秘密と未来 第7話
三つの少女が一人の少女を救い出すために彼氏と一緒に動き出す! そして、天雲の知られざる過去が明らかになる!
悪魔と子供~秘密と未来~
第七話…獅血と槍銛&淨櫳と獰子
これは五月の話し――
獅血と槍銛は亜津日花保育園で子供達と遊んでいると一人の子供(男子)が獅血に話しかけて来た。
(子供)「ねぇ、お兄さんって動物霊を呼べるんでしょ?」
(獅血)「まぁね」
(子供)「ねぇ、動物霊呼んで」
子供の一人がそう言うと子供達全員が動物霊を呼んで欲しいと言った。
(獅血)「面白半分で呼んではいけないからなぁ……そうだなぁ、今から霊感テストをしてからかな」
と言うと子供達は少しがっかりした。
(槍銛)「霊を呼べたとしても見えなければ呼んだ意味が無いでしょ?」
と槍銛は獅血のフォローをした。
(獅血)「これから、お兄ちゃんが二匹の動物霊をこの保育園に隠すから探して見つけたらお兄ちゃんの耳元で答えを言う事良いね?」
(子供達)『は~い』
獅血は一度目を瞑ると微笑んだ。
(獅血)「君達と遊びたい動物霊が一杯いるね……かくれんぼは……この二匹にしよう」
そう言うと獅血は目を開けた。
(獅血)「さぁ、動物霊を探して来なさい」
獅血の言葉で子供達は保育園内を探し出した。
(獅血)(見つけられるかな? 一匹は灯台下暗しでもう一匹はかくれんぼの達人だ。目を凝らせよ)
獅血は少し微笑んだ。
(槍銛)「獅ちゃん、難しくした?」
(獅血)「それは秘密だが俺が呼び出したのは同じ場所に潜んでいるとは限らない二匹だ」
その時、一人の少女が獅血の裾を引っ張った。
(獅血)(意外と早く見つけたな)
少女の答えは正解だった。
(槍銛)「楓ちゃんって霊感強いからね」
(楓)「お兄ちゃんって交霊使いなの?」
(獅血)「少し違うよ。お兄ちゃんの能力は人間以外の動物と会話する事が出来る」
(槍銛)「彼の能力は使いかったによっては世界を大混乱に出来ちゃう能力なの」
(楓)「一つ訊くけどお兄ちゃんとお姉ちゃんって付き合っているの?」
楓ちゃんの質問に二人は顔を見て赤くなった。
(獅血)(この子、人の恋愛に入って来られるな)
(獅血)「少し違うよ」
そう言うと獅血は自分の首にある首輪を見せた。
(楓)「首輪?」
(獅血)「そうだよ、お兄ちゃんはお姉ちゃんのペットだからね」
少女は少し引いた。
その時、槍銛が獅血の頭を殴った。
(槍銛)「獅ちゃん」
(獅血)「冗談だって」
その言葉に少女は安堵の表情を見せた。
(獅血)「正確に言うと「座縁の事を一生護り抜く」と言う約束の枷だよ」
獅血は首輪の本当の意味を楓ちゃんに教えた。
それから数時間後、子供達はお昼寝の時間になり皆がお昼寝をしていた。その頃、槍銛と獅血は近くの公園で昼食を取っていた。
(獅血)「動物霊を見られたのは十人か…約半数以上か」
(座縁)「少子化で亜津日花の人数も減って来ちゃって大変なのよね」
(獅血)「多いと大変だし少ないと大変…大変尽くしだな」
(座縁)「程度が良いってことね」
(獅血)「そうだな……それにしても楓ちゃんは結構早く見つけ出したな」
(座縁)「あの子の親って霊能者なのよね」
(獅血)「成程ね…霊の感知方法を既に覚えていたか」
(座縁)「それにしても雪ちゃんは不思議だったわ」
(獅血)「天雲がどうかしたのか?」
(座縁)「そう言えば獅ちゃんは当時、マーキング(血で)の為に世界中を放浪していて保育園に来ていなかったわね」
(獅血)「まぁな、それで天雲が不思議だったって?」
(座縁)「当時のあの子の苛められていたのよ――」
十数年前――
天雲達がまだ4歳の時――
天雲は亜津日花保育園の廊下で同級生達に苛めを受けていた。
(同級生)「何時も貴方の声が頭の中に入って来るの……はっきり言って迷惑なの」
天雲はその言葉で完璧に落ち込んだ。
そして、時間は水泳の時間になった。皆が楽しくなった遊泳していたが天雲は隅っこで意気消沈していた。そこに駆け寄ったのは徳魔だった。
(徳魔)「君は皆と遊ばないの?」
(天雲)「皆に嫌われているから……」
(徳魔)「お前の能力は確かに他人にとっては迷惑に変わりは無いが僕には悪くないと思うよ」
徳魔は笑顔で言うと徳魔は天雲の腕を掴んでプールの方に向った。
