秘密と未来 第3話
その日は雨が降り続いた! 徳魔は雨に打たれ続けた! 誰かの想いを受け止めるかのように――
悪魔と子供~秘密と未来~
第3話…徳魔と天雲3
次の日の早朝――
(徳魔)「今日は雨か……それも長く続くか分からないが」
徳魔はベランダに出て屋上に向った。
(サタン)《風邪を引くぞ》
(徳魔)「心は子供だから引かないよ」
(サタン)《子供は風の子か》
(徳魔)「あれは心に『風邪を引く』と言う常識が無い人が子供だって意味だよ」
(サタン)《正確には子供の様に無知だって言う事だよな》
(徳魔)「まぁな」
徳魔は少し笑った。
徳魔がベランダに出る数分前に天雲家では天雲と天雲の父親が大喧嘩していた。
(天雲)「お父さんは如何して私の私物を捨てるの?」
テーブルの上には天雲の私物がゴミ袋に入っていた。
(天雲の父親)「流石に量が多すぎるからだ。これ以上お前の私物が多くなれば家に穴が開くだろ」
天雲の父親が天井を見ると一箇所だけ色が確実に違う箇所があった。
(天雲の父親)「費用は大丈夫だけど人の労働量が計り知れない」
(天雲の父親)(と言っても徳魔君に直してもらっただけど)
(天雲)「捨てるのは酷過ぎる!」
天雲は涙を流しながら二階の自分の部屋に戻った。
(天雲の父親)「たくっ」
(天雲の母親)「電さん、雪には本当の事を言っても良いじゃないですか?」
(天雲の父親)「流石にまだだよ」
(天雲の父親)(約束が果されるまでは)
天雲の母親は天雲の父親の心の声が聴こえていた。
(天雲の母親)「そうね」
その頃、徳魔は屋上で雨に濡れていた。
(徳魔)「はぁ、相変わらずに雪は父親と喧嘩か」
徳魔は少し呆れ気味だった。
(徳魔)「それにしても…屋上は数年振りだな…あの異天使が降りた場所だから…来たくは無かったが…あの異天使と同じ思想を持つ異天使が存在するとは…絶対に阻止してやる!」
(サタン)《燃えているところ悪いが前回にあった異天使には敗北だったろうが?》
(徳魔)「確かに…あの時は人が通り掛かって勝負は着かずに終わった」
徳魔は拳を強く握った。
(徳魔)「だが、俺達は完敗だった」
(サタン)《何とかその時は異天使が逃げた事で九死に一生を得たがその時にお前は左胸に大きな傷を負った》
(徳魔)「……」
徳魔は右手を左胸に置いた。
(サタン)《その傷は誰にも見せてはいないけど…お前にとっては死の証だ》
(徳魔)「だからこそ、次は負けられない! 生死体全員の命が掛かっている」
徳魔は調布駅の方を見るが瞳は未来を見ていた。
その頃、特殊制裁班では緊急事態が起きていた。
(匠)「非常に不味いな…俺達が制裁を与えて来た時効犯達が昏睡状態に陥っている」
(淨櫳)「この事は徳魔達に教えた方が…」
(匠)「いや、明日で良いだろう…」
(淨櫳)「これって十数日前に起きた“怪物事件”と同じ状況だ」
(匠)「あの時とは別だ。異天使達が動き出したと言う事だろう……だが、奴等はどうして時効犯達を狙う? 標的は俺達の筈だ?」
匠は異天使達の行動に困惑していた。
(鏡魔)「大変よ!」
鏡魔は逃法犯認証係の扉を勢いよく開けて出て来た。
(匠)「如何した!?」
(鏡魔)「さっき、陸海君の所にハワイへのチケットが来たって…それも4人に!」
(匠)「4人…異天使共の狙いは……」
匠が異天使の狙いを考えていた。
その頃、徳魔家では徳魔が洗濯物を洗濯機に入れていた。
(徳魔)「さっき、雨で濡れた服も入れるか」
徳魔は服を脱ぎ洗濯機に脱いだ服を入れた。
(徳魔)「それにしても続くなぁ…雪の雨は」
徳魔は天井の先の上空を見ていた。
その頃、天雲家の雪の自室では雪が部屋の片隅で泣いていた。
(天雲)「何でお父さんは私の私物は捨てるのよ」
天雲の右目から一粒の涙が流れた。その時、天雲の携帯電話が鳴った。
(天雲)「徳ちゃんからだ」
天雲は涙を拭って天雲は電話に出た。
(天雲)「もしもし?」
(徳魔)(もう泣いてないのか?)
