南国と全力 第三話
異天使との戦いが始まる! 最凶の助っ人が登場! 南国の上空が戦場と化す!
悪魔と子供~南国と全力~
第三話…融合と決意と仲間
上空に異天使達(6体)が現れた。
(徳魔)「地泉! 淨櫳!」
(地泉&淨櫳)「了解!」
地泉と淨櫳は目を瞑った。
数時間前――
高級ホテルの受付近くで徳魔と地泉と淨櫳が話していた。
(徳魔)「お前らにやって欲しい事は避難と好奇心を頼む」
(地泉)「避難?」
(淨櫳)「好奇心?」
(徳魔)「そうだ。地泉は外に出ている人達に危険を知らせて屋内に避難もしくは戦闘区域の外に行かせる役目で淨櫳は好奇心の塊の人達にはお前の思獣創召喚でUMAを呼び出して注意を俺と異天使から切り離す事」
(淨櫳)「…だが、そう上手く行くか?」
(徳魔)「…だから、淨櫳には此処で好奇心の塊の人間かどうかを判別させる思獣を呼び出して待機させる」
(淨櫳)「…呼び出すのは良いが――」
(徳魔)「それも16体呼んでくれ」
(淨櫳)「!」
(地泉)「そんなに呼び出したら酷い事に!」
(徳魔)「分かっているさ……異天使は人間が天使になった存在だ。次元が違う相手だ。こっちも全力でやらないと消滅することになる」
(淨櫳)「……分かった」
そう言って淨櫳は16体の思獣を呼び出した。
(徳魔)「地泉は自然災害が起きたと言う誤作動を起こして民間人を屋内や戦闘区域から非難させてくれ」
(地泉)「……起こすふりだけで良いのか?」
(徳魔)「いや、微かな地震と大波を一定の間隔で起こしてくれ」
(地泉)「地震はM0,1位で大波は1mで良いか?」
(徳魔)「それ位で良い」
(地泉)「感覚はどれくらいが良い?」
(徳魔)「約2,30分程度の間隔で頼む」
(地泉)「了解」
(淨櫳)「好奇心の塊の人間達を確認出来る思獣を呼び出して今ハワイのあちこちにばら蒔いた」
(徳魔)「サンキュー、後は異天使が来るのを待つだけだ」
現在に戻る――
地泉はハワイに大きな振動を起こした(地震の余波)
淨櫳はドラゴン(四足歩行タイプ)を呼び出して異天使達とは逆方向に飛行させた。
(徳魔)「これで今回の関係者以外は近くには居ない」
徳魔は左手を上に翳した。
(徳魔)「今からお前ら異天使に制裁を与える!」
(心究)「……」
(心究)(考えは変わらないのか)
(徳魔)「雪!」
天雲はその言葉でペンダントの剣の部分は手に持つと日本刀に変わった。
(天雲)「宝刀…雨の太刀」
(徳魔)「…雪、それで俺の右腕を斬れ!」
その言葉に全員が驚いた。
(天雲)「……」
(獰子)「徳魔君! それはあんまりじゃ無い! 雪ちゃんの気持ち考えているの!?」
(徳魔)「…雪、急いでくれ」
天雲は無言で徳魔の右腕を宝刀で切断した。
(徳魔)「匠!」
(心究)「はいよ」
心究は謎の液体が入った大瓶に徳魔の右腕を入れた。
(徳魔)「融合!」
徳魔の周囲に黒い霧が纏わり付き徳魔の背中から黒い翼が現れた。
(徳魔)「融合…完了!」
すると徳魔は海パンのポケットから剣のペンダントを取り出してペンダントの剣を握ると日本刀に変わった。
(徳魔)「宝刀…封の太刀!」
徳魔は上空に飛んで異天使達と同じ高度で止まった。
(徳魔)(相手は神斑・網中・領叢・漬建・珠漬・秦飮の六人か…異天使共)
(徳魔)「お前らの名は?」
(神斑の異天使)「我が名はクドエル」
(網中の異天使)「我の名はワナエル」
(領叢の異天使)「我の名はスキエル」
(漬建の異天使)「我の名はサトエル」
(珠漬の異天使)「我の名はタハエル」
(秦飮の異天使)「我の名はアベエル」
(徳魔)「お前らは俺が倒す!」
(徳魔)(そして、皆を救う!)
