かあったのか?」

(累川)「実は匠君の恋人が私達の話の盗聴をしていた記者を殺そうとしているの 貴方の力を借りられないかしら?」

(相手)「甥の危機に貸すも無いだろ! 力を使ってやるよ」

(累川)「業兎ごうとさん…有難う」

(業兎)「…所で俺は何をしたら良い?」

(累川)「そうね、二つほどお願いしたのだけど――」

累川が業兎と言う人物と話しをしている頃、建物内では警備員と心究が復実と下谷記者を探していた。心究は控室を出て来た方向と反対の道を走っていた。

(心究)(この建物内で俺と累川さんが居る控室を出て下谷記者に遭遇するには俺達に見つからない様にしないと駄目だ! 俺と累川さんがいた場所は控室を出てすぐの場所だった! だが、控室の扉は見えず、誰が出入りしても気付かない! それに俺は控室の扉とは逆方向を向いていた! 復実が見えていたら止めてた! 俺の失態だ! 急いで見つけないと!)

心究は焦りのせいで前が見えていなかった。

その頃、下谷記者は建物の地下駐車場で今回の成果の確認をしていた。

(下谷記者)「今回のスクープは『親戚に夢を絶望された女性と男性』これに決定だ! このタイトルで公表すれば累川医師の知名度は可なり落ちる筈だ! ククッ…これは面白い! ……数年前の霊能者の娘の比じゃないぜ!」

下谷記者は笑みを浮かべながら車に乗り込むとエンジンを掛けて車を発進させようとしていた。そこに復実が地下駐車場に現れた。

(復実)「あの記者は何所に行ったの? …見つけたら許さない!」

復実が今丁度に出て行く車に下谷記者が笑みを浮かべて出て行くのを見て昔を思い出して怒りが噴き上がり頂点に達した時、復実は自我を失い車の前に飛び出して止めようとした。だが、下谷記者は復実が前に飛びだしと怯えるがアクセルをフルスピードに復実を轢いた。その衝撃音が建物内全体に響いた。心究も直ぐに気が付き地下駐車場に向った。心究が見たのは血みどろで地面に横たわっている復実の姿だった。心究は直ぐに自分の能力で復実の肉体の再生を行った。傷は全て回復した。だが、復実の意識は戻らなかった。心究が脈を測ると脈はちゃんと動いていた。心究は直ぐに右手を復実の額に置くと心究は自分の能力で復実に何が起きたのかを見た。すると、復実が見た映像には下谷記者が笑みを浮かべて車を運転して居る姿の後に過去の映像が流れた。その瞬間に映像は途絶えた。

(心究)「復実、救えなくて済まない」

心究はそっと復実の額を優しく撫でると右ポケットから注射器を取り出すと自分の首筋に打った。そこに警備員が駆け付けた。

(心究)「復実を安全な控室に運んで置いて下さい! 後は俺が――」

そう言うと心究は人間の速度では出せないスピードで走っていった。警備員が唖然としていると累川医師が駆け付けた。

(累川)「何が在ったの!?」

(警備員)「分かりません! 唯、女性が倒れていて若い男性が物凄い速度で走り去って行きました」

(累川)「!」

(累川)(復実君の傷は全て塞がり内臓も完治…脈も安定している それに駐車場に散らばった血痕の数からして復実君は車に轢かれてそこに匠君が現れて復実君の治療を行った…自分の精子を大量に犠牲にして…更に彼は彼自信が開発した薬品で肉体を強化して記者を追い掛けて行った)

(累川)「…若者は何か言っていなかったかしら?」

(警備員)「確か、『彼女を安全な控室に運んで置いて下さい』と」

(累川)「分かったわ! 君も手伝って!」

(警備員)「は、はい!」

累川は警備員に手伝わせて復実を安全な累川の控室まで運んだ。

その頃、心究は下谷記者の運転している車を目視した。

(心究)「見つけた!」

心究は近くに在ったオートバイクに無理矢理乗ってエンジンを掛けて発信させた。

(心究)「絶対に許さない!」

心究はオートバイクで下谷記者の車を追い掛けていた。下谷記者はそれに気付いてスピードを上げた。心究もスピードを上げると道を一本外れた。下谷記者が一安心していると野次馬がカメラを上空に上げていた。下谷記者は上空を見上げると心究がオートバイクで木々の上を走っていた。心究が物凄い形相で下谷記者を睨みつけていた。心究は大ジャンプで下谷記者の車の前に出ると心究はオートバイクで下谷記者の車に突撃した。下谷記者は急いでバックで逃げた。だが、心究は必要に追いかけて少し経つと心究はオートバイクで大ジャンプをして下谷記者の車の前の鏡をオートバイクのタイヤで割ると心究は下谷記者を車から強引に降ろして樹にぶつけた。心究はオートバイクから降りると下谷記者の胸倉を掴んだ。