(天雲)「! 何で泣いていた事が分かったの!?」
(徳魔)(外を見ながら連絡したからさ)
(天雲)「……」
天雲は顔が赤くなった。
(徳魔)(今…顔が赤くなっただろ?)
(天雲)「如何して分かったの!?」
(徳魔)(だから、外見ながら電話しているからだ)
(天雲)「ずっと、見ていたの?」
(徳魔)(…起きてから5分に一度は空を見上げて雪の感情を確認するし雪が泣いていたら外に出て雨を浴びる事もしているぞ)
(天雲)「! 徳ちゃん、裸で外を見ているの!?」
(徳魔)「流石に下着は着ているが…って言うか何を想像していた?」
(天雲)「……」
天雲は顔が更に赤くなった。
(徳魔)(まぁ、それはそうとして…雪は相変わらず親父さんと喧嘩しているのか?)
(天雲)「だってお父さんが私の私物を捨てようとしていたから」
(徳魔)(…それは見たままだな)
(天雲)「如何言う事よ?」
(徳魔)(雪の親父さんは捨てて無いと思うぞ…)
(天雲)「え?」
(徳魔)(少しは親の思いを考えれば何か分かるかもよ…じゃぁ、そう言う事で)
徳魔はそう言うと電話を切った。
(天雲)「ちょっ! 徳ちゃん!」
(天雲)(親の思い…)
天雲は徳魔の言葉で親の思いを考えていた。
その頃、1階では天雲の親父が出掛ける準備をしていた。
(天雲の父親)「後で収集担当者に伝えないと」
(天雲の母親)「隠し通すのは大変ね」
(天雲の父親)「お前だって心が読める能力で昔は酷い虐めに遭っていたよな」
(天雲の母親)「そうね…それを助けたのは貴方…電さん」
(天雲の父親)「相変わらず、古い事を覚えているな」
(天雲の母親)「そうね」
(天雲の母親)(私が覚えていた訳じゃないけどね)
その頃、徳魔家では徳魔が融合の特訓をしていた。
(徳魔)「融合!」
徳魔の体の周囲から黒い霧が出現して徳魔の体に纏わり付き始めた。
(サタン)《あの時の感覚は一気に徳魔の肉体に吸収された》
徳魔の肉体に黒い霧が纏わり付いた。
(徳魔)「はぁ…はぁ…」
徳魔の背中から翼が出現して顔は黒い霧で覆われた。
(徳魔)「出来た…」
(サタン)《出来たな》
(徳魔)「後は…!」
その時、徳魔の体から黒い霧が消えて行った。
(徳魔)「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
徳魔の肉体の汗腺から血が大量に流れ出た。
(徳魔)「…前回よりも短い…と言うよりは二人の心が1つになってはいなかった」
(サタン)《もう一回やるか?》
(徳魔)「いや、流石に片付けよう…部屋が血祭り状態だからな」
徳魔は1秒もせずに部屋の血を拭い終えた。
(徳魔)「さてと、終わったけど…次は洗濯物を干すか」
徳魔は洗濯機がある部屋に向った。
その頃、天雲家では天雲が1階に下りると天雲の父親が居なく天雲の母親がリビングでお茶を飲んでいた。
(天雲)「お母さん…お父さんは?」
(天雲の母親)「出掛けたわよ」
(天雲)(お父さんに訊きたかった事があったのに)
(天雲の母親)「お父さんに訊きたい事って何?」
(天雲)「お母さんは相変わらず心を読み取る能力は健在ね」
(天雲)(何で私にはお母さんの能力が遺伝さされなかったのかしら)
(天雲の母親)「ちゃんと…遺伝しているわよ」
(天雲)「でも、私にはお母さんの心の声さえ聴こえないのよ」