徳魔は一気に距離を縮めて日本刀で神斑を斬りかかるが途中で神斑との思い出が蘇るのと同時に神斑の笑みが徳魔に見えて攻撃を躊躇してしまい神斑の異天使の攻撃を受けてしまう。
それを見た心究は険しい顔をしていた。
(心究)「この勝負、徳魔に勝ち目は無いかもしれない」
心究の言葉に淨櫳は怒り胸倉を掴んだ。その反動で徳魔の右腕が入っている大瓶が地面(砂浜)に落ちた。
(淨櫳)「徳魔が負けるとでも言うのか!?」
(心究)「…考えても見ろ! 徳魔は右腕の痛みを堪えながら今も必死に戦う。しかも異天使はこっちが攻撃できない同級生に憑いている。徳魔の人生感情論は知っているだろ?」
(淨櫳)「…宇宙に生きる全ての生物・動物は仲間だろ?」
(心究)「そうだ。徳魔の人生感情論は異天使にとっては好都合の相手…詰り徳魔にとっては天敵だ」
落ちていた徳魔の右腕が入っていた大瓶を天雲が拾った。
(天雲)「…徳ちゃんは全てを予測して勝つ方向に必ず導き出すわ。私は徳ちゃんの選択を疑わない」
(心究)(いや、選択も何も今回は一個しか選択肢が無かっただけで――)
その頃、徳魔と異天使の激突は激しさを増していた。だが、徳魔は防戦一方だった。
徳魔はクドエルに攻撃をしようとするが徳魔は神斑との思い出が脳裏をよぎって攻撃に隙が出来てしまい徳魔はクドエルの攻撃をもろに食らった。
(クドエル)「そろそろ、《お終い》にしましょう」
クドエルは右手を上空に翳すと大量の灰色の羽が現れた。他の異天使達も徳魔に目掛けて灰色の羽を飛ばした。徳魔は四方八方を灰色の羽に囲まれていた。だが、徳魔は上空に飛び灰色の羽を回避するが下には天雲達がいた。
(クドエル)「君がかわせば彼等に被害が――!」
灰色の羽はある高度を下がると灰色の羽は消えて行った。
(クドエル)(如何なってやがる!)
(徳魔)「最初に俺が左手を上空に翳した時に俺はこのハワイの高級ホテル(徳魔達が止まっているホテル)の5m上に特殊エネルギー体は下に行けない様に壁を創った。下から上には普通に来られるが上から下に行く事は絶対に不可能だ」
(クドエル)「だったら、壁が無い部分から――」
(徳魔)「無駄だ。俺は世界中の上空に張ってある。俺を消さない限りこの壁は消えないぞ」
(クドエル)「だったらすぐにでも消してやる!」
クドエル達は徳魔に猛攻をするが徳魔はエネルギー攻撃を封の太刀で受け止めて吸収して近距離攻撃は右手と両足で受け止めた。
(徳魔)(何とか防戦から一転して攻戦に変えられれば良いが……全く見つからない)
その時、徳魔の背後にスキエルが現れ脇腹を右蹴りで攻撃をして徳魔はよろめき、そこに異天使達の猛襲が襲い掛かり徳魔は壁(地面)に落された。
(クドエル)「黒い翼…文字通り落ちた翼だ。 止めを刺して下に行かせてもらう」
クドエルは灰色の羽を大量に創り他の異天使達は下に行く態勢に入った。
(クドエル)「終り――」
その時、高級ホテルの屋上から徳魔に声を掛ける声が聴こえクドエルは攻撃を止め全員が高級ホテルの屋上を見た。そこには徳魔の宿敵でありこの世でたった一人特殊制裁班メンバーの能力を扱える葬神 鬼賭と葬神の妻の葬神 葉八と二人の子供の葬神 弥輝の三人が居た。
(鬼賭)「徳魔! しっかりしやがれ!」
その言葉に徳魔の右手の指が微かに動いた。
(鬼賭)「俺はお前に救われた! 葉八も子供も……お前は徳魔一族最強だろうが! 本気を見せやがれ!」
その言葉に徳魔は笑みを浮かべた。
(徳魔)「チェンジ」
徳魔がそう呟くと徳魔が消えてクドエルの背後に現れて回し蹴りを決めてクドエルを吹き飛ばした。
(クドエル)「如何言う事だ!?」
徳魔は更に他の異天使達を蹴りだけで吹き飛ばした。
(クドエル)(友を…仲間を…同級生を攻撃した…どうして……)
(徳魔)「我は徳魔では無い。我の名はサタンだ!」