(心究)「お前は絶対に許さないからな!」

(下谷記者)「何だよ!? お前らは!?」

(心究)「俺は特殊制裁班の心究 匠だ! 法が効かない犯罪者に鉄槌を喰らわせている」

(下谷記者)「こんな事誰だってやっている! 俺だけじゃ無い!」

(心究)「そうだな…お前以外にも盗聴器を使っての情報収集をしている者は沢山いるだろうな」

(下谷記者)「そうだろ? だから俺は――」

(心究)「お前は大きな罪を犯した! その一、復実を傷つけた事だ! 二つ目は俺を怒らせた罪だ!」

心究は激痛の刑を執行した。

(心究)「さてと、戻るとするか」

激痛の悲鳴を上げている下谷記者を無視して心究は会場に戻った。

数時間後、復実は目を覚ました。横には心究がいた。

(復実)「タクちゃん、私は――」

(心究)「大変だったぞ、あまり俺に心配をかけるな」

(復実)「御免なさい」

(心究)「良いさ、復実はやりたい事をやっただけだ それに皆、許してくれるさ」

心究はそう言って控室を後にした。丁度、そのタイミングで累川医師が入れ替わりに入って来た。

(累川)「ちょっと良いかしら?」

(復実)「は、はい!」

(累川)「落ち着いて、私は貴方に事の顛末を伝えに来ただけよ」

累川は復実に今回の一件を伝えた。意識が失った後の事を全て――。

(累川)「――これが事の顛末よ 彼に心配を掛けないでよね」

(復実)「はい」

(累川)「匠君は大変なのだから」

その頃、心究は男子トイレで腹の痛みを押さえていた。

(心究)「ぐっ! 押さえるだけで精一杯だ! 限界…か」

心究はその場に倒れた。

その頃、復実と累川は他愛もない話で談笑していると外が騒ぎ出した。二人が見に行くと男性トイレで若者が一人倒れていると言う状況だった。男性トイレから出て来た若者は心究だった。累川と復実は心究に駆け寄ると心究の傷が深い事に気付いた。

(男性)「酷い傷だ! これは直ぐに病院に――」

(累川)「…その必要は無いわ! 直ぐに私の控室に運んで! 私がオペを行います!」

(男性)「累川さんがやるなら大丈夫でしょう」

男性は心究を累川の控室に運んだ。

(累川)「…後は私に任せて出ていなさい」

累川はオペの服装に着替えると復実と心究以外の人を外に出した。

(累川)「……」

累川はメスを手に取ると復実に手渡した。

(累川)「貴方がやるの」

(復実)「私には……」

(累川)「分かっているわ だから――」

累川は復実の背後に立つと復実の手足となりサポートを始めてメスを入れた。

(累川)「震えないの! 匠君が死ぬわよ!」

(復実)「彼は生死体ですよ 死ぬ訳――」

(累川)「馬鹿ね! 生死体とは言え彼の体は生きているの! 必ず限界が訪れる 血の量だって限界よ この建物には輸血の血液は無いの そんな状況で彼を救えるのは私と貴方よ 復実君は生死体が不死だと思っているでしょうけど不死じゃないわ 生死体は唯、致命所を受けても平気なだけよ 普通の生体と違って命の危機レベルが緩和される程度よ」

