悪魔と子供~真休と祭典~ 第一話
大異天使の事件から下旬まで経過して特殊制裁班は再び【法で裁けぬ者】を裁くために再び動き始めた。
しかし、特殊制裁班本部のある市に【法で裁けぬ者】が誰も来なかった。その為、班長の徳魔は皆にあることを言った。その真意は――。
悪魔と子供~真休と祭典~
第一話…困惑と決意
八月の下旬、特殊制裁班の仕事は一時中断していた。時効犯が調布や東京から姿を消したからである。(今までに裁いた時効犯は除く)
特殊制裁班の全員はそれぞれ休暇を取った。
地泉と角花は千葉県の水族館に電車で向っていた。
獅血と座縁は小学校の臨海学校を行った千葉県に一台のオートバイクで向っていた。
淨櫳と獰子は秋葉原で行なわれる【特別格闘祭】に参加の受付を行っていた。
心究と復実は医術の祭典が行われる静岡県の【青木ヶ原樹海】に一台のオートバイクで向っていた。
徳魔と天雲は調布にある深大寺で行なわれる祭りに行く為に徳魔家で衣装選びをしていた。
天雲の両親は久しぶりの休日の為、ハワイに飛行機で向っていた。
鏡魔と裏表は【科学の祭典】が東京で行なわれる為に調布から東京に車で向っていた。
そして、今回のお話しは千葉県でのお話し。
昨日の6時、風柾家では夕食を取っていた。
(地泉)「明日は俺、休みだから何所か行くか?」
(角花)「本当!?」
(地泉)「あぁ、最近調布に時効犯が現れないからな…徳魔が全員に休暇をくれた」
(角花)「じゃぁ――」
角花は千葉県の某水族館に行きたがっていた。
(地泉)「車の免許は取ってはいるが家(風柾家)には車が無いし、家(陸海家)のを使うのは親父が許す筈も無いから……電車で行こうか」
地泉は電車で行くと言うと角花は嬉しい表情で満面な笑みで頷いた。
そして、現在――
地泉と角花は電車で千葉県に向っていた。
角花は電車の外を見て小学生の様にハシャイでいた。
(地泉)「…角花、落ち着け」
(角花)「だって、お兄ちゃんと二人きりは初めてで、まるで――」
(地泉)「お前なぁ、落ち着けって!」
地泉は角花を椅子に無理矢理座らせた。
その頃、獅血と座縁はオートバイクで千葉県の南房総付近に来ていた。
(獅血)「…そろそろ、燃料を補給しないと」
(座縁)「…そうね」
獅血達は近くのガソリンスタンドで休憩を取る事にした。
昨日の夜9時、獅血と座縁は二人で携帯ゲーム機の狩猟系ゲームで狩りを行っていた。
(獅血)「相変わらずの身のこなしだな」
(座縁)「口を出すなら攻撃に専念して! 相手は強敵で普通なら4人で倒さないと行けない敵なのよ!」
(獅血)「はいよ」
ゲームが終わると座縁は横になった。
(獅血)「お疲れ様」
(座縁)「疲れるわよ 脳をフルに使うから」
(獅血)「俺だって死なない様に立ちまわるのに必死だった」
(座縁)「…今日はこれで終わるわよ、明日も協力してもらうから」
座縁は自分の部屋に戻ろうとした。
(獅血)「ちょっと待った」
(座縁)「何?」
(獅血)「明日は俺、休みだから何所かいかねぇか?」
(座縁)「だったら、明日は十回、狩猟に行くわよ」
(獅血)「いや、狩猟はするけど其れよりも何所かに行こうぜ」
(座縁)「…私と居るのが嫌いなの?」
(獅血)「そうじゃ無くて、偶には外で遊ばないかって誘っているだけで座縁と居るのは嫌いじゃないよ」
(座縁)「……分かったわよ、じゃあ、千葉県に行きましょう」
(獅血)「如何して?」
(座縁)「…それは行ってからのお楽しみに」
座縁はウィンクして部屋に戻っていた。
(獅血)「急に一変して何だ?」
現在に戻る――
獅血と座縁はガソリンスタンドの休憩所で寛いでいた。すると、座縁は鞄から携帯ゲーム機を取り出した。
(獅血)「持って来たのか!?」
(座縁)「そうよ……獅ちゃんの奴も持って来たわよ」
座縁は鞄から獅血の携帯ゲーム機を取り出すと獅血に投げ渡した。
(獅血)「もう少し優しく渡せないのか?」
(座縁)「イヤホンも」
座縁はイヤホンを取り出すと獅血に渡した。
(獅血)「…此処でやるのか?」
(座縁)「……」
座縁は既にイヤホンを付けてゲームを始めていた。獅血は仕方なくイヤホンを付けてゲームを始めた。