それから数分後、プールの時間が終わると保育士が天雲が居ない事に気付いた。保育士はプールの中に天雲が居ると判断した。その時、保育士より速くプールの中に入ったのは徳魔だった。徳魔がプールの中に入って数秒後、徳魔が出て来ると天雲を連れて戻って来た。天雲は気を失っていた。保育士が心肺蘇生を行おうとすると徳魔が変わり(保育士より速く)行った。
時間は現在に戻る――
(座縁)「――それから雪ちゃんの声が聴こえなくなった――」
(獅血)「天雲って天候を操る以外にそんな能力が……」
(座縁)「心読術は母親からの遺伝だと思う」
(獅血)「天雲の母親か……前に一度天雲家のパーティーに行った時に天雲の母親が俺達の心を呼んだ雰囲気があったな」
(座縁)「そうなの」
(獅血)「だが、逆に天雲の母親は一切に心は聴こえなかったが……」
(座縁)「多分だけど、雪ちゃんの能力は母親の上を行っていた」
(獅血)「しかし、能力が消える事は普通、無いぞ」
(座縁)「そうなの」
(獅血)「あぁ、消えると言うよりは弱まる」
(座縁)「でも、心を読み取ってはいなかった」
(獅血)「だとすれば異界の者の仕業と考えれば事情を解釈出来るが――」
(獅血)(異界の者が何者なのか不明……この事を徳魔に伝えておくか……いや、徳魔は記憶力も優れている。此処は静観するか)
その時、亜津日花保育園の保育士(女性)が二人に駆け寄って来た。
(座縁)「如何したの?」
(保育士)「さっき、巡回していたら楓ちゃんの姿が無かったんです」
(座縁)「見た者はいないの!?」
(保育士)「他の保育士は急用で午前中に帰って行って誰も……」
(獅血)「――楓ちゃんなら今、甲州街道を新宿方面に歩いているぞ」
(保育士)「?」
(座縁)「誰に訊いたの?」
座縁が訊くと獅血は樹の上に居る烏を指差した。
(座縁)「何所に向っているのかしら?」
(獅血)「――分からないがあの子の気が非常に殺気だっていたって」
(座縁)「もしかして」
(獅血)「あぁ、普通に考えて霊に憑依された。それも新宿方面ならおおよその見当はついた」
獅血は目の色を彪に変えて走り出した。
(座縁)「貴方は心配しないで他の子を頼みます!」
(保育士)「はい!」
座縁も獅血の後を追って走り出した。
その頃、淨櫳と獰子は獰子の試合会場にいた。
(実況者)【遂に決着~~! 勝者は鎖矢選手! 相手選手の硬直技を全て解き右ストレートで決めた~~】
少し経ち獰子の楽屋では淨櫳が訪れていた。
(淨櫳)「相変わらず無茶をするね…硬直技の解き方強引さが大切だ。良くも連続で解いたな? 流石のお前でも疲労しただろ?」
(獰子)「平気よ、これ位は徳魔君の窒息よりはマシよ」
(淨櫳)「確かに徳魔の窒息はその階層の空気を全部失わせて相手を気絶させる。徳魔の十八番」
その時、外が騒ぎ出した。
二人が外に出ると小さい少女(楓)が何人も人を切り刻んでいた。
(淨櫳)「あの子…悪霊に憑依されている」
(獰子)「えぇ」
(悪霊)「ミ・ツ・ケ・タ」
(淨櫳)「まぁ、来るとは予測していたがまさか、子供に憑依して来るとは予測できなかった」
(淨櫳)(まぁ、徳魔なら予測して最良の手段を見いだしているだろうな)
(獰子)「殺気からして前に逮捕した銀行強盗犯の一人だよね?」
(淨櫳)「言うのが遅れたがあの後、刑務所内で首を括って自害した。遺書を残して――」
(獰子)「遺書って?」
(淨櫳)「【俺を逮捕した男女を殺してやる】だってさ」
その頃、獅血は座縁に事情を説明した。
(座縁)「――詰り、母校に避難した銀行強盗犯を捉えた獰子先輩と像神に逆恨みをする為に楓ちゃんの体を使っているって事?」
(獅血)「簡潔に言えばそうだが……」
獅血と座縁が試合会場に着くと現場は無残な姿だった。
(獅血)「酷いな」
その時、刃物と刃物がぶつかる音がした。
(獅血)(淨櫳のやつ、思獣創召喚で思獣武装を使ったか)
(獅血)「座縁は救急車を呼んで隠れていろ」
(座縁)「……分かったわ」
獅血は笑顔を見せると刃物と刃物がぶつかる音の方向に向った。
(淨櫳)「こいつ、前より凶悪になってやがる!」
獰子が楓の背後を取り、右ストレートを放つが片手で受け止めた。
(淨櫳)(馬鹿な! 象でも吹き飛ぶ威力だぞ! あれを受け止めるってどんだけ、強い憎しみだよ)
その時、楓が刃物で獰子を刺そうとした。
(淨櫳)「獰子!」
(獰子)(動けない!)