(クドエル)「サタンだと!?」
下では徳魔が同級生を攻撃した事に驚いた。
(心究)「如何なっている!?」
(天雲)(徳ちゃんの動きじゃないわ)
(フルフル)「そりゃ、そうだろうな……あれはサタンの動きだ」
(天雲)「サタンって!? 徳ちゃんは!?」
(フルフル)「大丈夫だよ 徳魔君とお前の運命の赤いとは切れてはいない……まぁ、薄れてはいるけど」
そして、サタンは異天使達を攻撃し続けた。
(クドエル)「強い! これがサタンの半身体の力……」
(サタン)「誰が半身体と言った?」
(クドエル)「まさか!?」
(サタン)「我は本人だ」
(クドエル)「サタン本人が徳魔と融合したのか!?」
(サタン)「その通りだ」
クドエルが注意を引いている隙にアベエルがサタンの背後に回り込み右ストレートを放つがサタンはアベエルの攻撃を上空に飛びかわした。
(サタン)「お前らの存在は神達に大変恐れられています。異天使の力をこれ以上使わないで下さい」
(クドエル)「寝言を! 我等は異天使…異天使の力を使わなければ唯の人霊じゃぁ無いですか!? 我々は断固として力を使う!」
(サタン)「だったら、力とは何ですか?」
(クドエル)「我等の力は世界のバランスを保つ為の力だ!」
異天使達は再度、灰色の羽を飛ばした。
(サタン)「…それは能力の解説ですよ……力とは何かの答えでは無い! チェンジ」
サタンは動かずに灰色の羽を全て受けた。
(クドエル)「これで一人――」
その時、クドエルの背後に徳魔が居た。
(クドエル)「いつの間に!?」
(徳魔)「封の太刀…能力解放!」
封の太刀は今までに溜めこんだエネルギーを全て吐き出して爆風を起こした。
(クドエル)「もう一度!」
異天使達は灰色の羽を再度、徳魔に向けて放った。
(徳魔)「無駄だ。封の太刀…形状変化!」
すると、封の太刀の刃が消えた。それと同時に灰色の羽が全て消えた。
(クドエル)「如何なって――」
クドエルが動揺しているとクドエルの懐に徳魔が潜り込みクドエル(神斑の肉体)を斬った。
(徳魔)「封の太刀…封吸!」
クドエルの灰色の羽が消えて壁(地面部分)に落ちた。
(クドエル)「何をした!?」
(徳魔)「お前の異天使の力を根こそぎ封の太刀に吸収して封印した。これでお前は唯の人霊と化した」
(クドエル)「俺がいなくても残りは五体――」
(徳魔)「お前の目は節穴か?」
徳魔の言葉にクドエルは周りを見渡すと既に四人が異天使の力を抜かれていた。
(クドエル)「何時の間に!?」
(徳魔)「残りは網中に居るワナエルだけだな」
(ワナエル)「我から能力を吸収するのは無理に近いわよ」
(徳魔)「それはどうかな」
徳魔は笑みを浮かべるとワナエルに突っ込み斬りかかるが全てをワナエルはかわした。
(徳魔)(…次は左腕を狙うとするか)
(ワナエル)「聴こえるわ…次に来るのは左腕ね」
徳魔は突っ込むがワナエルは攻撃をかわすが背後に見えない壁があった。
(ワナエル)「!」
(クドエル)「見えない壁! 何時から!?」
(徳魔)「葬神に頼んで置いた。俺が負けそうになった時にサタンと入れ替わる。サタンが中央に異天使達を入れるからその隙に見えない壁を創りゆっくりと間隔を狭くしていく。最後にはワナエルが残るであろう。そいつは相手の心を読み取る事が出来る。だから――」
徳魔は上空に飛び封の太刀で一刀両断しようとした。ワナエルは横に逃げようとするが見えない壁が邪魔をして移動できなかった。
(徳魔)「ワナエルが攻撃を読めても回避できない様にすれば良いと!」
徳魔は封の太刀で一刀両断してワナエルから異天使の力と心読術を奪った。
(クドエル)「どうやって肉体を斬らずに力だけを――」