その頃、地泉と角花は水族館のホテルで宿泊の受付を行っていた。
(ホテル員)「陸海様と風柾様ですね?」
(地泉)「はい」
(ホテル員)「宿泊の準備が整い次第またお越し下さい …それと、お荷物をお預かりいたしましょうか?」
(地泉)「如何する?」
(角花)「うん」
(地泉)「お願いします」
(ホテル員)「では、お預かりする荷物を受け付けの横に置いて下さい」
地泉は大きな鞄(着替えなどが入っている鞄)を置いた。角花は置く鞄は無かった。
(ホテル員)「荷物は一点だけで宜しいでしょうか?」
(地泉)「はい」
(ホテル員)「では、こちらの番号札(029と書かれた札)を持って再度お越し下さい」
(地泉)「一応、訊きますがどの位で準備が整いますか?」
(ホテル員)「そうですねぇ、ざっと16時位には終わります」
(地泉)「そうですか」
現在の時刻11:25分――
(ホテル員)「…言い忘れていましたが今季の期間限定で記念撮影を行っているのですが…如何でしょうか?」
(地泉)「如何したい?」
(角花)「……」
角花は顔を赤らめて地泉の背後に隠れて頷いた。
(ホテル員)「では、外に出て撮影しましょうか」
二人はホテル員の言う通りに外に出た。(海岸沿いが見えるドアから出た)
(ホテル員)「では、写真を撮影しますので笑って下さい」
地泉は後ろに隠れている角花の頭に手を置いて横に並ぶと角花と同じ高さまで背を下ろすと地泉は笑顔の表情に変わった。角花は恥ずかしくて顔を赤らめて手を前でモジモジした。そして、撮影が終わった。
(ホテル員)「では、写真はお部屋に置いときますね」
(地泉)「お願いします」
こうして、ホテルのチェックインが終わった二人はホテルの一階にある休憩所に居た。
地泉は自動販売機から【焼きおにぎり】を買って角花に渡した。地泉は自動販売機からホットコーヒーを買った。
(地泉)「これから、水生生物を見に行くのにその表情は――」
(角花)「だって、二人きりだし」
(地泉)「無理するなよ 緊張するから周りが見えなくなっちまうからな」
(角花)「だって、お兄ちゃんとこうして水族館に来られたの初めてで――」
(地泉)「…確かに始めてだけど、緊張したら楽しくないぞ」
(角花)「……」
(地泉)(たくっ! こいつは前に植物園に行った時もこうだったな)
(地泉)「角花、最初は海驢のショーを見るぞ」
(角花)「でも、それって30分後だよ」
(地泉)「もう少し、此処に居る その次の海驢のショーを見に行くよ」
地泉は少し笑顔で角花を見ていた。
その頃、獅血と座縁はオートバイクで海岸に到着した。
(座縁)「此処に来るのは小学校以来ね」
その時、一人の老婆が二人に近付いて来た。
(老婆)「おや、お客さんかい?」
(座縁)「お久しぶりです 8年ぶりです」
(老婆)「はて? 8年前と言うと【囲治吾弟児誓小学校の臨海学校】と他二校の臨海学校が在った位で――」
(座縁)「その囲治吾弟児誓小学校の槍銛 座縁です」
(老婆)「あぁ、座縁ちゃんね」
(座縁)「その件に関しては大変お世話になりました」
(老婆)「いえいえ、……それでそちらの男性は?」
(座縁)「こちらは私の彼氏の牙尾 獅血です」
(獅血)「どうも」
(座縁)「獅ちゃん、こちらは臨海学校でお世話になった民宿の角山 晃代さん」
座縁の前に現れたのは囲治吾弟児誓小学校の臨海学校でお世話になった角山 晃代85歳だった。
(獅血)「座縁、如何して此処に?」
(座縁)「……言ったでしょ、【狩猟を十回やる】って」
(獅血)「そうだけど……まさか!?」
(座縁)「そのまさか」
座縁は獅血にウィンクすると晃代と話し始めた。
(座縁)「晃代さん、最近の海が非常に荒れて環境が不自然な程に変わり取れる魚類が変わり始めたと聴きましたが?」
(晃代)「その通りじゃ、この辺では見ぬ【シーラ】と言う魚が現れおった」
(獅血)「沖縄付近でしか見かけない魚だ」
(座縁)「元凶は分かりますか?」
(晃代)「原因の一つは恐らくあれじゃ」
晃代は遠くに見える水族館を指差した。※晃代さんが指差した水族館は地泉と角花が現在デート中の水族館。
(座縁)「水族館?」