その時、獅血が楓の首に回し蹴りを放ち吹き飛ばして獰子を助けた。
(獅血)「お前ら、手を抜いていたら本気で死ぬぞ!」
(淨櫳)「だが、相手は憑依されているとはいえ子供だぞ! 手が出しづらい」
(獅血)「助人を呼んどいた。二分もすれば駆け付ける。その間はこいつの攻撃を全力で阻止しろ!」
(獰子)「助人?」
(獅血)「来るぞ!」
その頃、試合会場入り口付近では地泉と心究が合流していた。地泉が自然使いを使い生命が危険な者が死なない様にして心究が治癒能力で応急処置を行っていた。
(地泉)「この数を数秒でやるって悪霊のなせる域を超えてやがる」
(心究)「確かに悪霊と言うよりは妖怪と言ったところか……だが、あいつの力を舐めていると足を掬われる」
そして、獅血達の方では悪霊が急に怯え始めた。
(獅血)「来たか」
悪霊の背後から復実が現れた。
(復実)「まさか、妖怪退治になるとはね」
そう言うと復実は除霊を行い始めた。
(獅血)(これで……!)
悪霊は復実に向けて刃物を飛ばした。
(淨櫳)(不味い! 思獣創召喚は間に合わない!)
(獅血)(俺の力じゃ、物を止める事は出来ない!)
すると、復実の目の前に獰子が立ち右肺に刺さり、復実を護った。
(獰子)「復実ちゃん…続けなさい」
そう言って倒れた。
(淨櫳)「獰子ぉぉぉぉ!」
復実の除霊で悪霊(妖怪)を払う事が出来た。
数分後、心究達が合流した。
(心究)「獰子先輩!」
(復実)「私を庇って右胸を刺されたの」
(心究)「刺された時間は?」
(獅血)「7分前だ」
(心究)「今から病院に運んだとしても助かる確率を非常に低い」
すると、心究は右手で獰子の右肩に触れた。
(復実)「……」
すると、みるみる傷口が塞いで行った。そして、獰子は目が覚めた。
(淨櫳)「相変わらず、凄いな」
(心究)「いや、お前の能力と変わらないよ」
(心究)「獰子先輩…一週間は過激な行動はしないで家で安静にしていて下さい。修復は完了しましたがまだ完璧に治った訳じゃありませんから」
(獰子)「えぇ、分かったわ」
(獰子)(まだ、右胸が痛む…これって…)
心究は復実と共に試合会場の入り口に戻って行った。
(獅血)「さてと、俺も戻るか」
獅血は楓を担いで去って行った。
(獰子)「淨ちゃん…私は弱かったわね」
(淨櫳)「いや、後輩の目の前に立つのは勇気がいるからな…誇りにして良いと思うぞ」
(獰子)「明日は少し付き合ってくれないかしら?」
(淨櫳)「それは良いが絶対に無茶はするなよ」
(獰子)「分かっているわよ……唯の買い物よ」
(淨櫳)「……そうか」
そして、二人も家に戻って行った。
事件は無事に解決した。次はプライベートで起きた事件です。
悪魔と子供~秘密と未来~ 第7話 完
悪魔と子供~秘密と未来~ 第8話 続く――
獰子が負傷して試合は中断! 少女は救えた! 獰子と淨櫳のデートはどうなるのか?