(徳魔)「サタンにチェンジしたのは精神集中して邪念を取り払った。そして、戻って俺は封の太刀の刃部分だけを霧状にしてお前らを斬りつけた。付け加えると封の太刀の特性を少し変えて【異天使の力のみを吸収】に変えただけだ」
(クドエル)「最初から我等は――」
(徳魔)「…さてと、これで全員唯の人霊だ。終わらせる! 臓!」
徳魔の背後にリヴァイアサンが現れてそれに復実と心究と天雲(徳魔の右腕の入った大瓶を抱えて)が乗って来た。
(心究)「徳魔! 何で葬神を呼んだ事を隠していた!」
(徳魔)「良く言うだろ【敵を騙すなら先ず味方】からって」
(心究)「…全てを予測していたと?」
(徳魔)「まぁ、来るタイミングだけは予測不能だけど大まかには予測していた」
(天雲)「……二人の口喧嘩はそのままにして置いて復実ちゃんお願いするわ」
(復実)「えぇ」
復実は除霊を始めた。
(天雲)「貴方達元異天使達には地獄に逝ってもらいます」
(クドエル)「我等は世界のバランスの為に――」
(天雲)「ふざけないで! 貴方達が行った行為で世界から戦争を無くせることだって出来たのに貴方達は力に沈んだのよ」
(徳魔)「雪の言う通りだ。力は人を呑み込み性格も人格も変えて破壊者になってしまう。お前達も知らず知らずの中に力に呑み込まれていった。お前達は信念が無かった。だから負けたのさ……俺には信念がある故人よりも生きて先を見て行くって言う大きな信念が……お前達は故人を思いやる気持ちが無い」
(心究)「さっき報告があったけど謎の飛行物体がこっちに近付いていた…これは君達だ。そこに軍人を重傷させた。これはれっきとした犯罪です」
(クドエル)「異天使に法など――」
(徳魔)「異天使とかの問題じゃない! 人を傷つけるのが人の遣る事か!」
(アベエル)「…彼等(軍人)は我々を殺そうとした。これだって――」
(徳魔)「それは無理があるな…軍人は一定の区域を護る義務がある。そこにお前らが未確認飛行物体として捉えられた。そこに向うのは軍のやり方に不正は一切ない。【殺そうとした】と言うのは誤解だな。軍人は何かあった時の為に戦闘機で偵察するのは当然だ。若しも民間人にばれても飛行訓練だと言って誤魔化せるし」
(心究)「何処でそこまで詳しい情報を?」
(徳魔)「匠が情報を手に入れる前から俺はハワイの管制塔の盗聴をしていたからな」
(心究)「何時の間に!?」
(徳魔)「俺が航空の上層部に呼ばれた時に……会談場が航空内だったから出来ただけでやる予定は無かった」
(天雲)「徳ちゃんは執念に緻密に練るからね」
(徳魔)「……まぁな」
(心究)「そろそろ、お前らは死後の世界に戻る。言い残す事はあるか?」
(クドエル)「…武士は二言を残す必要は無い!」
(ワナエル)「…雪ちゃん……貴方に幸福がありますように」
(スキエル)「…あの世に来たら勝負だ」
(サトエル)「…これからも生きて法無き犯罪者に制裁を」
(タハエル)「…天雲君、父親も信頼してあげなさい」
(アベエル)「…まだ、勝負は終わっていない!」
そう言って異天使達はあの世に帰って逝った。
(徳魔)「さてと、神斑達はリヴァイアサンに乗せて地上に俺は飛んで地上に降りるから」
(心究)「了解」
徳魔は高級ホテルの上に居る葬神のモールス信号(封の太刀の光で)で【助かった。有難う】と伝えた。
(鬼賭)「異天使達を撃退したようだな」
その頃、徳魔達は神斑達をリヴァイアサンに乗せた。
(徳魔)「さてと」
徳魔はモールス信号で【リヴァイアサンを地上に降ろして】と【能力の解除よろしく】と葬神に送った。
(鬼賭)「はいよ」
葬神は見えない壁を解除してリヴァイアサンを地上にゆっくりと降下させた。
徳魔はゆっくり黒い翼で降下した。
そして全員と合流した。
(徳魔)「ただいま」
(天雲)「お帰りなさい」
天雲は徳魔に抱きついた。
(心究)(……デジャヴ?)