(晃代)「唯の噂話に過ぎないのじゃが…水族館の管理上の問題で異常が発生したと言う噂が流れておるんじゃ」
(座縁)「経営中に何かが起きた」
(獅血)「……調べて見るか」
獅血が力を使おうとすると座縁が止めた。
(獅血)「何すんだよ?」
(座縁)「今日は海で遊ぶわよ」
(獅血)「あのなぁ……まぁ、良いか」
その頃、地泉組は海驢のショーを大笑いしながら見ていた。
海驢のショーは家族コントを主軸にしたショーだった。
(地泉)(…角花の奴、笑っているし、少しは柔らかくなったか)
その頃、獅血と座縁は砂浜に行くと熱帯地域に生息して居ない海洋生物が数十匹、打ち上げられていた。獅血は海洋生物を見て直ぐにでも状況を打破しないと行けないと考えた。
(獅血)「座縁、時間が無い。急いで――」
(座縁)「だから、今日は確認をして対処した方が――」
(獅血)「そんな悠長なことは――」
(座縁)「…あれを見て」
座縁は右手を右に指した。獅血が右を見ると子供が海洋生物を見て笑みを浮かべていた。
(座縁)「あの子達を悲しませるの?」
(獅血)「…分かった。今は座縁の言う通りに動くよ」
(座縁)「有難う」
(獅血)「それで、海の中は泳がない方が良いぞ」
(座縁)「如何して?」
(獅血)「さっき、確認した魚が死ぬ直前に『地獄』と言う単語を言って死んだ」
(座縁)「『地獄』ってどう言う意味?」
(獅血)「複数の考えは出来る。『地獄』と言うのはかなり近い場所(海中)で肉食魚に襲われた。それも『地獄』と言いわせる程の沢山の数が近海に身を潜めている」
(座縁)「獅ちゃんの力で何とかならないの?」
(獅血)「恐らく駄目だ。根っこを探し出さない限り完璧に解決は不可能だ」
(座縁)「そう、じゃぁ、打ち上げられた魚を全て回収しましょう」
(獅血)「そうだな、皆の砂浜だ。これは非常に不味いからな」
獅血と座縁は魚達の回収を始めた。獅血は海鳥にも協力させて魚達は数分と掛からずに全てを回収した。
(獅血)「これで全てか」
(座縁)「…みたいね」
その時、獅血の腹が鳴った。
(獅血)「腹が減った~」
(座縁)「じゃぁ、昼食にしましょう」
(獅血)「早過ぎないか?」
(座縁)「忘れたの? 今日、やるべき事を?」
(獅血)「…若しかして、ゲームか?」
(座縁)「そうよ、手伝ってもらうからね!」
(獅血)「いや、流石に二人で超難関のクエストに行く気か?」
(座縁)「他に協力してくれる人が近くに居る?」
(獅血)(…徳魔は深大寺に残っていて心究は静岡で淨櫳は東京…地泉は今頃、千葉県の何所かで角花ちゃんとデート…確かに誰も頼れる人が近くに居ない)
(座縁)「急ぐわよ! 十回はやって超激レアのアイテムを手に入れないと」
座縁はそう言って民宿に戻った。獅血は海を少し眺めてから民宿に戻った。
その頃、地泉と角花も朝食を取っていた。
(地泉)「ショーは一時間おきに見に行くぞ」
(角花)「如何して?」
(地泉)「理由は二つある 一つは【良い席が取りやすくなる】、二つ目は【時間を有効に使える】点だ 一つ目はショーを見る角度によってはショー自体が良い風景で見えなくなる 二つ目はショーを早く見終わった後に水族館を自由に歩き回る時間が増える」
(角花)「でも、二つ目の理由は増えるよりも減る様な」
(地泉)「俺も最初はそう考えていたが《まっちゃん》が前に言っていた『時間を有効に増やすなら減る方を選べ、そうすれば意外と時間は増えて行く』と語った」
(角花)「まっちゃん?」
(地泉)「俺達の小中の同級生だった槙樷 壓羅。7月に死んだ」
(角花)「…如何してその人はそんな事を?」
(地泉)「此処はまっちゃんもよく来ていた水族館の一つらしい 《まっちゃん》は何時も一時間後の方を選んでいたらしい」
(角花)「…それって人嫌いだったの?」
(地泉)「さぁな、もうそれは誰にも分からない あいつが何を考えていたのかも――」
地泉は椅子から立ち上がった。
(角花)「何処行くの?」
(地泉)「トイレだ」
地泉がトイレで用を終えて公衆トイレから出ると男性係員二人が公衆トイレの陰で話をしていた。
(係員A)「聴いたか?」