累川は再度、復実の手を掴み心究の内臓を掴んだ。復実を恐れるが累川医師は恐れずに治療を行った。

――二時間後、累川医師は切った所を縫い心究のオペは終わった。

(復実)「有難う御座います」

(累川)「良い? 恐れているだけでは先には進めない 知らなきゃ先には進めない 忘れては駄目よ」

(復実)「はい!」

復実は力強く返事した。

(累川)「…匠君に例を言わないと駄目よ」

累川医師は控室を出て行った。復実は心究の手を強く握った。

(復実)「私が眠っている間に何が起きたのかはちゃんと受け止めるから …御免なさいタクちゃん、また、私はタクちゃんを傷つけてしまった」

その時、心究が目を覚ました。

(心究)「あのなぁ、責任は感じなくていいから お前は俺が守ると約束しただろ? 家族からそしてお前の中に根強く憑いている者からも だから、泣くなよ」

復実の目には後悔と責任の重責が重く圧し掛かっていた。心究は復実の涙を右手で拭いた。

こうして心究の休暇は消化された。

一方で徳魔と天雲の休暇は――

徳魔家に徳魔と天雲が祭りに行く為の着物を選んでいた。

徳魔は【透き通るような涼しい濃い蒼い色の浴衣】を着ていた。

天雲は【雪模様が入っていて涼しく感じられる白い色の浴衣】を着ていた。

(徳魔)「やっぱり、お前には白い着物が似合うな」

(天雲)「そう言う徳ちゃんだって蒼い浴衣が似合うわよ」

(徳魔)「そうか?」

(天雲)「そうよ」

二人は笑っていると徳魔の携帯に地泉から電話が入った。

(徳魔)「地泉からだ 雪、少し良いか?」

(天雲)「良いわよ どうせ、皆は徳ちゃんの考えが分かってないから」

徳魔は電話に出た。

(徳魔)「地泉、如何した?」

(地泉)「今、角花と水族館に来ているのだが海で巨大生物を確認した」

(徳魔)「それはUMAじゃないか?」

(地泉)「違う! あれはUMAじゃない! メガマウスだった 何でこんな千葉にメガマウスがいる!?」

(徳魔)「俺よりも獅血の方が詳しいだろ 獅血に聞けよ 獅血も千葉に居るらしいし」

(地泉)「何所に居るか分からないか?」

(徳魔)「臨海学校の場所だと」

(地泉)「…何処だっけ?」

(徳魔)「あれ? お前って行ってなかたっけ?」

(地泉)「そう言えば、当時って《例の件》で殆どのイベントに参加してなかった」

(徳魔)「そう言えばそうだったような…まぁ、可笑しければ獅血が動くだろ」

(地泉)「だからってどうして千葉にメガマウスが?」

(徳魔)「俺が知るかよ 唯、自然環境で大きな変化が起きたんじゃねぇか?」

(地泉)「大きな変化か」

(徳魔)「まあ、俺の担当分野じゃねえから詳しい事は知らねぇよ」

(地泉)「まさか、徳魔…お前は」

(徳魔)「こっちも休暇を有効に活用したいから切るぞ」

(地泉)「ちょっとまっ――」

徳魔は地泉の言葉を聴かず電話を切った。

(天雲)「何だって?」

(徳魔)「地泉からの自然に関する事だった 俺よりも自分の方が詳しいくせに俺に連絡してくるなってぇの」

(天雲)「仕方ないじゃない 徳ちゃんは皆のリーダーだから」

(徳魔)「…それはそうとして雪はこれから如何する? 祭りは午後6時からだ」

(天雲)「そうね……少しだけ外を散歩したいわ」

(徳魔)「了解だ」

徳魔と天雲は徳魔家を出ると深大寺を散策していた。

(徳魔)「ここも随分変わったよな」

(天雲)「そうね、昔在った遊具は消えて新しい遊具に変わったりしたものね」

(徳魔)「俺達が子供(小学生)の頃に使っていた横断歩道の道路の幅が広く改装されたし良い町に変わったよ」

(天雲)「本当に良いと思ってるの?」

(徳魔)「どうだろうな……滅んだ文明の滅んだ理由を推測すると《今》の現状とあまり変わらないし……難しいよ」

(天雲)「…私も思うの…世界は何所に向おうとしているのかを」

(徳魔)「…それは誰にも分からない だけど、どんな文明も最後に行きつく答えは変わらない それが世の理だ」

(天雲)「徳ちゃんって何時も見ていて思ったのだけれど…楽しくやっているわよね」