その時、天雲は強く抱きしめた。
(徳魔)「強過ぎないか?」
(天雲)「お・し・お・き・ね♡」
徳魔は叫ぶが天雲は高級ホテルに連れて行った。
全員はそれを茫然と見ていた。
(心究)「俺達も戻ろう。時間的に言えばもうすぐで夕刻だ」
(復実)「そうね」
全員(異天使に憑かれた同級生達は…神斑を獰子・網中を復実・領叢は牙尾・漬建は像神・珠漬は心究・秦飮は陸海が担いで)は高級ホテルに向った。
その日の夕食前――
徳魔(右腕は心究の力で元に戻した)は天雲と誰も居ない路地裏で話をしていた。
(天雲)「――じゃぁ、私の読心術は異天使に――」
(徳魔)「あぁ…俺もあの日、亜津日花保育園に行った時に異天使に遇わなければ忘れていた。そこでだ――」
徳魔は封の太刀から光の球を取り出した。
(徳魔)「これは雪の読心術だ。雪の雨の太刀で凍らせるのも自由だし雪が受け止められるのなら受け入れても良い。お前が決めろ…雪――」
そう言って徳魔は少し離れて見守る事にした。
(天雲)「これが私の……」
その時、天雲の脳裏では保育園で起きた惨劇(苛め)が蘇った。
(天雲)(これを取り戻せばお母さんからお父さんが行っている本当の目的を聞ける。……けど、私には……)
天雲は雨の太刀で光の球を凍らせた。
(天雲)「私は心を読む必要は無い! だって、徳ちゃんの気持ちは分かるから――」
その言葉に徳魔は笑みを浮かべた。
(徳魔)「…そっちに行ったか…雪、もうすぐ夕食だ。帰ろう…」
(天雲)「うん」
それから数分後――
高級ホテルの最上階では皆でパーティーになっていた。
(徳魔)「斑(神斑)も楽しめよ」
(神斑)「だって、俺は――」
徳魔は後悔している神斑の背中を思いっ切り叩いた。
(徳魔)「俺達は生きている! それが一番だろ」
(神斑)「……」
(徳魔)「…それに人は何時か死ぬ。その時まで精一杯生きて俺達は後悔が無い様に生きる! それが生きる一番の目的だ。もっと楽しく生きればお前だって楽しい筈だよ」
(珠漬)「そうだよ」
その時、珠漬が食事を取りながら声を掛けて来た。
(徳魔)「お前なぁ、食べるか話すかどっちかにしろよ」
(珠漬)「仕方ないだろ何時も腹が減るのだから」
(徳魔)「はぁ、二―トのくせに全く腹が減り続けるって言うのは如何言う事だよ」
(珠漬)「さぁね」
(徳魔)「今度、病院にでも行って調べて来い」
(珠漬)「うん」
(徳魔)「それはそれで何でこっちに?」
(珠漬)「神斑の様子でもと」
(徳魔)「…もしかして…異天使が憑いた全員に回る気か?」
(珠漬)「まぁ、この中で二体憑いたのって俺だけじゃん」
(徳魔)「まぁ、そうだな、二回とも俺を消す気満々で襲って来たからな」
(珠漬)「俺も異天使に体を乗っ取られて自分の肉体の制御が出来なかったからな」
(神斑)「珠漬さん、如何してそこまで気楽に居られるのですか?」
(珠漬)「だって、俺達は唯、異天使に利用された揚句に今の君の状態を狙っている」
(神斑)「それに非現実的な状況に陥れば誰だって戸惑いますよ」
(珠漬)「非現実か……それって何だ?」
(神斑)「何って……能力や空を飛んだり怪物が現れたり――」
(珠漬)「現実ではあり得ない事を固定概念で生きていればそうだがそれ位普通に考えれば当たり前だと思えるさ」
(徳魔)「その何だ…固定概念を持つから駄目って奴かな?」
(神斑)「徳魔……お前だって死んでいるのだろ?」
(徳魔)「生きているけど?」
(神斑)「嘘だ!! お前は死んでいて生きていける筈が無いだろ?」
神斑の目には涙が溢れていた。徳魔はその目を見て悲しい涙だと分かった。
(徳魔)「…確かに俺は一度、死んだ。……いや、死にかけてあの世に逝きかけた。だけど、俺の亡き母親が神に祈った。だけど、神ではなく祈りは悪魔に届いた。そして、俺はこの世に戻って来られた。それに――」
徳魔は自分の心臓にフォークを突き刺した。
(徳魔)「この通り、穴があけばそこから赤い血が流れるし痛みだってある。違うのは致命傷に深手を負っても生きていける」