(係員B)「あぁ、さっき、砂浜で大量の海洋生物が海から打ち上げられた件だろ?」
(係員A)「それを二人の男女が数分で片付けたって」
(係員B)「凄いよな」
(地泉)(二人の男女……若しかして)
地泉はその場を去った。
その頃、獅血と座縁は民宿で昼食を取っていた。
(座縁)「後で海岸の事情を聴かせてくれる?」
(獅血)「かまわねぇけど」
そうして、お互いは昼食を終わらせると獅血と座縁は自分達の部屋に向った。地泉と角花は鯱のショーを見る為に鯱の席に向った。
獅血組――
(獅血)「さて、今回の件だが、これは大きく分けて二つの事件が絡んで居る 解決は困難になる 一つは【環境移転】だ」
【環境移転】とは生態系のバランスが崩れて生息区域が変動すること。
(獅血)「二つ目は【ウィルス】だ これは恐らく、海中全体に生息している」
(座縁)「何故にウィルスが元凶なの?」
(獅血)「…ウィルスに感染した生物は凶暴性が高まる その証拠に――」
獅血は上空を見上げた。座縁が上空を見ると海鳥が喧嘩をしていた。
(座縁)「如何なっているの?」
(獅血)「同種の殺し合いだ 俺達がこれからやるゲームにも出て来るだろ?」
(座縁)「でもあれは!?」
(獅血)「そうだ ゲームの空想だ だけど、《未来永劫》出て来ないと言う保証はない 其れがこれだ」
(座縁)「止める方法は無いの?」
(獅血)「まぁ、在るけど今はあのままが良いだろう」
(座縁)「如何して?」
(獅血)「あれを見れば普通はどう見る?」
(座縁)「世界の危機?」
(獅血)「正解だ だから、あの状態で良い それにあいつ等には死んだ魚を喰う前に『何があろうと殺すな!』と命令しといたから大丈夫だ」
(座縁)「なら、良いけど」
(獅血)「それに哺乳類には全く効かないみたいだ」
(座縁)「それってどういう事?」
(獅血)「今日、食ったのは砂浜に打ち上がれていた魚だぞ」
(座縁)「あれを皆に出したの!?」
(獅血)「まぁ、実験的に」
(座縁)「信じられない!? もしも、私達に何かあったらどうする気だったの?」
(獅血)「90%は感染しない保証はあった」
(座縁)「90%?」
(獅血)「あの海岸にだって海洋生物…まぁ、海中哺乳類だって存在していた だが、哺乳類が打ち上げられた形跡がなにも無かった それに砂浜には一般人がいたそれも複数 あの現状で感染症状が出ている者は誰も居なかった そこから導き出せるのは哺乳類への感染は無い」
(座縁)「…それでもしも感染したらどうする気だったの?」
(獅血)「直ぐに解決できたよ」
その頃、地泉と角花は水族館のショーを全て見終わり展示している魚類の水槽を見て回っていた。
(地泉)「こいつはマンボウだ」
(角花)「マンボウってどれくらいの卵を産むの?」
(地泉)「掲示板によるとマンボウは記録では三億を超えるそうだ」
(角花)「それってオスの方が――」
その時、地泉が角花の口を右手で塞いだ。
(地泉)「それ以上は言ってはいけません」
(角花)「…は~い」
(地泉)「宜しい」
その頃、獅血と座縁は民宿の自分の部屋でゲームを必死にプレイしていた。
(獅血)「援護する!」
(座縁)「お願い!」
(獅血)「…これで体力は30%を切った筈」
(座縁)「もう、倒れないでよ! もう倒れられる回数を切っている」
(獅血)「お前も」
それから二分後、ゲームをクリアした。獅血と座縁の手には汗が大量に流れていた。
(獅血)「疲れたぁ」
(座縁)「残り9回よ」
(獅血)「分かっているけど休憩をしても良いか? 流石に疲れた」
(座縁)「…そうね、一度休憩を取りましょう 私も疲れたわ」
獅血と座縁はテーブルの上に置いてあったお茶(冷めた)を飲み休憩をした。
(獅血)「…本気で残り9回やる気か?」
(座縁)「当たり前でしょ! もう少しで新しいゲームが発売するでしょ?」
(獅血)「確か今やっているゲームの後継版で引き継ぎ可能だったっけ?」
(座縁)「…そう、私はせめても、このクエストで手に入る超激レアアイテムで装備を作って置く必要が在るの」
(獅血)「如何してそこまで?」
(座縁)「ゲームを完全にクリアは不可能でも引き継げられるのなら出来る限り強い装備を用意しときたいだけよ」