(徳魔)「…そうか、俺は何時も考えて行動して居るから分からねぇな」

(天雲)「…私は徳ちゃんが楽しくやっていれば私も楽しい」

(徳魔)「俺だって雪が楽しい表情して居れば俺も楽しいよ」

徳魔は天雲の頭を優しく撫でた。

その時、徳魔の携帯電話に淨櫳から電話が在った。淨櫳からの電話に徳魔と天雲は表情を一変させた。

(徳魔)「…意外と早く動き出したな」

(天雲)「…そうね」

徳魔は表情を和らげて電話に出た。

(徳魔)「…もしもし」

(淨櫳)「徳魔、こちらは大変な事になった」

(徳魔)「何が在った?」

(淨櫳)「実は――」

淨櫳は徳魔に何が起きたのかを詳細に教えた。

(淨櫳)「――と言う事があって」

(徳魔)「……取り敢えず、そちらに神海さんを行かせるから」

(淨櫳)「…良――」

淨櫳の言葉は途中だったのだが徳魔は直ぐに電話を切ると徳魔は神海にメールで淨櫳の方に行く事を伝えた。

(徳魔)「これでOKっと」

徳魔は携帯をしまうと椅子に座った。

(天雲)「何だって?」

(徳魔)「淨櫳と鎖矢先輩の所に例の組織の《物》が現れた」

(天雲)「被害状況は?」

(徳魔)「死んだのと被害者がほぼ同数だ。大会の参加人数は約500人程度」

(天雲)「500人だとすれば約250人が死んだのね?」

(徳魔)「まずそれは間違いない」

徳魔は拳を握った。天雲が優しく徳魔の拳の上に自分の手を乗せた。

(天雲)「徳ちゃんは間違ってない だから、そんなに自分を責めないで」

徳魔の手から浸りと血が垂れた。

(徳魔)「…だが、全員を救う事が出来なかった」

(天雲)「気持ちは分かるけど」

徳魔は顔を見上げると天雲は笑みを浮かべていた。

(徳魔)「俺って馬鹿だよな?」

(天雲)「ええ、何も伝えられない馬鹿よ」

(徳魔)「そうだよな ちゃんと伝えていればこんな事には――」

(天雲)「貴方が休暇を取らなかったら被害は尋常じゃ無い数になっていたと思うわ」

(徳魔)「その言葉で救われたよ」

徳魔と天雲が談笑していると天雲の携帯に鏡魔から電話が掛かって来た。

(天雲)「作古さんからよ」

天雲は電話に出た。

(天雲)「作古さん、何かあったの?」

(鏡魔)「大変よ!」

鏡魔は自分達に何が起きたのかを天雲に詳しく教えた。

(天雲)「…分かったわ。直ぐに徳ちゃんに伝えるわ」

天雲は電話を切ると徳魔に鏡魔からの状況報告を伝えた。

(徳魔)「あいつ等、【サリン】何て超危険薬物を所持していたなんて誤算だ!」

(天雲)「徳ちゃん」

天雲は徳魔に抱き付いた。

(天雲)「私より先に死なないでよね」

(徳魔)「当たり前だ 約束する」

(天雲)「本当?」

(徳魔)「約束は守る物だ」

徳魔は優しい頬笑みを見せた。

(徳魔)「さてと、祭りの開催まで残り二時間だ 雪は何か行きたい所は無いか?」

(天雲)「そうね~、私は――」

それから二時間後、天雲は徳魔のお金を使い屋台で売っている食べ物を全て買い占めた。(二つずつ買ったと言う意味)

(徳魔)「そんなに食えるか?」

(天雲)「楽勝よ」

天雲は徳魔の分を徳魔に渡して自分の分を全て平らげた。

(徳魔)「お前…本当に病院に行ってレントゲン取って貰えよ」

(天雲)「良いわよ これ位、大丈夫だから」

その時、池に何か落ちた音が徳魔と天雲には聴こえた。(祭りに夢中の人々は池に落ちた音が聴こえなかった)

(天雲)「何!?」

(徳魔)「池からだ!」

徳魔は池に向うと少年が池に落ちてパニック状態だった。

(天雲)「あの子! 如何して落ちてるの?」

(徳魔)「恐らく、池の中央にある祠に行って遊んでたら落ちたんだろうよ!」

その時、少年の母親らしき人物が少年を見て慌てていた。

(徳魔)「貴方が母親ですか?」

(女性)「は、はい! 少し目を離したら――」

(徳魔)「少しは子供の――」

(天雲)「徳ちゃん! 子供の体力が!」

(徳魔)「…仕方ないか」

徳魔は着ていた着物を脱ぐと池に飛び込んだ。(池は濁っている)