(神斑)「…だったら、早く死んじゃえよ!!」
その言葉にパーティー全員が驚いた。
怒った獅血と淨櫳が神斑の方に行こうとすると徳魔は軽く頷いた。
(徳魔)「構わないよ、君がその言葉を心の底から思って言ったのなら――」
(神斑)「…それは」
(徳魔)「復実さん、俺に除霊の準備を!」
(復実)「でも!」
復実の肩に手を置いたのは心究で顔は悲しい表情だったが少し笑みを浮かべていた。
(復実)「…分かったわ。雪ちゃんはそれで良いの?」
(天雲)「…復実ちゃん、後で私もお願いね」
天雲は悲しい表情をしながら笑みを浮かべていた。
(復実)「じゃぁ、始めるわよ」
復実は徳魔の除霊を開始した。
(珠漬)「今ならまだ間に合うぞ」
(神斑)「俺は……」
(珠漬)「徳魔は本当に死ぬ。この先、墓標の前でしか会えない。同窓会も来ない永久に。友として同級生として何より人として人を殺せば唯の孤独に違い無い。お前は今、友を本当に殺そうとしている。それに気付け!」
珠漬の目から涙が出ていた。神斑はそれを見て《後悔の念》で一杯になって徳魔に叫んだ。
(神斑)「徳魔! 俺は……俺は……」
その時、徳魔はその場に倒れた。
(復実)「除霊完了……今を持って――」
(心究)「徳魔 陽…此処に没する」
全員が目を瞑った。
(神斑)「御免なさい。俺が間違っていた。俺が……」
その時、徳魔は目を覚ました。
(神斑)「…と…く…ま…」
(徳魔)「お前なぁ、だから前に言った事無いか? 【自分が言う言葉・インターネットに打った言葉に責任を持て!】と……」
(珠漬)「神斑、今の行動は演技だったが本気でやっていたら徳魔は死んでいたぞ。お前だって法無き犯罪者となっていたぞ」
(徳魔)「言葉って言うのは人を操る力がある。お前はそれを知った。言葉には気をつけろよ! 仮にもお前は神社の宮司なのだから」
(神斑)「そうだな、俺は宮司だった軽く死に誘導させる言葉は駄目だった」
神斑は笑った。
(徳魔)「さてと、皆ぁぁ! 仕切り直して……パーティーだぁぁ!」
皆の思いっ切りパーティーを楽しんだ。
それから数時間後――
夜中――
徳魔と天雲の部屋にノックする音が聴こえ起きていた徳魔が開けると心究だった。
(徳魔)「匠、如何した?」
(心究)「一つ気になるが日本への帰国は考えているのか?」
(徳魔)「まぁ、一応…でも」
(心究)「でも?」
(徳魔)「上手く行っても数日はこっちで待つ必要が――」
(心究)「…若しかして…軍に頼んだか?」
(徳魔)「…正確に言うと海軍にだけど」
(心究)「お前なぁ、空軍に頼んだ方が早くねぇか?」
(徳魔)「それは、考えたが実はチケットを貰った日の夜中に俺は海軍の基地に侵入してとあるメモを置いて来た」
(心究)「何所に」
(徳魔)「海軍の中で一番偉い人の所」
(心究)「良く置いて来られたな」
(徳魔)「置くと言っても机に書いたから」
(心究)「能力で?」
(徳魔)「まぁな」
(心究)「それ、器物損害罪に値するぞ」
(徳魔)「まぁ、【後で責任を持って直します】と追申で書いといた」
(心究)「…で、何て書いた?」
(徳魔)「【天雲家の者が来たら逆らわずに聞く事】とだけ」
(心究)「…成程ね、電さんなら問題なく帰れるか」
(徳魔)「時間は掛かるけど悪くない策だろ?」
(心究)「まぁ、皆疲労しているから良い休養になるか」
(徳魔)「それにハワイに来てこれだけじゃつまらないだろ?」
徳魔の言葉に心究は笑みを浮かべた。
(心究)「そうだな、もう少し観光してから帰るか」
心究はそう言ってその場を去った。
(徳魔)(勝負はまだ終わってはいない)
徳魔は何かを感じていた。
徳魔達と異天使達の勝負はこれで決着……? 次回は日本に戻ってのお話。
悪魔と子供~南国と全力~ 第三話 完
悪魔と子供~黒色と灰色~ 第一話 続く――
天雲は母親から受け継いだ能力を受け継がなかった! そして、徳魔の最後の言葉の意味とは!?