(獅血)「…まぁ、最新版ゲームソフトは更にキツイと言う情報が飛び込んで居るから……準備にこしたことはないか」
獅血はお茶を飲むとゲームを再起動させてアイテム整理を始めた。
(座縁)「如何したの?」
(獅血)「次からはアイテムに不自由が無い様にしたいから」
それから数時間後、地泉と角花はホテルに戻って受付の人から荷物を受け取ると部屋の鍵を受け取ると廊下を少し歩くと左横にエレベーターが在りエレベーターに乗って4階のボタンを押した。4階に着くと二人はエレベーターから降りた。
(地泉)「確か…部屋の番号は【412】か」
左横の廊下にある標識には【→401~409 ←410~419】と記されていた。地泉は左に向った。少し歩くと【412号室】に着き鍵を使い開けた。地泉と角花は部屋に入ると和風の部屋だった。
(地泉)「悪くないな」
(角花)「海が綺麗」
角花は海を眺めていた。地泉は角花が笑っている姿を見て微笑むが一瞬だが海中に5mの魚影がコンマ1秒だが見えた。角花は見えていなかった。
(地泉)(今の魚影か…だが、あの大きさの魚は近海にいたか…後で調べて見るか)
(地泉)「…取り敢えず、角花、風呂でも入るか?」
(角花)「露天風呂に入るの?」
(地泉)「いや、部屋に付いている風呂に入るか?」
(角花)「…二人で?」
(地泉)「…流石に一人でだよ 俺はTVでも見ているから」
(角花)「…そう」
(地泉)「夜になったら露天風呂に入ろうな」
(角花)「うん♪」
角花は笑みを浮かべると風呂場に向った。地泉は座布団に座るとテーブルの上に一つの封筒が在るのに気が付いた。地泉が中身を確認するとそこにはチェックインした時に記念撮影した地泉と角花の写真が入っていた。
(地泉)「緊張してるな、角花のやつ」
地泉は写真を封筒の中に戻すと自分のバックに入れた。
地泉は景観を見ると二羽の鳥が喧嘩して居るのが見えた。
(地泉)「喧嘩か?」
地泉は鞄から望遠鏡を取り出して覗くと海鳥が本気で喧嘩をしていた。
(地泉)「…まぁ、良いか本題は海中の方だな 何が起きてる?」
(地泉)(今は角花が起きているから寝た後に調べるか)
角花は風呂に入っていた。
(角花)(…お兄ちゃんとデートってこんなに緊張するんだ)
角花の手は震えていた。
(角花)(…でも、楽しいけど…何か物足りないなぁ~ …何だろう?)
その頃、獅血の方はゲームを終えていた。
(獅血)「十回終えた」
(座縁)「えぇ、これで必要な装備が手に入るわ」
(獅血)「座縁、少し休んどけ」
(座縁)「そうさせてもらうわ」
座縁は床に大の字で寝た。
(獅血)「流石に女の子が大の字は不味いだろ」
獅血は掛け布団を座縁に掛けた。
(獅血)「少し出て来るよ 一応、精神獣を置いて行くから心配するなよ」
獅血は犬の精神獣を呼び出して座縁を監視させた。獅血は上空で大喧嘩をしている二羽の海鳥を近くに呼ぶと海鳥の嘴に獅血は自分の口を嘴に加えると獅血は海鳥に寄生しているウィルスを自分の肉体に吸収した。すると、海鳥たちは正気を取り戻した。
(海鳥)「私は一体何を?」
(獅血)「気にするな、何時も通りにしていなさい」
獅血は笑みを浮かべると海鳥達は飛んで行った。
(獅血)「…さてと、大仕事だ」
獅血は砂浜に行くと獅血は海の中に入り、口をあけて海水を吸い込み始めた。
(獅血)(俺の声が届くなら命令する! 【セラミタリア】よ、我の肉体に入られよ! ささすれば願いは叶われる!)
その心の声が聴こえたのか大量《約4億匹》の【セラミタリア】が獅血の体内に入って行った。
セラミタリアとは今回の騒動の黒幕であり黒幕では無いウィルス。セラミタリアは0.0001㎜の大きさをしていて1匹で生物の肉体を自由自在に操れる。
獅血の体内に全てのセラミタリアが体内に入った。
(獅血)「…これで一応、死骸は減るが…根本的な解決にはなってない」
獅血は海中に入った。すると、目の前にメガマウスが現れた。メガマウスは獅血に襲い掛かった。
(獅血)(どう言う事だ!? セラミタリアは全部吸収した筈だ! こいつは別の要因で暴れているのか!?)