(天雲の母親)「昔はね、聴こえていたのよ…でも、保育園に入って雪は心を読めずになったの…何が遭ったか雪自身は忘れている」
(天雲)「それが思い出せれば私の…お母さんから受け継いだ“心が読める能力”が戻るの?」
(天雲の母親)「えぇ、きっとね…でも、私は貴方に何が遭ったかは知らないわ…自分で探し出しなさい」
(天雲)「はい!」
(天雲の母親)「…所で雪がお父さんに訊きたかった事って何?」
(天雲)「そうだった、徳ちゃんがね「親の思いを考えればお父さんの事が分かるかも」って言っていたけど…考えても全然分からなくて…そこでお父さんに私の私物を捨てる理由って何なのか訊きたくて…」
(天雲の母親)「…知っているけど教えないよ」
(天雲)「そんなぁ」
(天雲の母親)「…そうねぇ、雪が心を読み取る能力が戻ったら教えてあげる」
(天雲)「本当?」
(天雲の母親)「えぇ、必ず教えてあげる」
天雲の母親は屈託のない笑顔で答えた。
その頃、徳魔家には誰も居ず、徳魔は天雲家の近くに居た。
(徳魔)「今日は大丈夫だな」
その時、一台の収集車が現れた。
(車の運転手)「あれ? 陽か?」
徳魔が運転手の顔を確認すると小学校の時の同級生の珠漬だった。
(徳魔)「珠漬…久しぶりだな」
徳魔の表情が少し警戒していた。
(珠漬)「陽…あの時は済まない…」
珠漬は悲しい表情で徳魔に謝った。
(徳魔)「…良いさ」
(徳魔)(あの異天使は最後に俺と珠漬への大きな傷を…残して行った)
徳魔の脳裏には雨で濡れている珠漬と徳魔の姿が浮かんでいた。
(徳魔)「…お前は少し関わっていただけだ…!」
徳魔は何かに気付いた。
(珠漬)「気付いたようだね」
珠漬は収集車から降りた。
(徳魔)「お前は!」
珠漬の周囲から紫色の霧が出現して珠漬の体に纏わり付いて行った。
(謎の声)「君とは初めて会うね」
(徳魔)(この声は珠漬じゃない…間違い無く異天使!)
(徳魔)「異天使が俺に何の用だ?」
徳魔はズボンのポケットに手を入れた。
(異天使)『今回は挨拶ですよ』
異天使は丁寧にお辞儀した。
(徳魔)(お辞儀とは結構まともな異天使…)
(徳魔)「ハワイでは敵だが…テメェには違う気配を感じる」
(異天使)「…お見事な洞察力です」
(徳魔)「お前は…あの異天使の部下だな?」
(異天使)「正解です」
(徳魔)(成程な…奴は俺達と異天使の戦いを利用して何かをしようとしている。だけど、こいつも唯の捨て駒か…)
(徳魔)「お前らの狙いは俺達を世界から抹消させて世界のバランスを護る事ですよね」
(異天使)「その通りです。君達は世界の常識を大きく揺るがす者達です。君達を抹消させる事で世界のバランス…詰り、常識だけの世界に戻します」
その言葉を徳魔は目つきが変わった。
(徳魔)「少し手合わせしねぇか?」
(異天使)「挨拶だけだと言いましたよね?」
(徳魔)「確かに挨拶しに来た…だが、生き物として勝負をするべきだ。それが相手への礼儀の一つだ!」
(異天使)「我々はそう言う事は一切せずに世界のバランスだけを見ています!」
(徳魔)「成程な…見ている景色が違うな」
徳魔は一瞬ふらついた。
(異天使)「?」
その時、徳魔の姿が消えた。
(徳魔)「こっちにはお返しがまだだからな!」
徳魔は異天使の背後に一瞬で周り右ストレート放つが異天使は背後に振り返らずに右手で受け止めた。