(天雲)「徳ちゃん、頑張って」

徳魔は直ぐに少年の元に駆け付けて少年を池から救出した。少年は衰弱していた。

(徳魔)「雪!」

(天雲)「はい!」

天雲は少年に池の水を大量に飲ませた。徳魔はその水を一気に吸い上げると少年の意識は安定した。

(徳魔)「後は病院に運んで精密検査をする必要が在りますが今日は一年しかやらない祭りの日です 少し休ませてこの漢方丸を一粒だけ飲ませて下さい」

徳魔は着物のポケットから黒い玉が入った小瓶を女性に渡した。

(徳魔)「毒じゃありませんから」

徳魔はそう言うと天雲と一緒に場を離れて囲治吾弟児誓小学校に上がる裏手にある石段で休憩を取った。

(天雲)「徳ちゃん大丈夫?」

(徳魔)「ああ、心配するな、少し休めば回復する」

(天雲)「徳ちゃん、さっき女性に渡したのって――」

(徳魔)「疲労回復の漢方丸だよ 心究が自分で作製した薬品だ 結構効力が良いんだ 疲労回復に一時栄養失調改善、視力回復、痺れや毒等の症状も一瞬で治してしまう薬品だ」

(天雲)「それを渡したの!?」

(徳魔)「大丈夫だよ 副作用は子供でも耐えられるから」

(天雲)「そうじゃ無くて徳ちゃんの方が疲れているじゃない 一粒だけでも持って置けば」

(徳魔)「大丈夫だって、少し横になれば治るから」

徳魔は優しい笑みをしながら眠った。

それから十数分後、徳魔が目を覚ますと天雲が眠っていた。

(徳魔)「雪」

その時、徳魔達の所に一人の男性(黒色と灰色の最後に登場した男性)が駆け寄って来た。

(男性)「済みませんがこの近くに【自由広場の丘】が存在する筈なのですが何処でしょうか?」

(徳魔)(…この人)

(徳魔)「それなら、この石段を上って行き止まりを左に曲がって次に右に最初に曲がれる場所を右に曲がってそのまま真直ぐに行くと右に曲がれる場所が在りますがそこを真直ぐに行くと横断歩道が在りますそこを渡れば自由広場です」

(男性)「……ちょっと分からないので案内をお願いしても宜しいでしょうか?」

(徳魔)「…分かりました」

徳魔は懐から一切れの紙を天雲の手に強く握りしめると徳魔は男性を【自由広場の丘】まで案内させる為に天雲の傍を離れた。

(男性)「良いのですか彼女を置いて来て?」

(徳魔)「大丈夫ですよ」

徳魔は案内を続けて前述の言う通りに進むと自由広場に着いた。

(男性)「有難う御座います」

(徳魔)「いえ、こちらこそ では俺はこの辺で――」

(男性)「少しだけ話を聴いても宜しいでしょうか?」

(徳魔)「…分かりました」

その頃、天雲は目が覚めて徳魔がいない事に気が付いた。

(天雲)(徳ちゃん……)

その時、一人の女性(黒色と灰色の最後に登場した女性)が風呂敷(中には箱が入っている)を駆け寄って来た。

(女性)「あのぉ」

(天雲)「はい」

(女性)「自由広場に如何行けば宜しいでしょうか?」

(天雲)「それなら――」

天雲は徳魔と同じ道を教えた。

(女性)「過ぎちゃったのか」

(天雲)「失礼ですがどちらから?」

(女性)「吉祥寺の方から来まして」

(天雲)「完璧に来すぎですよ」

(女性)「済みません。土地勘が無くて」

(天雲)「外国の方ですか?」

(女性)「はい、私は【チル・クラウェザ】と言う名前です」

(天雲)「チルさん、日本語上手いですね」

(チル)「私の親がハーフで上手いだけですよ」

(天雲)「そうですか」

(チル)「ええ」

二人が打ち解けて笑っているのを地獄界ではサタンとフルフルが見ていた。

(フルフル)「徳魔が言うには『録画をしとけ』って言われたから、しているが未だにこれと言った者(or物)が映る気配は一切無い」

(サタン)「慌てていても何も起こらないぞ」

その時、チルが風呂敷を落してしまった。風呂敷の中に在ったのは異様な感じをさせる箱だった。その箱を見たフルフルは驚いた。だが、天雲は何も感じてはいなかった。

(フルフル)「あれは!」

(サタン)「直ぐにマモンを呼べ!」

(フルフル)「はっ!」

フルフルは一瞬で消えてマモンを呼びに行った。

(サタン)「見つけた」

徳魔も距離が在るのに箱の威圧感と強烈な雰囲気が流れて来ていた。

(徳魔)(この瘴気は!)