獅血は意識を集中してメガマウスの心の声を訊くのに集中した。
(メガマウス)「熱い、冷たい」
(獅血)「如何言う事だ?」
獅血は意味深な言葉を聴くが意味が分からなかった。その時、メガマウスの尾鰭が獅血に当たり獅血は海中で右手に怪我した為に直ぐに海中から脱出して砂浜の上で大の字に倒れた。
(獅血)「流石に不味かったな、あれ以上の調査は不可能だな この右手じゃぁ、自殺行為だ 取り敢えず、座縁の所に戻るか」
獅血は立ち上がると民宿に戻って行った。
それから数時間後、地泉は角花とホテルのバイキングに向った。
角花はバランス良く取って行った。地泉はご飯とベーコンに牛乳と少食だった。
(角花)「それだけで良いの?」
(地泉)「まぁな」
角花と地泉は食事を取っていたその頃、獅血は民宿の外に居た。
(獅血)「…さてと、あのメガマウスは何が原因なのか…」
(???)「…助けて」
その時、獅血の脳内に誰かが語りかけて来た。獅血は周りを見渡した。すると、獅血の足元に血だらけの猫が倒れていた。
(獅血)「何時の間に」
獅血は直ぐ様に近くの動物病院までオートバイクで運んだ。獅血の素早い判断とオートバイクの運転技能で猫の命は助かった。だが、危険な状態に変わりは無かった。
(獅血)「獣医さん、あの猫は何にやられた傷ですか?」
(獣医)「君の方が詳しいと思うけどね」
(獅血)「それは――」
(獣医)「貴方の目は全てを察して居る目だね」
(獅血)「…俺は――」
(獣医)「…私から言えるのは一つだね、恐らく同種の生物に襲われた事ぐらいかな」
(獅血)「…やっぱり、そうですか」
(獣医)「猫を襲ったのは――」
(獅血)「――同種の猫…野良猫ですよね 人が襲われたニュースは未だに無いですから」
(獣医)「その線が濃厚だね」
(獅血)「その猫をお願いします 自分は少し調べて見ますので」
獅血が外に出ようとしたその時、獅血の携帯電話が鳴った。獅血が見ると牙尾一族の族長からだった。獅血は直ぐに出た。
(獅血)「族長、何の様ですか?」
(牙尾一族・族長)「急用だ 最近海岸沿いの町の動物達が暴走を始めておる」
(獅血)「その件なら新種のウィルス【セラミタリア】を俺達の体内で共生すれば解決――」
(牙尾一族・族長)「いや、そやつではない! 別の輩が生物の体内で生物を操っている」
(獅血)「…今、その被害に遭った可能性が在る猫を動物病院に――」
(牙尾一族・族長)「なんて事を! 直ぐにその猫から寄生体を引っぺがせ!」
(獅血)「如何言う事ですか?」
(牙尾一族・族長)「暴走させている者は極小寄生虫【ノビタイラ】と言う寄生虫だ どんな生物にも寄生できる 最強の極小寄生虫だ」
(獅血)「如何言う寄生虫ですか?」
(牙尾一族・族長)「【ノビタイラ】は数百年前に絶滅したのを確認しておる」
(獅血)「絶滅した生物が如何して復活して居るのですか?」
(牙尾一族・族長)「詳細は分からぬが地球全体で大きな変動が起きて凍結されていた未確認の【ノビタイラ】の卵が孵化した可能性が高い」
(獅血)「分かりました 直ぐに猫から寄生虫を剥がします」
(牙尾一族・族長)「気をつけて【ノビタイラ】は人間に影響を与える可能性があるから」
そう言って電話は切れた。獅血は直ぐに猫の様子を確認すると猫は凶暴化していた。
(獅血)「このままだと死んじまう!」
獅血は直ぐに猫の口を口で覆わせた。
(獅血)(我の声が聴こえるのなら【ノビタイラ】よ! 我と友になれ! さすれば全てを壊さずに訴えを聞き入れよう)
獅血の思いが通じて猫から殺気は消えた。獅血は悶え始めた。
(獅血)「これは!」
獅血の脳内――
(ノビタイラ)「我等の訴えを答えるだと!? 散々、害虫や危険生物を何の罪も無く殺して行った人間の戯言など聴けるか!? 我等はお主の脳を操りお前の全てを壊す!」
(獅血)「そう簡単にはいかねぇなぁ」
獅血の脳内に沢山の生物が姿を現した。
(鷹)「我等の友を殺すのであれば容赦はしない!」
(虎)「俺達は奴に救われた! 今も現存している!」
(鮫)「僕達は友の思いを叶える為に此処に居る!」
(生物達)『彼は世界の為に命を張っている!』
その言葉にノビタイラは何かを感じた。
(ノビタイラ)「…少しの猶予を与えよう それまでに我等の訴えを聞き入れられなかったらお前を操り全てを壊す!」
(獅血)「それで構わない」
こうして獅血はノビタイラを一時的にだが納得させただが、獅血は少し困惑していた。このままで好いのかを――。
それから数時間後、空は真っ暗となり時間は夜中の12時を過ぎようとしていた。地泉と角花はベッドに入り就寝していた。その時、地泉はベッドから出て窓をから液体となり窓の小さな隙間から地上に降りた。地泉はそこから駐車場を抜けて砂浜に着くと海面に右手を入れた。
(地泉)「…自然監視!」
地泉が目を瞑ると脳内に地球全体が見えた。地泉は東京湾周囲の海中を除くと大量の魚の死骸が海底に落ちて行くのが見えた。更にそこにはラブカやメガマウスが存在していた。
(地泉)「…深海魚が浅い海中に姿を現すなんて可笑しい」
地泉は感情を露わにした。
(地泉)「環境移転・回帰!」
地泉は地面に手を置くと海中の温度がゆっくりと変わった。
その頃、獅血は布団から抜け出て海中に潜っていた。
(獅血)(…この先にメガマウスが居る そいつに寄生しているノビタイラを必ず取り出す!)