(異天使)「無理に決まっているでしょ!」
異天使は右足を後ろに蹴って徳魔に当てた。
(徳魔)「そう来る事は分かっていましたよ」
徳魔は左腕で右足の蹴りを受け止めた。
(異天使)「!」
(徳魔)「貴方は初めてですが異天使との戦いはこれが2度目ですので」
徳魔は頭突きで6m先まで吹き飛ばした。
(異天使)「そう言えばそうでしたね」
徳魔は口元が微笑んでいた。
(徳魔)「異天使共に伝えといて下さい」
徳魔はズボンのポケットに手を突っ込んだ。
(徳魔)「俺はお前ら全員…6人と戦いますよって伝えといて下さい」
(異天使)「そうですか」
珠漬の肉体から紫色の霧が離れていった。そして、珠漬は地面に倒れた。
(徳魔)「これで良い…」
徳魔は珠漬を担いで道路の端に移動させた。
(徳魔)(まぁ、こいつの肉体は異天使が憑依しやすいからか…思い返せば保育園から多重人格らしき変貌は合ったからな…あの時から俺達は異天使達に狙われていた…死にたい気分だ)
(サタン)《じゃぁ、死ぬか?》
(徳魔)(本気にするな! サッチャン…)
(サタン)《サッチャンって言うな!》
(徳魔)(それにしても…車は如何するかだな)
徳魔は収集車の運転側の中を覗いた。
(徳魔)「あれって」
徳魔は助手席にノートを見つけて手に取り読み上げた。
(徳魔)「……成程な、雪の親父さんの目的はこれか」
徳魔は微笑んでノートを助手席に戻した。
(徳魔)「後は…」
徳魔は片手で収集車を持ち上げて近くの駐車場に運んだ。
(徳魔)「…さてと、監視に戻るか」
徳魔は天雲家の監視に戻ると偶然にも天雲と鉢合せした。
(徳魔)「…雪」
(天雲)「徳ちゃん…如何して此処に?」
(徳魔)「…散歩の途中だ」
(徳魔)(監視しているとは言えない…)
(天雲)「一つ頼み事があるの」
(徳魔)「何だよ?」
(天雲)「私にも心を読み取る能力が存在していたの」
(徳魔)「それで?」
(天雲)「能力自体が消えちゃって…取り戻したいの…手伝って欲しいの」
(徳魔)「…良いけどさぁ、何所に行けば良い?」
(天雲)「一緒に保育園に…」
(徳魔)「…俺は付き添いだからな…雪自身で思い出せよ」
(天雲)「分かっているわよ」
徳魔の右腕に天雲が抱きついて保育園に向った。
その頃、異天使の世界では珠漬に取り憑いていた異天使が別の異天使と会っていた。
(異天使)「大異天使様」
(大異天使)「お主の行動は把握している彼等はどうだ?」
(異天使)「はい、8月に行動すると思われます」
(大異天使)「8月…我々は奴等が落ち着いた時に計画を始動する!」
(異天使)「…彼らの終りには持って来いですね?」
(大異天使)「我が“奴等”に与えた罰はどうだった?」
(異天使)「以外にも憑依した方は後悔の念で一杯でしたが標的は全く感じておりませんでした」
(大異天使)「…予定通り、更に悲劇を与えなさい」
(異天使)「はい!」
異天使はスゥ~っと消えた。
(大異天使)「奴には大きな借りがあるからな」
大異天使の右腕と右足が消えていた。
徳魔と天雲の私生活の紹介はこれにて終了! 次は陸海と心究の二人の私生活の御紹介!
悪魔と子供~秘密と未来~第3話 完
悪魔と子供~秘密と未来~第4話 続く――
天雲 雪には母親と同じ能力があった! だが、今は消えている! 徳魔と天雲はその謎を解明しようと動く!