男性の方は徳魔の表情を見て歪んだ笑みを浮かべた。すると、徳魔は振り返った。男性は歪んだ笑みを咄嗟に隠して普通の表情に変えた。

(徳魔)「そう言えば、貴方の名前を聴いてなかったですね」

(男性)「そうでしたか……私の名前は【スレイヴ・ウィザドク】です」

(徳魔)「スレイヴさんですか……良い名前です」

(スレイヴ)「良い名前ですか?」

(徳魔)「ええ、とても良い名前ですよ」

徳魔はそう言うと笑みを浮かべながら天雲の元に戻った。

(スレイヴ)「また会える日を楽しみにしているよ…徳魔 陽君」

スレイヴの横にはフードを被った人物がいた。

(徳魔)「また、会える時は敵同士かもしれない スレイヴは英語では【奴隷】を意味する敵としては良い名前だよ」

その頃、天雲とチルは――

(チル)「そろそろ、行きます」

(天雲)「そうですか」

(チル)「また会える日を楽しみにしています」

(天雲)「私もまた会える日を」

天雲とチルはお互いに笑みを浮かべてチルは自由広場に去って行った。チルは天雲の視線が無い場所で《不敵で歪んだ笑み》を浮かべた。

(チル)「…次、会う時は貴方の最後よ 天雲 雪!」

チルは笑っていだ。

(天雲)「…次は追い付いて見せる!」

天雲は意味深な言葉を吐いた。

数分後、徳魔が天雲の元に戻って来た。

(徳魔)「悪い、人を自由広場に案内して――」

(天雲)「良いわよ 寝ている間に戻ろうと考えていたのよね」

(徳魔)「まあな」

徳魔と天雲は優しく穏やかな笑みをしていた。

その頃、スレイヴとチルは自由広場の丘で合流していた。

(スレイヴ)「御苦労さま」

(チル)「貴方こそ、これで――」

(スレイヴ)「ああ、【サイレント・ボール】は大きな組織になった 楽しみだよ 彼等を潰せば世界は安定を取り戻し、世界が安全な世界に戻る」

(チル)「そうね、異天使との勝負であの男の弱点が分かった今…私達に勝てる事は1%にも満たないわ」

(スレイヴ)「ああ、この――」

フードを被っている人物のフードを取り外すとフードの人物の正体は槙樷まきむら 壓羅あつらだった。

(スレイヴ)「弱点がいるのだからな」

(チル)「帰りましょう 私達の可愛い玩具達」

スレイヴとチルの周囲には数百体にも及ぶフードは被った人物達がいた。

スレイヴとチルは歪んでいて不敵で恐怖のある笑みを浮かべていた。

その頃、徳魔と天雲は祭りを最後まで楽しみ終わると徳魔家に戻った。

(徳魔)「今日は食った~」

(天雲)「私はまだ、食い足りないわ」

(徳魔)「これ以上食べない」

(天雲)「分かっているわよ」

(徳魔)「さてと、夜の営みでも始めますか」

(天雲)「今日は遠慮しとく」

(徳魔)「珍しいな」

(天雲)「今日は休ませて欲しいの」

(徳魔)「そうか」

こうして徳魔と天雲は風呂に入って一つのベッドに入って寝た。

後日、今回の一件での情報はこうだ。

地泉の【環境移転】は自然現象では無く人工的に仕組まれた現象だった。(これの犯人はサイレント・ボールとは別の組織が原因だと後日に分かる)

獅血のウィルス&寄生虫事件は人間が少なからず関与していたのは明確である。だが、犯人は未だに正体不明。(徳魔は知っている)

鏡魔の一件で使われた薬品は【サリン】では無く通常だが即死級の危険薬物だと分かった。

淨櫳の大量爆殺事件&259人の遺体行方不明事件はサイレント・ボールの犯行だと判明されたが組織の拠点が不明で誰も行動出来なかった。

心究の遺体行方不明者数は1,000人を超えていた。その中には囲治吾弟児誓小学校に侵入した銀行強盗犯の犯人と徳魔達の親友の槙樷 壓羅が行方不明だった。

今回の死人の数は311人の遺体が行方不明だった。


これにて徳魔達の休暇は終わります。次回は一人のご老人と徳魔達の重要なお話し。


悪魔と子供~真休と祭典~ 第三章 完


悪魔と子供~老朽と伝説~ 第一章 続く――






徳魔は全てを見越して休暇を取っていた!

だが、それでも被害はゼロに抑えられなかった

【サイレント・ボール】とはどんな組織なのか?

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