獅血は右手に負傷したまま海中を潜っていた。そこにノビタイラに寄生されているメガマウスとホホゾロザメが目の前に現れた。獅血はホホゾロザメとメガマウスの噛み付きをギリギリでかわした。獅血が鮫の力を使い上手く泳ぐがホホジロザメは獅血の肉体をかすめた。獅血は血を流すが気にせずに泳いだ。
(獅血)(ノビタイラ! 上手くあいつ等の中に居るノビタイラを説得しろ!)
(ノビタイラ)(無茶を言うな! 2体はマジで難しいぞ!)
(獅血)(…だったら)
獅血は動きを止めた。ホホゾロザメとメガマウスが両方から襲い掛かるが獅血は片手(右手はホホゾロザメ・左手はメガマウス)で受け止めた。
(獅血)(今だ! ホホゾロザメのノビタイラを説得しろ!)
(ノビタイラ)(…了解)
ノビタイラは右手の傷口から出て来るとホホゾロザメの中に入った。
(獅血)(…後は任せた)
獅血はそのまま気を失った。
その頃、海沿いに一人の女性が銛を持って海中に潜った。
一方その頃、地泉は環境移転を行って元の生態系に戻す事に必死になっていた。
(地泉)「何だ…この感じは……この環境移転は自然現象じゃ無い! 人工的な……誰かが自然を壊したのか!?」
その頃、 海沿いでは獅血が目を覚ました。
(獅血)「此処は海沿いの――」
獅血の目の前には座縁が海を見ていた。
(獅血)「座縁…如何して此処に?」
(座縁)「抜け出した事位分かっていたわよ」
(獅血)「良くあの現場から抜け出せたな」
(座縁)「まぁ、運よくねっ」
数分前――
座縁が海中に潜るとホホゾロザメとメガマウスに腕を銜えられている現場に遭遇した。座縁は冷静に銛を放ちメガマウスの脳天を撃ち抜いた。メガマウスは死に海中に沈んで行った。(この事でメガマウスに寄生していたノビタイラも死んだ)。ホホゾロザメは正気を取り戻して獅血の右手を放して去って行った。座縁は獅血を抱えて海上に浮上した。(この隙に獅血のノビタイラは傷口から獅血の肉体に入った)
現在に戻る――
(獅血)「…それにしても最悪の状況だ」
(座縁)「何が?」
(獅血)「今は俺の一族の者が何とかして居るが少し経てば世界中は如何なるやら」
(座縁)「説明してよ」
(獅血)「…今は休日だろ? それに今日は久しぶりの二人きりだ――」
獅血は座縁の頭を撫でた。
(獅血)「今は楽しもう、話すのは後で」
獅血が民宿に戻ろうとした時、座縁が獅血の腹を銛で貫いた。
(獅血)「…座縁」
(座縁)「…心配させないでよ」
(獅血)「悪かったよ」
獅血は優しい笑みで返した。
(獅血)「…そろそろ、銛を抜いてくれないか?」
(座縁)「…やだ! それに抜いたら死ぬわよ」
(獅血)「流石にこのまま民宿に戻ったら驚かれてニュース沙汰だ それに最悪の場合はお前が逮捕される」
(座縁)「だったら、如何するの?」
(獅血)「そうだなぁ……」
(獅血)(…生物の中には免疫の高い奴はいるが……いや、あいつならいけるか)
獅血の目は竜の目に変わった。
(獅血)「座縁、銛を抜け」
(座縁)「…分かったわ」
座縁は思いっ切り獅血の腹から銛を抜いた。
(獅血)「回復開始!」
刺された部分が塞がって行った。
(座縁)「驚いたわ どうやってやったの?」
(獅血)「まぁ、犯罪者の実験の賜物か」
獅血はそう言うと民宿に戻った。
(座縁)「それ、如何言う意味?」
座縁はそうやって獅血の後を追った。
その頃、地泉は吐血しながらも環境移転を終了させた。
(地泉)「…これで全ての環境は戻った」
(地泉)(だが、俺と同じ地球に選ばれた陸海一族って一体何者だ?)
地泉は疑問を考えながら肉体を風に変えてホテルの部屋に戻った。
翌朝――
角花が起きると地泉が外を見ていた。
(地泉)「おはよう」
(角花)「おはよう、お兄ちゃん」
(地泉)「角花、意外に早いな」
現在の時刻…4;25
(角花)「まだ、4時だったの?」
(地泉)「まぁな、もうすぐ太陽が昇るぞ 一緒に見るか?」
角花が窓際に行くと太陽が昇り始めていた。
(地泉)(この速さ…やっぱ可笑しい 今日の日の出の時間は5;06分からの筈 この速さは太陽系の軸に何か異常が起きたか…それとも…)
(地泉)「…お茶でも入れるよ」
地泉はお茶を入れると角花に渡した。
(地泉)「…後で一階の土産物屋で何かを買って帰るか決めたか?」
(角花)「寝る前に決めたよ お兄ちゃんこそ何か決めたの?」
(地泉)「まぁな」
地泉は笑みを浮かべた。
(地泉)「もう少ししたら食事の時間だ 早く準備しろ」
(角花)「うん」
それから数時間後、地泉組と獅血組はお互いに朝食を取っていた。夜中には何事も無かった様に――。
獅血組――
獅血の方は楽しく(?)食べていた。
(獅血)「座縁、俺のテーブルは何処だ?」
獅血の前にはテーブルが無かった。
(座縁)「無いわよ」
座縁は獅血の足元に食べ物が乗った皿を置いた。
(獅血)「これは?」
(座縁)「獅ちゃんの食事よ」
(獅血)(…もしかしてだけど…)
(獅血)「俺は……」
(座縁)「そう言う事、お仕置きよ」
(獅血)「あのなぁ……流石に――」
(座縁)「口答えする気かしら?」
座縁の顔は可なり怖い表情で獅血を睨んだ。
(獅血)「いえ、何でもありません」
獅血は箸を持って食事を取ろうとした。
(座縁)「箸じゃ無くて素手で食べてね」
(獅血)「それは流石に――」
(座縁)「文句あるの?」
(獅血)「…いえ」
獅血は座縁の言う通りに素手で食事をした。
その頃、地泉と角花はバイキングで朝食を楽しくしていた。
角花がご飯を食べていた時に口の右側にご飯が付き地泉はご飯粒を手にとって自分で食った。
(角花)「…ちょっと!」
(地泉)「食事は丁寧に食えよ」
そう言うと地泉は椅子から立ち上がった。
(地泉)「水、持って来るけど他に何か持ってこようか?」
(角花)「ううん、平気」
地泉は飲料水コーナーまで行って水をコップに注ぎ戻って来ると角花の方に置いた。
(角花)「有難う」
(地泉)「やるべき事をしただけ」
地泉と角花は楽しい朝食を取っていた。
それから数十分後、地泉と角花はホテルをチェックアウトしていた。
(ホテル員)「有難う御座います」
(地泉)「……」
(地泉)(このホテル員、守護霊が憑いていない。何者だ?)
(地泉)「はいよ」
(ホテル員)「荷物をお預かりいたしましょうか?」
(地泉)「いや、今日はこのまま帰ります」
(ホテル員)「そうですか……またのお越しをお待ちいたしております」
(地泉)「はいよ」
地泉と角花は土産コーナーに向った。
(地泉)「二手に分かれて土産を買おう」
(角花)「うん」
地泉と角花は別々に買い物を終わらせた。(お金は地泉のお金で)
(地泉)「荷物は俺が持つから角花は楽にしていろ」
(角花)「私の荷物は私が持つから平気」
(地泉)「…そうか、じゃあ、帰りますか」
(角花)「うん」
地泉と角花は水族館を後にした。
その頃、獅血と座縁は民宿を出ていた。
(座縁)「晃代さん、今回は有難う御座います」
(晃代)「良いのじゃ、久しぶりの客人だ」
獅血と座縁はオートバイクに乗り民宿を後にした。
(獅血)「…座縁、俺をあそこに連れて行ったのって本当は昔(小学校時代)に俺が学校に居なかった事を考えて連れて来たのか?」
(座縁)「そうね、上手く行けば二人で海水浴を楽しめたのに事件で台無しよ」
(獅血)「…今からでも行くか海水浴」
(座縁)「でも、時間が――」
(獅血)「二時間ほど海で遊んで帰れば十分間に合うさ」
(座縁)「…獅ちゃん」
(獅血)「何だ?」
(座縁)「じゃあ、一緒に遊ぼう」
(獅血)「おう!」
獅血と座縁は海に向った。
地泉と獅血の休日はこうして幕を閉じた。だが、謎は未だ解明されてはいなかった。ウィルスと環境移転と寄生虫の問題が残っていた。次は淨櫳組と鏡魔組の東京でのお話し。
悪魔と子供~真休と祭典~ 第1章 完
悪魔と子供~真休と祭典~ 第2章 続く――
獅血と地泉は休暇を満喫しきれなかったかな? 誰がこの環境を変えたのか?




